二度にわたりテレビアニメ化された人気マンガ「HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)」の作者・冨樫義博さんが5月24日にツイッターを開設。わずか2日強でフォロワー200万人を突破するなど話題になり、各メディアがこぞって記事にしました。2018年から休載しているにもかわらず、根強い人気を改めて見せつけたのですが、どのくらいの「パワー」があったのでしょうか。

◇先の読めない展開で絶大な人気 休載の多さもネタに

 同作は、未知のものを探して世界に貢献する冒険者「ハンター」を目指す少年・ゴンが、仲間と共にさまざまな冒険を繰り広げるという物語です。ハンターは常人離れした能力を駆使し、少年漫画の王道・バトルに加え、他作品の追随を許さない緻密(ちみつ)な世界設定、頭脳戦などが展開されます。

 圧倒的な作品の密度を構築し、先の読めない展開ゆえに高い人気を誇るわけですが、同時に休載の多いことでも知られています。とはいえ、休載は他のマンガでもあるのですが、同作は連載再開を望む声を多く見かけます。

 同作の休載をカウントするページもあり、もはやネットのネタになっていますが、実際はどうなのでしょうか。ヤフーの行動ビッグデータを基に、生活者の実態や動きを可視化するインターネットサービス「DS.INSIGHT」を使って、調べてみました。なお、ヤフーで検索された実数ではなく推計値となります。

◇正式タイトルで検索されづらい

 まず検索するワードですが「HUNTER×HUNTER」「ハンター×ハンター」ではあまりヒットしません。「×」を省略してキーを打ち込みやすい「ハンターハンター」というワードが圧倒的に多いのです。冨樫さんがツイッターを開設する前日の5月23日~29日の1週間の「検索ボリューム」は約4万4000。前週(5月16日~22日)は約7000で、約6倍になりました。ツイッターの莫大なフォロワー数(250万超!)を考えると物足りませんが、ツイッターだけで完結するネタでそれ以上調べる必要がないからでしょう。

 ちなみに同じ1週間で「鬼滅の刃」は約2万5000、「呪術廻戦」は約5万6000、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が約11万です。長期休載中の作品で、作者のツイッター開設のネタだけで、ここまで話題になるのですから「恐るべし」です。

 では「ハンターハンター」と一緒に検索されたワードで最も多いものは……というと、実は「連載再開」が圧倒しているわけではありません。2022年3・4月ならばゲーム「パズドラ」。2月であれば「USJ」関連で、「アニメ」というワードも加わり、激しいバトルが展開されます。ただし2021年の1年間で見ると「連載再開」が1位となります。

 つまり普段は「連載再開」がくすぶり、コラボ企画などがあるとそちらのワードが人気を集めるわけです。

5月1日~31日に「ハンターハンター」で検索された「詳細キーワードマップ」。大きな円ほど強く、青は男性、赤は女性優位。円の位置は関係ない。(出典:ヤフー・データソリューション|DS.INSIGHT)
5月1日~31日に「ハンターハンター」で検索された「詳細キーワードマップ」。大きな円ほど強く、青は男性、赤は女性優位。円の位置は関係ない。(出典:ヤフー・データソリューション|DS.INSIGHT)

◇若い世代も検索多く

 もう一つ面白いのが、検索する層です。2021年で見ると男性が6割強で、最も多いのが30代の30%、次が40代の22%ですが、20代が20%、10代が15%います。アニメも配信されているので、若い世代が見てファンを獲得していると推測すると、常時「アニメ」のワードが多いことも納得できます。

 2021年の1年間の検索キーワードで「連載再開」と「アニメ」以外では「最新刊」と「強さランキング」が上位に来ます。続いて、カイトやジャイロ、ヒソカ、センリツ、クロロといった謎のあるキャラ名がヒットします。「暗黒大陸」や「ネタバレ」といったワードがヒットするのも、作品の中身に対して興味津々の証ではないでしょうか。ちなみに同タイプの人気マンガ「呪術廻戦」もヒットしますが「呪術開戦」という誤字で浮上しています。「ハンターハンター」といい、似たタイトルで検索ができるがゆえの「ミス」ですね。

 なお、冨樫さんのツイッター開設の1週間(5月23日~29日)になると「連載再開」系のワードが一気に上に集まりました。原稿とみられる写真をアップすれば期待が集まるのも当然ではありますが、プロモーションとしては見事といえそうです。

◇「長期休載」は興味の一部にすぎず

 今や、SNSで誰もが情報を発信できる時代で、テレビや新聞でさえも、ネットの声を拾い上げて、紹介するのが普通になっています。そしてSNSの利用者は日々ネタを探しているわけで、「ハンター×ハンター」の長期休載・不定期連載のネタは、第三者から反論を受ける心配が少なく、ゆえに多く取り上げられ、目立つ面があるのも確かです。

 しかしネット検索データを追いかけると、長期休載は興味の一部にすぎないということです。「ハンター×ハンター」の謎……先の読めない展開や、各キャラの正体、作品の考察についても、強い興味を抱いていることがハッキリと出るわけです。同時に、年齢層も若い人々が多く、ファン層に広がりがあることが明確になっています。

 もし連載を再開したときは、検索データにどんな反応があるのか。大変興味深いところです。

ヤフー・データソリューション | DS.INSIGHT

※この記事は、Yahoo!ニュース 個人編集部、ヤフー・データソリューションと連携して、ヤフーから「DS.INSIGHT」の提供を受けて作成しています。

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