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終わらない台風シーズン 台風24号は8日に九州へ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
台風23号、台風24号 ダブル台風が接近

台風24号が足早に北上しています。あす(7日)は沖縄・奄美を通過し、あさって(8日)には九州にかなり接近するおそれがあります。今後、台風はスピードを速める可能性があり、暴風雨に対して警戒が必要です。

台風24号は8日に九州へ

台風24号は6日正午、南大東島から約650キロ離れた海上にあって、1時間に35キロの速さで西北西へ進んでいます。一般に台風は、日本の南では遅く、本州に近づくにつれて速くなる傾向があります。北緯20度付近では通常、時速10キロから15キロ程度ですから、台風24号の北上スピードは2倍から3倍速くなっています。現在は、九州から1000キロ以上離れているものの、このままのスピードで北上した場合、台風は一日で800キロ以上移動するため、台風の影響が出るまであまり時間がありません。8日に九州方面に出かける予定の方は、交通機関が乱れることを考えたうえで、行動してください。

高い潮位に注意

10月5日は新月で、11日にかけて通常より潮位の高い状態が続きます。また、この時期は海水温が高いため、一年で最も潮位が高くなりやすい時でもあります。気象庁は2日、大潮による高い潮位に関する全般潮位情報を発表して、注意を呼びかけています。

とくに、8日は台風24号の接近と大潮が重なるため、高潮の危険性が高くなると思っています。各地の満潮時間は長崎・平戸瀬戸で22時28分、熊本・八代で22時34分、広島・呉23時38分です。

1999年9月台風18号による高潮被害(熊本県不知火町)内閣府
1999年9月台風18号による高潮被害(熊本県不知火町)内閣府

最近は顕著な高潮被害はありませんが、1999年9月には熊本県不知火町(現宇城市)で台風18号による高潮が集落を襲い、死者12人の大惨事となりました。松合地区を襲った高潮は建物に付着したおが屑等により、潮位観測基準面(DL)より6.73メートル(東京湾平均海面より4.5メートル)高かったと推定されています。

台風24号の予想進路(6日正午現在)
台風24号の予想進路(6日正午現在)

西回りの台風は暴風雨激しく

台風の被害は台風の強さはもちろんのこと、日本列島を通過するコースによって大きく違いますが、とくに被害が大きくなるのは、九州から日本海に進むコースです。台風の進行方向の右側は暴風雨がより激しく、台風のスピードが速ければ速いほど、風も強くなります。今回の台風24号は広範囲で暴風雨になるコースが予想されていますので、今のうちに備えることをおすすめします。

なお、台風24号の予想は最新の情報を参照ください。気象庁「台風情報」

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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