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韓国にスタバ、なぜ多い? 初上陸から今年で20年。人口1人当たりの店舗数は日本の約2倍

金明昱スポーツライター
韓国・ソウル市内にはいたるところにスターバックスがある(写真:ロイター/アフロ)

 女子プロゴルファーのイ・ボミが、今年4月に韓国・水原市内にカフェチェーンの「EDIYA COFFEE(エディヤカフェ)」をオープンさせ、キム・ハヌルも今年から水原市内にカフェ店をオープンさせたと聞いた。

 「なぜあえてカフェ店なのか?」と疑問に感じつつ、「これは単なる偶然ではなく、儲かるからなのでは?」と思っていた。

 そこで現地のカフェ事情や現地の知人の話、カフェチェーンに関する韓国内の記事を調べているうちに、興味深い内容が色々と出てきた。

韓国スタバの2018年売り上げは約1400億円

 米コーヒーチェーン大手・スターバックスコーヒーが韓国に開店して、今年で20年目を迎えるという。

 節目の年ということで、韓国にスターバックスが上陸した経緯やこれまでの成長過程などを特集する韓国メディアの記事が目立っていた。

 韓国は1999年にソウル・西大門区(梨大店)に一号店がオープンした。スターバックスコーヒーコリアの発表資料によれば、2018年末現在で1262店舗あり、2018年の売り上げは1兆5224億ウォン(約1400億円)にも上るという。

 たしかに韓国出張に行くと、スターバックスの多さに驚かされる。ソウル市内を歩いていると、すぐにスターバックスの看板が目に飛び込んでくるのだが、そもそもカフェ自体がたくさんある。

 筆者も韓国でスタバや他のカフェチェーンを仕事場に使うことも多い。店内は広く、Wi-Fiや電源コンセントも完備されているので、かなり重宝している。

 いずれにしてもコーヒー専門店市場としては、スターバックスがトップランナーの地位を確立したと言っても過言ではない。

日本のスタバと比較すると……

 これを日本と比べてみた。

 日本は1996年に東京・銀座に一号店が初上陸。スターバックスコーヒージャパンのサイトを確認すると、店舗数は1434店舗(2019年7月1日現在)となっている。

 日本は韓国よりも3年早く、スターバックスをオープンさせているが、韓国の店舗数は日本に迫る勢いだ。

 これを人口当たりの店舗数にするとどうか。人口約5000万人の韓国では、1人当たり約0.000025店。「人口約4万4000人当たり1店」という計算。

 人口約1億2000万人の日本では1人当たり約0.000012店。「人口約8万4000人当たり1店」という計算になった。

 つまり、1人当たりのスタバ店舗数では、韓国が日本の約2倍ということになる。

「韓国では脱サラする人が多い」

 これほどまでカフェが多い理由はなんなのか。韓国在住の知人に話を聞いてみた。

 韓国の某大手企業で働く知人に話を聞くと開口一番、「脱サラして開業する人が多いからですよ」と話す。

「韓国では有名大学を卒業して、財閥企業や大手に入ると当然、給料は高い。ただ、そこそこの大学を出て中小企業に就職するともちろん給与も安い。やりがいやスキルアップを目指す人もいますが、残業も多い。そうした過酷な状況から抜け出して、一儲けしたいと思う人が独立するんです」

 その他にも理由があるという。

「ある程度、年齢を重ねてから退職すると、やはり再就職は難しい。それにカフェは開業資金がそこまでかからないので、ほかの飲食店に比べて低コストで始められるのが魅力だと思います。専門知識はそれほど必要ないという感覚もあり、気軽に始められるという利点があるのではないでしょうか」

 韓国でのカフェ経営は、開業資金が低コストなのに加え、リスクが少なく、ある程度は儲けられる業種ということだ。

韓国のカフェチェーンは軒並み利益増

 6月28日付の韓国経済サイト「ファイナンシャルニュース」は「カフェ市場は飽和状態という分析もあるが、人気カフェチェーンの店舗数と利益は増加傾向にある。一方でお酒を販売する居酒屋などは、廃業する店舗が増えている」と伝えている。

 同サイトによれば、「昨年のカフェチェーン加盟店の約1000店舗で利益が増額」という。

 今後も韓国の街中でカフェ店を見かける機会は、さらに増えていくに違いない。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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