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韓国も“衝撃”の日本男子ゴルフツアー日程縮小「規模が大幅に縮小された日本市場」

金明昱スポーツライター
日本男子ツアーの試合数が減ったことを韓国メディアも大きく報じている(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 日本の男子ゴルフツアーの日程が縮小されたことを韓国メディアも嘆いていた。

 日本ゴルフツアー機構(JGTO)が22日に発表した男子ツアーの2024年日程。来季は1試合増、4試合減の23試合で、賞金総額は今季と比べて7パーセントも減った。その金額は約30億8800万円。年間試合数は1973年のツアー制施行後で最少という。

 これには韓国も衝撃を受けているようだ。「JTBC GOLF」は「規模が大幅に縮小された日本ツアー市場」と見出しを打ち、「JGTOが来年の1部、2部ツアーの大会日程を発表した。1大会が復活したが、韓国男子プロゴルフ(KPGA)ツアーとの共催大会(ハナ銀行招待)など4試合が開催中止となった。市場自体が委縮した1年になると予想される」と伝えている。

 さらに「1973年創設で、今年52回目を迎えた『マイナビABCチャンピオンシップ』が中止となり、プロとアマチュアが共にラウンドして競い合う日本唯一のプロアマ形式の『ゴルフパートナー・プロアマトーナメント』、プロと障がい者がプロアマで交流する『ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント』が2年間、開催しながらも中止となった。賞金総額も上がった大会もあるが、今年よりも2億6600万円の減額となった」と報じている。

 また、「日本で活動する韓国の男女選手も以前よりも少なくなった。ゴルフファッションなど、市場規模も韓国が日本を追い抜いたというデータもある」と、韓国のゴルフ市場が日本に近づきつつあるとも伝えていた。

来季はJGTOが共同主管から外れる「ハナ銀行招待」

 しかし、韓国側としてショックなのは、「ハナ銀行招待」が日本で開催されないばかりか、共同主管でなくなったことだろう。ハナ銀行といえば、韓国を代表するメガバンクの一つ。記念すべき新規の第1回大会は、ハナ金融グループが主催となり、KPGAとJGTOが共同主管なった肝いりの大会の一つだった。今年6月に千葉夷隅(ちばいすみ)ゴルフクラブで行われた同大会だが、認知度もギャラリーの入りもイマイチだったと聞いていた。優勝者には両国ツアーのシード権が付与され、日韓の選手たちの交流を促進するうえでは重要な大会となるはずだったが、共同主管から外れたことで、またそうした機会を失った形だ。

 いずれにしても、逆の意味では日本の男子ツアー規模縮小のニュースは、韓国ゴルフ界で関心事にあてはまる。というのも、日本も韓国も女子ツアー人気の高まりが年々、注目されているからだ。日韓の男子ツアーにさらなる起爆剤が必要とされるなかでの試合数減は、ショックが大きい。男女ツアーの“人気格差”はさらに広がってしまうのだろうか。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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