Yahoo!ニュース

「また歌うてくださいね」小雪のセリフが趣里の心に響いた「ブギウギ」

木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人
「ブギウギ」より 写真提供:NHK

朝ドラこと連続テレビ小説「ブギウギ」(NHK)の第19週「東京ブギウギ」では、愛助(水上恒司)が亡くなって、スズ子(趣里)が出産してから3ヶ月、前を向いて女手ひとつで育児と仕事に取り組む。

サブタイトルにあるようにいよいよ「東京ブギウギ」の誕生が待っている。

2月5日(月)に放送された第87回では、最後まで、スズ子と愛助の結婚を認めなかったトミ(小雪)が三鷹にスズ子を訪ねて来て、孫を引き取らせてほしいとまた無理難題を吹っかけてきた。

結果的には、トミはスズ子を認めて、「また歌うてくださいね」と励まし、ふたりはようやく心を開き合う。このトミとスズ子の緊張と緩和の対峙シーンを、制作統括の福岡利武チーフプロデューサーは、とても印象に残っていると振り返った。

「トミさんの再登場の場面、趣里さんと小雪さんが楽しんで演じていらっしゃいました。ふたりの思いが通じる局面をとても和気あいあいと演じていて、いい雰囲気でしたよ。小雪さんの『歌うてくださいね』という言葉が心にすごく響いたと趣里さんが言っていました」

この「歌うてくださいね」のトーンは、それまでのすこし押しの強い大阪ことばから少し離れて、ふわっとやさしかった。キツめの大阪ことばは、会社を背負うトミの戦闘服(茨田りつ子の衣裳やメイクのような)であって、ほんとうは「歌うてくださいね」がトミの地なのではないか、そんな気がする場面だった。

歌ってほしいというトミの願いも背負って、スズ子は「東京ブギウギ」を歌うことになるだろう。「『東京ブギウギ』をひとつの再起の歌として描きました」と福岡CP。

今週、いつ「東京ブギウギ」が登場するか、伝説の曲の誕生の物語に、ズキズキワクワクする。

「ブギウギ」より 写真提供:NHK
「ブギウギ」より 写真提供:NHK

連続テレビ小説「ブギウギ」
総合【毎週月曜~土曜】午前8時~8時15分 *土曜は一週間の振り返り
NHKBS【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分
NHKBSプレミアム4K【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分
【作】足立紳 櫻井剛 <オリジナル作品>
【音楽】服部隆之
【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
【出演】趣里 水上恒司 / 草彅剛  菊地凛子 小雪 生瀬勝久 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか
【概要】大阪の下町の小さな銭湯の看板娘・福来スズ子(趣里)は歌や踊りが大好きで、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団し活躍後、上京。そこで、人気作曲家・羽鳥善一(草彅剛)と出会い、歌手の道を歩みだす。“ブギの女王”と呼ばれた人気歌手・笠置シヅ子をモデルにした、大スター歌手への階段を駆け上がる物語。

フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人

角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦  堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある

木俣冬の最近の記事