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ニンテンドースイッチライトは売れるか【前編】 スイッチの売れ方はあの人気携帯ゲーム機に類似

河村鳴紘サブカル専門ライター
ニンテンドースイッチライト=任天堂提供

 任天堂の新しい携帯ゲーム機「ニンテンドースイッチライト」(1万9980円、税抜き)がいよいよ20日から発売されますね。どのくらい売れるのか注目している人は多いと思います。大ヒットをした「Wii」や「ニンテンドーDS」など過去のゲーム機の販売数を見ながら、前後編に分けて考察しました。前編は、スイッチのこれまでの年間出荷数、他のゲーム機の出荷数から見えるものを読み解いてみます。

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 スイッチライトは、据え置き型ゲーム機にも携帯ゲーム機にもなる「ニンテンドースイッチ」(2万9980円、税抜き)の一部機能を取る代わりに価格を1万円安くし、携帯ゲーム専用機となったのが特徴です。ただしゲーム業界では現在、無料で遊べる(アイテム課金)のスマートフォン用ゲームが席巻しており、そのあおりで携帯ゲーム機が駆逐されつつある背景があります。

 まずスイッチライトの前に、ニンテンドースイッチの発売後の年間出荷数の推移を見てみましょう。発売初年度は1カ月足らずで約274万台、2年度は計画1000万台に対して約1505万台と絶好調でした。しかし3年度は計画の2000万台に届かず約1695万台に留まりました。4年度の今年度は計画を1800万台に設定しています。

 そこで気になるのが、そもそもゲーム機は年間でどれだけ売れるか……ということです。任天堂が過去最高の業績を上げた2008年度、DSが約3118万台、Wiiも約2595万台を売り、いずれもピークとなりました。そして、両ゲーム機とも発売3年度の段階で2000万台を超えました。一方で、DSの半分の累計出荷数に終わったニンテンドー3DSのピークは、発売3年度の約1395万台でした。ちなみにソニーのPS4は、発売4年度に約2000万台を売っています。

 そして重要なのは、前年度から売り上げが減少したゲーム機は、売り上げの巻き返しを図るのが至難の業ということです。任天堂のWii Uは初年度に約345万台を売りましたが、2年度は約272万台と数字を大きく落としました。3年度は巻き返したものの約338万台、4年度も約326万台に留まり、Wiiのヒットからは考えられない大ブレーキとなりました。ゲームキューブも2年度に約576万台を売りましたが、3年度は約502万台と早くも頭打ちになり、その後は伸び悩みました。

 歴代のゲーム機の売れ行きの数字を追うと、任天堂がスイッチの発売3年度となる昨年度に計画出荷数を2000万台に設定したのも、世界的な大ヒットを狙うためには是非とも欲しかった数字であることが分かります。WiiやDSで達成しているのだから、無茶な目標設定だったわけではありません。しかしスイッチの初年度がわずか1カ月間なので、「昨年度は2年度」みたいなもの……とフォローすることもできます。いずれにしても、今年度がスイッチの売れ行きを占う、重要な年度になるわけです。

 そんなニンテンドースイッチの今年度の計画は1800万台で、2000万台という数字を外してきました。今期の任天堂の第1四半期の決算の数字を見れば、この計画は到達すると見るのが妥当でしょう。むしろ、爆発的な普及を狙うためにも、どこまで数字を上積みできるかです。

 現段階でニンテンドースイッチの売れ方は、ゲームボーイアドバンス(GBA)に似ています。GBAは発売2年度でいきなり約1709万台を売ったものの以後は伸び悩み、ピークは約1759万台(4年度)でした。4年間の毎年は1500万台以上を売り、累計で8000万台を売りました。時代背景などが違うことを考慮しつつも、いきなり売れて、2000万台が“壁”になっていることが似ています。(後編に続く)

サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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