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世界王者の京口が似顔絵でファンや選手と交流 積極的に発信するその理由とは

木村悠元ボクシング世界チャンピオン

新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛が続いているなか、SNSを駆使しファンと交流を続ける選手がいる。

WBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人(26=ワタナベ)だ。

京口は5月9日に3度目の防衛戦が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で中止となった。

コロナの影響

ーーーコロナの影響についてどう感じていますか。

京口:満足な練習もできず試合も流れていて、かなり影響を受けています。

ーーー行っている感染症対策はありますか。

京口:不要不急の外出はしないようにして、買い物で外出する時は必ず手洗い、うがい、消毒ジェルを持ち歩くようにしています。

ーーー試合が5月9日に決まっていましたね。何ヶ月前に知らされていたのですか。

京口:3月の中頃です。

ーーー新型コロナウイルスが騒がれはじめた頃ですね。

京口:はい。毎日ニュースを見ていたので不安はありました。ですが、やることは変わらないので。スパーリングも早い段階から週2回は行なっていました。

ーーー試合の中止が決まったのはいつ頃ですか。

京口:緊急事態宣言が出たときです。

自宅でのトレーニング

ーーーワタナベジムも早い段階で閉館を決めましたね。今トレーニングはどの様に行なっていますか。

京口:ランニングや家でできるトレーニングを行なっています。

井上尚弥君(26=大橋)やマイケル・カルバハル選手(アメリカ)、過去の自分の試合映像を見たりしてモチベーションを維持しています。

ーーートレーニングで意識してものはありますか。

京口:ディフェンスを意識して行なっています。

ーーー去年10月から試合のない時期が続いていますが、ブランクは大丈夫ですか。

京口:休む期間と捉えています。みんな同じ条件ですし、今は自分を見つめ直す時期と思っています。

ーーー減量はどうですか。

京口:試合が決まっていないので積極的に行なってはいませんが、毎日かかさず体重計に乗るようにしています。

ーーー次戦についてはどう考えていますか。

京口:今年中に1試合したいです。コロナ後の1発目ですから注目される試合がしたいですね。

ーーー今後の目標を聞かせて下さい。

京口:いずれはフライ級にと思っていますが、今は防衛戦、統一戦をやっていきたいです。

SNSでの発信

ーーー家ではどのように過ごしていますか。

京口:SNSでファンの方と交流したり、絵を描いたりしています。最近、井上尚弥君の似顔絵をTwitterに投稿して、それをファンの方にプレゼントする企画を行いました。

皆さんに喜んでもらって反響も大きかったですね。

井上尚弥の似顔絵 本人提供
井上尚弥の似顔絵 本人提供

ーーー京口選手から始まり、他の選手の間でも似顔絵の投稿が流行りましたね。田中恒成選手(24=畑中)が描いた京口選手の似顔絵も拝見しました。

京口:ツイッターで「僕も誰かの似顔絵描こうかな」って言っていたので「なら、俺を描いてよ」と。

ーーー田中選手の出来栄えはどうでしたか。

京口:悪意を感じますね(笑)なぜあれをチョイスしたのか(笑)

僕達はボクシング以外で表現できる場がないので、良い機会になったと思います。

ーーーファンの方向けに。

京口:そうですね。ボクシング以外でもファンの方たちに喜んでもらいたいと思って。

自粛の中でも楽しんでもらえる様にインスタグラムでのLIVE配信も頻繁に行なっています。

ーーー最近YouTubeにも取り組んでいますよね。

京口:YouTubeに関しては、やってみないかとお話をいただいて始めました。

YouTubeでしか伝えられないこともあるので、やりがいを感じています。

ーーーYouTubeの登録者数もかなり伸びていますね。

京口:おかげさまで始めてから5ヶ月で、チャンネル登録者数3万人になりました。

京口紘人のyoutubeチャンネル 本人提供
京口紘人のyoutubeチャンネル 本人提供

ーーー京口選手の試合を楽しみにしているファンの方に伝えたいことはありますか。

京口:自粛で辛い時期ですが、不要不急の外出を避けてもらいたいですね。

コロナが落ち着いて試合が決まったら、応援しに来てください。

ーーー辛い状況にある選手も多いと思います。そんな選手達に伝えたいことはありますか。

京口:今はやれることをやるべきだと思います。

「自分だけが」と卑屈にならず、前向きに考えて過ごしてほしいです。

試合の延期やジムの閉館でモチベーションを落としている選手も多い。

そのような状況でも、京口はやるべきことを明確に日々練習を重ねている。

電話越しでも彼の声からは力強さを感じた。

逆境の中でも挫けない前向きさこそ、彼が王者たる所以なのだろう。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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