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鮮烈グラビアデビュー!今季開幕戦で好発進の美女ゴルファー松田鈴英、嬉し恥ずかし撮影秘話

金明昱スポーツライター
黄金世代の中で今季活躍が期待される松田鈴英(写真/野村誠一)

 国内女子プロゴルフツアーが開幕する1週間前、松田鈴英は沖縄県の恩納村にあるPGMゴルフリゾート沖縄にいた。

「おはようございます。今日はよろしくお願いします!」

 早朝からゴルフ場でみっちりラウンドをこなして姿を現した松田。開幕前の緊張感を漂わせつつも、初めての「週刊現代」(講談社)のグラビア撮影(11日発売)を楽しみにしているようだった。

 さっそくスタイリストさんが用意した衣装を見る松田。「え、これ私が着るんですか!?」。

 普段は絶対に着ないであろう派手な服に驚きを隠せない気持ちがそのまま言葉に出たのだろう。「じゃあこの服は一体誰が着るのか」と心の中で思い、笑ってしまった。

 自分では「天然ではない」と断言するが、多少の「天然ぶり」は健在だった。

 いずれにしても、開幕前の貴重な時間を割いてグラビア撮影とインタビュー取材に応じてくれた松田の心意気がありがたかった。

「こういう機会もめったにないことなので、やってみようと。『週刊現代』でさく(小祝さくら)のグラビアが出たときも、コンビニに真っ先に買いに行ったのですが、うわー、すごいセクシーだなって思って」

 小祝さくらは松田と仲のよい“黄金世代”の一人。昨年、賞金ランキング8位と大躍進し、今年のオフにグラビアのオファーを受けていた。

 松田には仲のよい小祝の活躍が刺激になっていたのだろう。松田は新しいことにはどんどんチャレンジしたいという気持ちを持つ女子プロゴルファーだ。

今季開幕戦初日に首位発進

 松田はツアーフル参戦1年目となった昨シーズン、賞金ランキング11位と躍進。優勝はできなかったが、2位を含むトップ10入りが10回と結果を残した。

 それに今季開幕戦のダイキンオーキッドレディスでも松田は初日からボギーなしの3バーディーで、69の好スコアで首位発進した。

 最終的には4日間、通算1アンダーの5位タイで終了したが、今季初優勝が大きく近づいていることを予感させるラウンドだった。

今季開幕戦で5位タイに入った松田鈴英(写真/野村誠一)
今季開幕戦で5位タイに入った松田鈴英(写真/野村誠一)

 話をグラビア撮影中のエピソードに戻そう。

 松田は撮影が始まったばかりの時点では、確かに緊張していた。カメラマンの野村誠一氏が撮った写真を画面で見せるたびに恥ずかしそうに笑っていた。

「もう、これは自分で見られませんね!(笑)。どうやってポーズ取ったらいいのかもわかりませんし。あー、早くゴルフがしたい!」

 恥ずかしくてもう撮影から逃げ出したい気持ちがあったのだろう。プロゴルファーである自分が、一体何をしているのかと思いたくなる気持ちも分かる。

 それでも徐々に撮影が進むにつれて、肩の力が抜けて慣れてきたこともあってか、表情が柔らかくなっていった。

「ボミさんに憧れています」

 撮影の合間にいろんな話をした。オフの練習、趣味、そしていつも帯同してくれている父のこと、目標について。

「特に今年のオフはフェアウェイキープ率が低かったので、そこを重点的に練習しました。あとはショートゲームを中心にアプローチもたくさん練習しましたね」

 充実したオフを過ごしたととても満足げだった。体格がよくなったと感じたことを伝えると、「ウェイトトレーニングをたくさんして5キロも増えたんですよ。身長も2センチ伸びましたし」と笑う。

