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井上尚弥の対抗王者カシメロの試合が決定 バンタム級王座統一の行方は

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:ロイター/アフロ)

ボクシングWBO世界バンタム級王者のジョンリエル・カシメロ(32=フィリピン)が、4月22日、イギリスで同級1の位ポール・バトラー(33=イギリス)と5度目の防衛戦に臨むことが決定した。

二転三転した試合

この試合は昨年12月に行われる予定だったが、カシメロが防衛戦の直前、胃腸炎を理由に計量を欠席し、中止になっていた。

バトラーは対戦相手を前座に出場予定だったジョゼフ・アグベコ(ガーナ)に変更し、暫定王座戦とする話もあったが、これを拒否。

バトラー陣営はインタビューで「ポール(バトラー)は世界タイトルでなければリングに上がらないと言っている。我々は暫定タイトルに興味はない」と語っていた。

カシメロの直前のキャンセルについて、一部メディアでは「体重が作れずキャンセルになったのでは」との報道もあった。

本来、計量失格となれば王座は剥奪される。

しかし後日、カシメロ陣営は診断書と医療記録を提出し、WBOから異例の王座保持が認められた。

なお、カシメロが今回の前日計量に出席しない場合、即座に王座を剥奪されることになっている。

バトラーも過去に計量失格したことがあるため、ともに減量には要注意だ。

カシメロの強みとは

カシメロは度々減量苦が噂され、オフの時期は別人のような体をしている。

体重の変動が大きく、短期間で体重を落とそうとしたため、今回のような体調不良を招いたのだろう。

派手な言動が目につき、最近は井上尚弥を盛んに挑発していた。

ビッグマウスな印象だが、ライトフライ級、フライ級、バンタム級と世界3階級を制覇している実力者だ。

特に目を見張るのが、軽量級とは思えないほどのパンチ力だ。戦績も31勝のうち21KOを収めている。

前回のリゴンドー戦では、元五輪王者のテクニックに苦戦したが、それまでは6連続KO勝ちをしている。

出世試合となった元王者ゾラニ・テテ(アフリカ)との試合では、バンタム級で評価が高かったテテを3Rで仕留めた。

コンディションづくりが課題だが、ベストな状態に仕上げれば確かな実力者だ。

バンタム級戦線の行方

現在バンタム級は以下の王者たちが君臨している。

WBA&IBF 井上尚弥(28=大橋)

WBC ノニト・ドネア(フィリピン)

WBO ジョンリエル・カシメロ

2つのベルトを持つ井上は、次戦でドネアとの対戦が噂されている。

その試合に勝利すれば、今回の試合の勝者と対決することになるだろう。

バンタム級の主役は間違いなく井上尚弥だ。無敗で3階級を制覇し、全階級を通じても評価が高い。

レジェンドのマイク・タイソンや、世界3階級王者のガーボンタ・デービスも井上を絶賛している。

バンタム級にこれだけ注目が集まるのも井上尚弥の存在があるからだろう。

注目度が上がればそれだけファイトマネーも高騰するため、井上と戦いたいライバルは多い。

対抗王者のカシメロも存在感を示しているが、新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか試合が決まらない。

以前、井上から階級アップを仄めかすコメントがあったため、バンタム級にとどまっているうちに対戦が実現してほしいとこだ。

動き出した今後のバンタム級戦線に注目だ。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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