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節電の冬 ラニーニャで西日本ほど寒さ厳しい

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
2022年12月3日9時までの全国の最低気温(ウェザーマップ作画)

 3日(土)朝は全国の半数を超える547か所で、この冬一番の冷え込みとなり、京都や福岡などでは初霜・初氷が観測されました。東京都心で5度台まで冷え込んだのはこの冬初めてです。

電気料金高止まりで

 無理のない範囲で節電を、と呼びかける7年ぶりの冬。毎月の電気料金をみれば、自然と節電意識が強まります。

 東京電力管内の平均的な家庭一か月の電気料金は2021年1月を底に値上がりを続け、今年9月以降は上限に達し、9,126円です。この一年半ほどで、約2,800円値上がりしました。もしも値上がり分を節電で賄うとすれば、使用量を3分の2に減らさなければならず、乾いた雑巾を絞るような感覚です。

環境省は暖房設定温度「20度」を推奨する
環境省は暖房設定温度「20度」を推奨する写真:イメージマート

昼間も暖房が必要に

 この冬はラニーニャ現象の影響で、寒さが厳しくなると予想されています。最新の見通しはどうなっているのでしょうか。

 こちらは3日に発表された2週間気温予報です。週間天気予報と1か月予報の橋渡しをする予報として、利用価値の高い情報です。

2週間気温予報解説資料(2022年12月3日発表)より(筆者加工)
2週間気温予報解説資料(2022年12月3日発表)より(筆者加工)

  黄色の縦線を境に、左側がこれまで、右側が今後です。そして、上下の真ん中を平年として、プラス側は平年より高いことを、マイナス側は平年より低いことを表しています。

 これまで全国的に気温が非常に高く、季節がゆっくり進んでいたことがわかります。今後は太線に着目すると平年に沿った予想になっていることから、昼間も暖房が必要な寒さとなるでしょう。寒さが緩んだり、強まったりを繰り返しながら、徐々に寒くなるイメージです。

西日本ほど寒くなりやすい

 昨冬はクリスマス過ぎから急に大雪になりました。短時間に激しく雪が降ったため、鳥取県や滋賀県で、大型車などが立ち往生するなど交通機関に影響があったことを思い出します。

 ラニーニャ現象によって、今後は西日本を中心に寒気が流れ込みやすくなるため、12月半ばから寒さが一段と強まるのか、注視しています。

【参考資料】

東京電力エナジーパートナー:燃料費調整のお知らせ(2022年12月分)

東京電力ホールディングス:数表でみる東京電力、平均モデルの電気料金

気象庁:2週間気温予報解説資料、2022年12月3日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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