デビュー4戦目でタイトルマッチのチャンスを掴んだバンタム級の増田陸（帝拳）が、いま注目を浴びている。得意の左を武器にプロ3戦全勝3KOとその期待も高い。

──現在のコンディションはいかがですか。

増田：いい感じです。

──次戦は8月30日に堤聖也選手（角海老）ですね。4戦目でタイトルマッチに挑戦とは、帝拳でも異例の早さだと思いますが。

増田：このチャンスを掴めたのも、会長、マネージャー、ジムのスタッフ、応援してくれるみなさんのおかげで感謝しかないです。いやもう、試合が楽しみでワクワクしています。

──前回は格上のランカー（富施郁哉・ワタナベ）との試合でしたが、手応えはいかがでしたか。

増田：想定以上に強くて、自分のボクシングをどうやって引き出すかと考えながら戦っていました。プロになって2戦とも1回KO勝ちと短いラウンドだったので、前回７回まで戦い、長いラウンドでの感覚がつかめ、良い経験になりました。

──戦績をみると全戦全勝全KO勝ちですが、自身のボクシングスタイルの強みはありますか。

増田：パンチ力に自信があるので左ストレートが強みですね。右も自信はあるのですが未だ倒したことはなくて。今後はそれをいかに試合で出せるか、というのが課題ですね。

──そういえば先日、成田合宿に行かれていましたね。

増田：普段は毎日一人で走っているので、チームメイトと一緒に走るのは切磋琢磨じゃないですけど、声をかけあったりするとすごく頑張れますね。

──ところで、増田選手はなぜ帝拳に入ったのですか。

増田：岩田翔吉選手とご縁があって「帝拳に練習しに来なよ」と声をかけてもらったのがきっかけで、20才のころから週に3回ほど帝拳に通うようになりました。なので、プロになるなら帝拳と決めていました。

──帝拳はバンタム、スーパーバンタム級に強い選手がいますからね。

増田：そうですね、とても環境に恵まれています。先日も、中野幹士選手と村田昴選手にスパーリングをお願いしたんです。「次戦の相手が二人よりも強い訳はない」と思いながら必死で食らいついていき、その経験がとても自信になりましたね。

──トレーナーは大和心さんですよね。その影響かもしれませんが、山中慎介さんにスタイルが似ていると思いました。強化していること取り組んでいることはありますか。

増田：精度ですね。思ったとおりの動きをいかに100%出せるか。例えばジャブや、左もそうなんですけど、ここで打てばあたるっていう距離でパンチを打ってみて、それが実際にあたるかどうか。感覚の微妙なズレを微調整して、どんどん精度を上げていく。左ストレートがあたれば倒せる、勝てると思っているので。

──プロになってトレーニング方法は変わりましたか。

増田：はい、まったく変わりました。基本的なところを繰り返しやることでパンチ力に磨きがかかりました。体が強くなってブレなくなったのと、しっかりと狙って打てるようになりました。

──苦手なスタイルはありますか。

増田：くっつかれてガチャガチャされるのは自分のボクシングができなくなってしまうので、ちょっと苦手ですね。

──次戦は強敵だと思いますが、戦うイメージはできていますか。

増田：日々更新しながらですけと、しっかり前に出て倒して勝つというのは決めています。

──周りの期待も大きいですよね。

増田：そうですね、日々大きくなっている感じです。期待に応えられるよう次の試合もKOで倒して日本チャンピオンになり、このトーナメント（井上尚弥4団体統一記念杯）でも優勝して、来年さらに上を目指していきたいと思っています。

──最後に、ボクシング以外の趣味はありますが。リフレッシュの方法など。

増田：自然が大好きで、地元に帰ったら必ず友人とキャンプに行きます。最近あまり帰れていませんが……。

──次戦の活躍も期待しています。ありがとうございました。

増田陸プロフィール

広島県広島市出身、25歳、帝拳ボクシングジム所属。日本バンタム級4位。プロ戦績は3戦3勝（3KO）。アマ戦績は66戦52勝14敗。趣味はキャンプと料理。