 さらにオフに韓国旅行に行った話になると、彼女が誰に憧れているのか、意外なことが分かった。

「私、韓国旅行が大好きなんです。韓国が好きになったのは中3の時に初めて韓国旅行に家族で行ってからでした。ご飯がとてもおいしくて、はまりました。毎年1回は行くようにしています。中でもお肉が好き。サムギョプサル、チーズタッカルビ、サムゲタンも食べました。あ、私、アマチュアのころからイ・ボミさんに憧れていたんです。ボミさんのすべてが好き。かわいい、強い、ファンの対応もすごく丁寧。すべてに憧れています」

 松田がまだアマチュアだったころの2015、16年、イ・ボミは2年連続で賞金女王になった。

 韓国が好きなことも相まって、人気絶頂のイ・ボミを見て、松田はその姿に憧れた。プロになってからは同組でラウンドする機会もあったそうだが、「私から話しかけられません(笑)」と笑う。

「かわいくて、強くて、ファンにも礼儀正しい。そんな選手になりたい」――との思いが松田にはある。

 近年は松田のファンもかなり増えていて、今後の活躍次第ではさらに人気が上昇するポテンシャルを持ち合わせているのは間違いない。

「父が私に賭けるならその恩返しを」

 そして最後に話は父・直樹さんの話題に。私が知る松田と父の仲は、とても良好だということ。

 年頃の娘を持つお父さんたちに、松田の次の言葉は、とても染みるかもしれない。

グラビア初挑戦も「すごく楽しかったです!」と笑顔(写真/野村誠一)
グラビア初挑戦も「すごく楽しかったです!」と笑顔(写真/野村誠一)

「父は常にツアーに帯同してくれていますが、いつも一緒にいることはもう当たり前ですね。いないよりも、絶対にいるほうがいいです。本当に色々と助かっています。調子悪いときも、父がいたほうがよくなったりしますし、欠かせない人。ツアーは一人だと絶対に戦えません。試合が終わって色々なことを考えているときや車での移動も運転してくれるのでとても楽です(笑)。自分でやっていたら、試合に集中できなくて、きっとストレスになるだろうなと思うことをすべてやってくれているので、すごく感謝しています」

 しかし年がら年中、親子が職場に常に一緒にいては、ストレスが溜まることだってあるのではないだろうか。

「お父さんが優しいのでうまくいっているのだと思います。もちろん試合中、お互いにプレーのことで言い合ったりはします。『今のあれは違うだろ』とか、『打ち方が違うだろ』とか。2人のほうがアドバイスをもらってがんばれるきっかけが得られると思うんです。励ましてもくれるのでとても頼りになります」

「シード維持と初優勝、海外メジャー挑戦も」

 松田の父への想いは、とどまることなく出てくる。よっぽど父のことを頼りにしているのだろう。

「とても尊敬しています。こんなに娘のために全力になってくれるお父さんって、本当にすごいなと。自分の仕事も割いて、ツアーに帯同してくれている。そこまで私に賭けてくれているなら、自分もがんばって恩返ししないといけないなって気持ちになります」

 もちろん、周囲で松田を支える人は父だけではない。ゴルフに集中できる環境があることに「いろんな人に支えられてここまで成長できた」と感謝の気持ちを忘れない。

「目標はシードを維持すること。もちろん初優勝も目指しますが、そこはあまり考えずにチャンスが来たときに狙う気持ちで。いずれは海外メジャーにも出てみたい」

 インタビューを追えて感じたのは、終始、元気いっぱいの松田は好奇心旺盛で、チャレンジ精神も強く、何事にも前向きだということ。

 勝利の女神が彼女に微笑む日が来るのはそう遠くないはずだ。

※3月11日発売の「週刊現代」ではゴルフウエア以外にもセクシーなドレスや健康的なタンクトップ姿が11ページにわたって掲載されている。

<プロフィール>

まつだ・れい/1998年、滋賀県生まれ。福井工業大学付属福井高校卒。2017年のプロテストトップ合格。2018年シーズンは黄金世代の一人として大活躍し、「大王製紙エリエールレディスオープン」2位を含むトップ10入り10回。賞金ランキング11位でシードを獲得した。ニトリ所属。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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