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「日本は中盤に優れた選手が多く、プレーしたい場所」韓国代表MFチュ・セジョンがガンバ大阪を選んだ理由

金明昱スポーツライター
2018年ロシアW杯に出場したMFチュ・セジョン(写真:ロイター/アフロ)

 ガンバ大阪は、韓国代表MFチュ・セジョンがFCソウルから完全移籍で加入すると発表した。

 176センチ、72キロ。2012年にKリーグの釜山アイパークでプロデビューし、16年からFCソウルへ。18年から19年途中まで兵役のため、期限付き移籍でKリーグ2の牙山ムグンファでプレーした。

 15年から韓国代表にも選出され、18年ロシア・ワールドカップ(W杯)にも出場している。

 プレースタイルの特徴は中盤での豊富な活動量と視野の広さ。素早い判断で前線に正確なロングパスを送り、得点チャンスを演出する。

 今年、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に出場するガンバ大阪にとって、力強い存在になるのは間違いない。

 そんなチュが、韓国メディア「スポータルコリア」との取材で、ガンバ大阪行きを決めた理由について告白している。

 初めに「ガンバ大阪が1年もの間、熱心に関心を示してくれ、共に戦おうと話をしてくれたことが本当にありがたかった。長い間、待ってくれたのだから、その期待に応えられるように頑張らないといけない」と意気込みを語っている。

 チュには中東や中国の複数のクラブからオファーがあったが、ガンバ大阪の熱心なオファーに心が動いたという。

 また、日本でのプレーに憧れがあったことも正直に話している。

「日本は幼いころからプレーしたい場所だった。日本は中盤に優れた選手が多い。技術を重視し、正確なパスを追求するサッカーだ。自分のスタイルを考えたとき、日本に行って競争すれば、もっといい選手になれると考えた」

「日本の優れた選手に刺激をもらいたい」

「日本のMFには、技術の高い選手が多い」というのが韓国での認識だ。確かにJリーグにはFW、DF、GKのポジションに韓国の選手は多いが、MFは少ない。

 それでも中盤の選手で印象に残っているのは、横浜F・マリノスと柏レイソルでプレーしたユ・サンチョル、セレッソ大阪とサガン鳥栖でプレーしたユン・ジョンファン(ジェフユナイテッド市原・千葉監督)やヴィッセル神戸と京都サンガでプレーしたキム・ナミル(城南FC監督)といったところだろうか。

 チュは久しぶりの韓国代表MFということになるが、Jリーグでどのようなプレーを見せてくれるのか期待は膨らむが、当の本人は慢心していない。

 特に代表でポジションを勝ち取りたいという思いが強く、それも日本行きを選択した理由の一つだという。

「選手なら代表チームに継続して選ばれたいという思いがある。まだ自分は代表で競争しなければならない立場。ライバルとの争いに勝って、W杯に行くことが夢です。日本の優れた中盤の選手たちに刺激をもらい、より細かなプレーを磨きたかった。(韓国代表の)パウロ・ベント監督もビルドアップとパスワークを強調する。日本のサッカーを経験すれば、より正確なプレーができると思う。たくさんのことを得られる機会にしたい」

 日本のサッカーから貪欲に学ぼうという姿勢には好感が持てる。“助っ人外国人”として来るとはいえ、「ポジションは保障されていない」という意識を持っていることにも強い意気込みを感じる。

 また、これまでガンバ大阪には実績を残している韓国人選手が多いことも、チュにとってはプラスに働いている。

「昨季は(キム)ヨングォン先輩が主力で活躍し、(ファン)ウィジョもガンバ大阪で結果を残して欧州に渡った。その前は(オ)ジェソク先輩もチームに貢献している。韓国人選手がこれまでがんばってきたので、他のチームよりもスムーズに適応できるという話をたくさん聞いた」と語っており、チームに溶け込みやすい環境が整っていることを好材料と捉えている。

 いずれにしても、実力でポジションを勝ち取り、監督やチームメイト、サポーターから信頼をつかみ取る強い気持ちで2021年シーズンに挑む。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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