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今年の梅雨入りは早い?

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
東京の梅雨入り平年日は6月7日頃(写真:つのだよしお/アフロ)

 今年4月は雨が多く、東京では平年比1.7倍の雨量になっている。この先も全国的にくもりや雨の日が多く、梅雨を思わせる天気に。5月初めは沖縄で梅雨入りとなる頃だが、今年は本州で早まる可能性が高い。

まるで梅雨のよう

 日々の天気に左右されてしまうけれど、4月にしては雨が多いような気がしています。今月の東京の降水量は平年の1.7倍にあたる178.0ミリ(22日まで)に達し、3年連続で雨の多い4月になっています。

 この先の天気をみると、東京は10日間のうち、晴れの日はわずか2日、全国的に雨の日が目立ちます。まるで1か月先の天気予報を見ているような錯覚に陥ります。

【10日間の天気予報】4月23日午前11時発表(気象庁+ウェザーマップ)
【10日間の天気予報】4月23日午前11時発表(気象庁+ウェザーマップ)

【大型連休中の予想天気図】ウェザーマップ作画、筆者加工
【大型連休中の予想天気図】ウェザーマップ作画、筆者加工

なぜ、梅雨みたいな天気になるのでしょう

 それは気圧配置に答えがあります。上図は来月初めにかけての予想天気図で、寒色は平年と比べて気圧が低いことを、暖色は気圧が高いことを示しています。

 天気図の右側(東)で高気圧が強く、左側(西)は低気圧となっています。これは夏になると見られる「東高西低の夏型」です。そして、沖縄から西日本にかけて、気圧が低くなっていて、ここに(梅雨)前線があります。

 天気図はまさに梅雨入りの頃を示していて、ぐずついた天気が予想されても当然です。

去年は記録的に早い梅雨入り

 こんなに早く梅雨が来ても梅雨とは思えないかもしれないけれど、去年(2021年)はおかしな梅雨でした。九州北部(福岡)は5月11日、四国(高松)は5月12日、過去最も早く梅雨入りするなど、西日本は平年より約1か月も早くなりました。

【梅雨入りカレンダー(平年日)】筆者作成
【梅雨入りカレンダー(平年日)】筆者作成

 一方で、関東甲信(東京)地方はなかなか梅雨入りせず、やきもきした覚えがあります。新幹線に乗れば数時間で行ける場所でこんなにも梅雨入りに差があるとは理解しがたい感じでした。

 梅雨は、春から夏に移行する過程で、その前後の時期と比べて雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象です。梅雨の入り明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。(気象庁)

 今年の梅雨入りは早いような気がしてならないのですが、そのときになってみないとわからないのが実のところです。

【参考資料】

気象庁:全般季節予報支援資料(1か月予報)、2022年4月20日

気象庁:令和3年の梅雨入り・明け(確定値)、2021年9月1日

気象庁ホームページ:昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け(確定値)

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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