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韓国スポーツはなぜ不振が続くのか? 少子化、海外志向の低下、代表に魅力がない?#専門家のまとめ

金明昱スポーツライター
パリ五輪の団体球技は女子ハンドボールしか出場権を得られなかった韓国(写真:ロイター/アフロ)

7月に開幕するパリ五輪に韓国の団体球技が相次いで出場を逃している。サッカーアジア最終予選で韓国代表がベスト8で敗退し、バスケットボールやバレーボールなども男女とも出場権を逃している。ふたを開けてみれば、パリ五輪の団体球技で五輪に出場するのは女子ハンドボールのみ。なぜこんな事態に陥っているのか?

ココがポイント

▼今年1月からすでに韓国選手団の規模が48年ぶりに最少となる可能性が報じられていた

パリ五輪 韓国選手団は48年ぶりの最小規模か(KBSワールド)

▼五輪出場の常連国だった韓国男子サッカーは最終予選のベスト8で格下と思われたインドネシアに敗退

サッカー男子 韓国 パリ五輪出場逃す 10大会連続の五輪ならず(NHK NEWS WEB)

▼パリ五輪で韓国の金メダルの目標は5~6個で40年前の水準まで落ちている。出生率や親のスポーツへの関心が低下

球技、女子ハンドボール除いて全滅…韓国、パリ五輪の金メダル目標わずか5個(中央日報)

▼韓国スポーツ界の低迷は予見されていた。人材確保の困難、韓国代表のプライド、ハングリー精神、使命感が薄れてきた

五輪メダルどころか出場権確保も困難、韓国のスポーツはなぜ没落したのか…代表選出を嫌がる選手も(朝鮮日報)

エキスパートの補足・見解

 韓国内の報道を見る限り、韓国スポーツ界は今、岐路に立たされているようです。五輪代表にもなるエリート選手は、代表トレーニング施設がある選手村で集中的に練習しますが、スパルタ的な雰囲気はなくなってきているとも聞きます。

 韓国国旗を胸につけ、名誉やプライドを武器に戦う選手が、時代の流れとともに少なくなってきているのも現実です。それに少子化や国内スポーツの充実で海外に出る選手が少なくなれば、国際競争力も当然低下します。パリ五輪のメダル数や結果によっては、選手育成に対する議論に拍車がかかるでしょう。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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