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ダービーで完敗の冨安健洋を韓国メディアが高評価?「守備が焦土化するも“唯一の慰め”」

金明昱スポーツライター
韓国メディアがアーセナルDF冨安健洋の安定したプレーを高く評価(写真:REX/アフロ)

 プレミアリーグ第22節(延期分)のトッテナムとアーセナルとの“ノースロンドン・ダービー”は、韓国でも大きな注目を浴びていた。

 トッテナムの韓国代表FWソン・フンミンが今季、プレミアリーグの得点王争いが佳境を迎えると同時に、アーセナルの日本代表DF冨安健洋との“日韓対決”があったからだ。

 試合はトッテナムがイングランド代表FWハリー・ケインのPKで先制。その後、前半33分にアーセナルのDFロブ・ホールディングが2枚目のイエローカードで退場。

 ソンがロングボールから裏のスペースに素早く抜け出そうとしたところ、顔面にひじを入れるようにして止めたのを見逃さなかった。

 10人となったアーセナルは劣勢を強いられ、最終的に0-3で敗れたが、それでもサイドバックの冨安が、本職でもあるセンターバックに入って安定したプレーを見せていた。

守備でマルチな対応力を見せた冨安

 韓国メディアは、この試合の勝利への貢献度と3点目を決めたソンの今季21ゴールを称賛。

 プレミアリーグではアジア人初の得点王がかかっており、現在得点ランキング1位のモハメド・サラー(リバプール)の22ゴールに1ゴール差に迫った。

 ただ、ソンの動きを追う過程で、韓国メディアの目に留まったのが冨安のプレーだった。

 サッカー専門サイト「インターフットボール」は「守備が焦土化するなかで、“唯一の慰め”だった日本のDF」と見出しを打ち、完敗したアーセナルの中でも冨安のプレーに注目した。

「退場者が出るなかで、冨安は自分の役割を果たした。この日、左サイドバックとして出場。慣れないポジションのようだったが、プレーは安定していた。体を張った強固な守備と精度の高いパス、DFロブ・ホールディングが退場したあともセンターバックのポジションを無難にこなしていた。アーセナルでは右サイドバックがメインだが、それにも関わらずチームのためにポジションを変えながら、献身的な姿を見せていた。アーセナルファンには唯一チームに安心感をもたらしたのが冨安だ」

 ソン・フンミンのゴールも重要だが、アジアを代表するDFでもある冨安のマルチな対応力に称賛を送っていた。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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