マエケンが先発からブルペンに配置替え。2億円以上を失い、野茂超えも遠のく
ナショナル・リーグ西地区2位のアリゾナ・ダイヤモンドバックスに17.5ゲーム差を付けて地区首位を独走しているロサンゼルス・ドジャース。地区優勝までのマジックナンバーを7としているドジャースは、プレーオフを見据えた戦い方に入っている。
9月2日(日本時間3日)の試合前には、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が、先発ローテーションの一角を担う前田健太のブルペンへの配置換えを発表。数少ないチームのウィークポイントであるブルペンを強化するために、過去2年のプレーオフで好リリーフを続けているマエケンをブルペンの柱とする算段だ。
「ケンタは安心して試合の最後を任せられるだけの力を持っている。今季中にケンタが先発する可能性は残されはいるが、プレーオフに向けてブルペンで準備を積んでもらいたい」
前田は3日(日本時間4日)のコロラド・ロッキーズ戦に先発する予定だったが、2日の試合からブルペンに入り、3日は謹慎処分明けの左腕、フリオ・ウリアスが前田の代わりに先発のマウンドに登る。
ドジャースの先発ローテーションはエースのクレイトン・カーショウ(13勝4敗、防御率2.96)と今夏の球宴でナ・リーグの先発投手に選ばれたリュ・ヒョンジュン(12勝5敗、防御率2.35)の2枚看板がサウスポーなので、左腕のウリアスよりも前田を先発に固定した方がバランスは良い。
加えて、ブルペンには左腕がケイレブ・ファーガソンだけであり、こちらにウリアスを置いた方がブルペンの左腕不足も解消できる。
それでも、1988年以来となる悲願の世界一を狙うドジャースは、過去2年のプレーオフで見事にリリーフぶりを見せたマエケンの力を必要としており、3年連続で前田のブルペン転向を決断した。
今季の基本給が300万ドル(約3億1500万円)のマエケンは、先発試合数と投球回数に応じたボーナス契約を結んでおり、15先発と20先発をクリアすると100万ドル(約1億500万円)、25、30、32先発でそれぞれ150万ドル(約1億5750万円)を手にできる。また、投球回数は 90イニングから190までは10イニング増えるごとに25万ドル(約2625万円)が、200イニングに達すると75万ドル(約7875万円)のボーナスが与えられる。
今季はここまで26先発、138投球回数で、このままシーズン終了まで先発ローテーションに残っていれば、30先発、160イニングはクリアできたと思うので、225万ドル(約2億3625万円)のボーナスを手にできたはずだった。
また、今季12安打を放っていて、野茂英雄と並ぶ日本人投手シーズン最多安打を記録している前田は、野茂超えを目標に掲げていたが、打席に立てる機会の少ないブルペン転向でこの記録達成も難しくなった。