Yahoo!ニュース

君はコスタリカ代表の新エースを知っているか!?

河治良幸スポーツジャーナリスト

6月2日に日本代表と対戦するコスタリカはグループDでイタリア、イングランド、ウルグアイと同じ“死の組”に入っているが、W杯予選で8得点を記録したアルバロ・サボリオが骨折、本大会の欠場が決まってしまった。コスタリカのレジェンドが恐らく最後になると見られていた大会に参加できないのは非常に残念な話だが、“エース”の座はすでに若手FWへと受け継がれている。

大会中に22歳の誕生日を迎えるホエル・キャンベルだ。

弱冠19歳でイングランドのアーセナルと契約したキャンベルは、レンタルでフランスのロリアン、スペインのレアル・ベティスを渡り歩き、ギリシャの名門オリンピアコスに貸し出された。爆発力と決定力が開花した高速アタッカーは欧州チャンピオンズリーグでチームの決勝トーナメントに進出に大きく貢献。決勝トーナメント1回戦でマンチェスター・ユナイテッドに敗れたものの、第1レグでは左足で鮮やかなミドルシュートを決めて観る者の度肝を抜いた。

鋭いカットインと高精度のシュートが持ち味のキャンベル。本職は右のウィングだが、カウンタースタイルのコスタリカ代表では前線の中央がメインポジションとなりつつある。突貫型に観られがちだが、複数の守備者に囲まれてもボールを奪われないテクニックの持ち主であり、ディフェンスの裏をかくスルーパスもレパートリーの1つだ。

個の能力は間違いない。あとはチームの中でのパーソナリティをどこまで高められるか。伸び盛りのキャンベルがブラジルでさらなる輝きを見せ、コスタリカを躍進に導くことができれば、大きな注目を浴びることになるのは間違いない。所有権を持つアーセナルへの復帰が有力となるが、多くのビッグクラブが放っておかないかもしれない。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

河治良幸の最近の記事