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「韓国は7年前に大谷翔平にも勝った」U-18侍ジャパンの敗戦を韓国はどう報じたか

金明昱スポーツライター
U-18ベースボールW杯で日本の勝利を伝える韓国メディア

 U-18野球日本代表の「侍ジャパン」は、スーパーラウンド2戦目で韓国代表と対戦。延長戦までもつれ込んだ接戦で、日本は4-5で敗れた。

 2-0でリードしながら、8回で韓国に追いつかれて延長戦へ。日本は2点勝ち越した直後の10回に3点を返されてサヨナラ負け。

 日本選手たちの敗戦のショックは大きく、一方の韓国の選手たちは歓喜に沸いた。

 ライバル同士の対決とあって、韓国メディアもこの一戦に注目していた。

「日本の衝撃的な敗戦」

スポーツ・芸能サイト「スターニュース」は「日本の立場からは衝撃的な敗戦だった」と伝えている。

「最高163キロの球を投げる佐々木朗希を先発に起用したが、1イニングで交代。これが結果的に投手の使い方が難しくなった。そこにミスが重なることで勝敗を分けた。8回と10回のミスよる失点で、日本は韓国に逆転負けを喫した」

 さらにスポーツ専門サイト「SPOTV NEWS」は、日韓戦がどれほど注目されていたのかについて、現場の様子をこのようにまとめていた。

「試合会場となった機張・現代ドリームボールパークにいた人たちは大きく3つに分けられる。メジャーリーグスカウト、日本メディア、そしてボランティアスタッフだ。大韓野球ソフトボール協会関係者によれば、今大会のために日本から100人近い取材申請があったという。これは韓国メディアの10倍近い数字だ」

 日本に対する期待値の大きさがうかがい知れる。そもそも韓国はネットメディアが多いが、一つの会社に対する記者の数はそれほど多くはない。

それに韓国では、日本ほど高校野球への関心は高くない。むしろ低いと言い切ってもいい。

というのも、すでに日本でもよく語られている話だが、日本の硬式野球部の数は約4000校で、韓国は約80校しかないということからも、関心の度合いに差が生じるのは当然のことだろう。

 そんな多くの日本の記者たちが静まり返ったのが、10回の逆転劇だったという。

「SPOTV NEWS」は「韓国が5-4でサヨナラ勝ちしたときの、日本の取材陣の熱気は一気に冷めてしまった」と報じていた。

「強い自信と勝利欲」

 「MBCプラスニュース」が勝利したあとの韓国選手の声を伝えていた。

「7年前(2012年U-18W杯、5位決定戦)に大谷翔平が韓国に来た時も、結局は韓国が勝ちました。あの大谷を相手に勝てたのに、佐々木にも負けないと選手同士で話しました。同じ人間だし、学生が投げる球なので十分に打てると信じました」

 メジャーリーグで活躍する大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)も当時から韓国でも有名で、今回大会の佐々木も同様。

それでも恐れずに立ち向かえば勝てると韓国選手たちは信じていた。

 同サイトはライバルに勝利した要因について、「韓国の勝利の原動力は強い自信と勝利欲、そして緻密な戦力分析にある」とまとめていたが、実力が拮抗した試合では、小さなミスが命取りになることを改めて痛感したことだろう。

 韓国は決勝行きを賭けて今日7日(12時)、アメリカと対戦する。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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