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東京で雪? 交通機関に影響も

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
19日(木)朝、関東甲信地方の雨・雪の予想

きょう(17日)、関東地方はうす雲が広がる、穏やかな天気です。でも、九州では雨が降り出していて、天気は西日本から下り坂に向かっています。

関東地方はあす(18日)昼ごろから、冷たい雨または雪

表紙の絵を見てください。これは19日(木)午前6時から9時の天気の予想です。青色は雨、水色はみぞれ、白は雪を表しています。

関東北部を中心に、東京の多摩地域や神奈川県西部では白く、雪が降る予想となっています。また、水色=みぞれが埼玉や東京の一部に見られます。神奈川県東部、千葉県など沿岸部は青色=雨の予想です。ちょうど、東京都心あたりが、雨と雪の境でしょうか。

東京の雪は気温次第「日本一難しい天気予報」

東京都心で、冷たい雨が降り出すのは、あす(18日)昼ごろからです。雨が降り出すと、急に気温が下がるため、一気に寒くなりそうです。そして、低気圧が関東地方に最も近づくのは、19日(木)の昼前です。低気圧は発達しないため、強い降り方はしません。でも、もしも、雪が積もるようなことがあれば、18日(水)深夜から19日(木)朝にかけてが最も可能性が高い時間帯です。

東京都心の雪予想は気温の予想といわれるくらい、気温がわずか1度違うだけで、雨と雪が分かれる、非常に神経質な予想が求められます。さらに、首都圏の交通機関は雪に脆弱なため、わずかな積雪でも影響が広がります。雪国の人からみれば、飽きれてしまうほど、首都圏は雪に弱いのです。影響の大きさから考えると、東京の雪は日本一難しい天気予報ともいえます。

東京の雨・雪予想に3つのシナリオ

18日(水)から19日(木)にかけての東京の天気について、3つのシナリオを用意しました。

【シナリオ1】

東京都心では終始、雨で経過する。雪やみぞれに変わらず、初雪にならず。交通機関に影響なし。

【シナリオ2】

東京都心では雨で降り出し、途中で雪やみぞれが降る。初雪となるが、積もることはない。路面や歩道は水たまりが出来る程度で、交通機関に影響はほとんど見られない。

【シナリオ3】

東京都心では早い段階で、雨から雪に変わり、18日(水)深夜から19日(木)朝にかけて、積雪となる。積雪は数センチ程度で、通勤通学の足に影響がでる。

積雪が増えれば、増えるほど、通勤通学の足に大きな影響がでます、過去、東京都心で雪が積もったときの交通機関の状況を調べてみたところ、積雪が2センチを超えると、主要なJR・私鉄各線で、遅れが目立つようになるようです。2002年12月9日は積雪が1センチだったものの、通勤通学がピークを迎える頃だったため、電車の遅れが30分以上にもなり、交通機関が大きく乱れました。

また、主要な道路は交通量があるため、雪が積もるまで時間がかかります。うっすら程度の雪では影響は限定的ですが、積雪が5センチを超えると、チェーンなしの車がスリップし、大渋滞が起こります。基本的に、東京都心を走る車はノーマルタイヤですから、雪やみぞれが降り出したら、車での移動は避けた方がいいと思います。

では、18日(水)から19日(木)の東京都心はどんな天気になるのでしょう?今のところ、【シナリオ1】の確率が40%、【シナリオ2】の確率が50%、【シナリオ3】の確率が10%と思っています。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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