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16日~17日は広範囲で黄砂のおそれ 黄砂の影響まとめ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
ゴビ砂漠周辺に広がる黄砂(4月14日正午)、ウェザーマップ作画

 16日(火)~17日(水)は西日本から北日本にかけての広い範囲で、黄砂が予想されています。

 黄砂が日本に飛来するのは先月31日以来2度目で、今回も空がかすみ、場所によっては見通せる距離が5キロ程度となるでしょう。

 西日本や北陸では車や手すりなどに黄砂がうっすら付着しているのがわかる程度となりそうです。

 また、黄砂が薄い地域でも、目がかゆくなったり、くしゃみや咳が多くなったりする場合があります。 

黄砂の注意点をまとめた図、ウェザーマップ作画
黄砂の注意点をまとめた図、ウェザーマップ作画

17日(水)午前9時の黄砂予想図、ウェザーマップ作画、筆者加工
17日(水)午前9時の黄砂予想図、ウェザーマップ作画、筆者加工

 上図は17日(水)の黄砂の飛来を予想したものです。オレンジ色で示した部分は黄砂の濃度が1立方メートルあたり180~360マイクログラムで、濃さとしては中程度です。

 黄砂はゴビ砂漠や黄土高原など乾燥地帯で発生した強風によって舞い上がった細かい砂が、風に乗って日本まで飛んでくる現象です。

 発生した当初は1立方メートルあたり90,000マイクログラムあった黄砂の濃度も、風に流される間に落下し、雨粒に取り込まれるため、日本に届くころには300分の1くらいの濃さになります。

黄砂は花粉より小さい粒子

黄砂の観測日数(平年値)、気象庁データより、筆者作成
黄砂の観測日数(平年値)、気象庁データより、筆者作成

 日本では4月が最も多く、毎年15日程度、黄砂が観測されます。まれに濃い黄砂が飛来することがあり、2002年4月8日には福岡空港で、黄砂による視界不良のため、11便が欠航するなど航空機の離着陸に大きな影響がでました。

 黄砂の影響は発生源からの距離によって違います。大陸では激しい砂あらしとなるため被害は甚大です。

 黄砂は花粉より小さく、細かい黄砂ほど遠くまで飛来します。できるだけ黄砂を身体に取り込まないことが大切で、韓国では黄砂が濃い場合、注意報や警報を発表して、外出を控えるよう呼びかけが行われています。

【参考資料】

気象庁ホームページ:黄砂情報

環境省:黄砂とその健康影響について、2019年3月発行

環境省ホームページ:過去の黄砂飛来状況(主な黄砂現象の紹介)

韓国気象庁(KMA)ホームページ:黄砂

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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