Yahoo!ニュース

台風15号・16号 予想進路と日本への影響 

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
台風を取り巻く雲が多いほど、台風は発達しやすい(気象衛星ひまわり8号)

【要旨】台風15号、16号の見通しについて(16日正午現在)

台風15号は西寄りに進み、19日(水)には非常に強い勢力となる見込み。21日(金)以降、沖縄に近づく可能性が高い。

台風16号は北西寄りに進み、19日(水)には非常に強い勢力となる見込み。台風15号より発達するおそれがあり、21日(金)以降の動きに細心の注意が必要。

台風15号の予想進路について

台風15号の予想進路図(16日正午現在)
台風15号の予想進路図(16日正午現在)

台風15号はマリアナ諸島を西寄りに進んでいます。マリアナ諸島といえば、先の台風13号でサイパンが甚大な被害を受けたばかり。

今回の台風15号も台風13号に似たコースをたどり、21日(金)には沖縄に近づく可能性があります。

まだまだ夏休み期間中、台風の影響は一番早く、海に現れるので、油断なきよう。

台風16号の予想進路について

台風16号の予想進路図(16日正午現在)
台風16号の予想進路図(16日正午現在)

台風16号は、台風15号と比べると北上センスがあり、太平洋高気圧の影響を受けていると思われます。

台風を取り巻く雲が多いほど、発達した雲が台風の中心付近に引き込まれるため、台風が大きくなりやすい傾向があります。

15号よりも取り巻く雲が多い16号は発達する可能性がより高いと思っています。

鍵を握る「偏西風帯」と「高気圧」

台風の行方を左右するのは偏西風と高気圧(模式図)
台風の行方を左右するのは偏西風と高気圧(模式図)

現時点で、台風16号の予想進路について言えることは少ないですが、台風16号はしばらく、高気圧の縁に沿って北上するでしょう。

気になることは、上空の風(偏西風帯)はモンゴル付近から大きく北へ蛇行し、東シベリア付近でブロッキング高気圧が形成される可能性があることです。

そうなると、日本付近で上空の高気圧(ハイセル)が強まり、高気圧の位置や強弱が台風の動きに大きく影響すると思います。

どのように高気圧が日本付近に張り出すのか、上空の風はどうなるのか、今は予測が難しい状況です。今週後半には、確度の高い予想が少しずつ見えてくるでしょう。

台風16号の動きに目を離さず、早めの対応、準備の心積もりを持ってください。

なお、いつものお願いですが、台風情報は常に最新の情報をお使いください。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

片山由紀子の最近の記事