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世界35億人へ勝手にアピールされるW杯サポーターの美女のゆくえ

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:クロアチア戦でのknolldoll

KNNポール神田です。

フランス大会からW杯のテクノロジーをウォッチしつづけて1/4世紀。

ソーシャルメディア全盛時代のW杯は、FIFA専属のカメラが美女を映した瞬間に、世界35億人に伝搬するようになった…。それも時間にして数秒だ。ボールを持っている選手よりも短い秒数で世界を魅了する美女たち…。

スタジアム内を映すカメラマンは、常に観客を観察している。そしてそのお眼鏡にかなって被写体となった観客は、あっという間に世界中から、検索され、その瞬間からフォロワーがうなぎのぼりに上がるという。

さすがにQRコードのプラカードをかざす人は、カメラで抜かれないだろうが、美女のスマイルは、メディアの進化と関係なしに捉えられやすい…。

モデルさんたちやタレントさんは、オーディション会場に行くよりも、W杯のスタジアムに行ったほうがよいのかもしれない。世界を相手にする大型新人のプロモーションとしては運にまかせるがコストは一番安いはずだ。

■スタジアムからデビューした人は数知れずいる

古くは、初代『チャーリーズ・エンジェル』での『ファラ・フォーセット』。テキサス大学のフットボールゲームの観戦試合からミスカレッジへ。その写真からエージェントのスカウト。

ベイウォッチ』や『パム&トミー』の『パメラ・アンダーソン』もフットボールの試合中にスタジアムのスクリーンに映し出され、CM出演をきっかけにデビュー。

W杯でも途中でカメラで抜かれる美女やユニークなサポート達には、試合結果と関係なく癒されるシーンが多い。

2014年のW杯ブラジル大会の日本VSコロンビア戦では、カメラで抜かれた美女が話題に…。

本田圭佑の奥さん?とかで話題に…。ゴールキーパーの川島選手の奥さんでした。

この彼女のしぐさはほんの5秒程度。それでもW杯のシュート以上に記憶に残っている。

川島選手のinstagramにも登場。

https://www.instagram.com/p/B114DhhAlnW/

FIFAが提供する全世界同一のテレビ放送なので、自国の応援時にあらわれた美女は、即座にSNSを通じて、世界35億人へ共有されてしまう。まさに、本人の認識以上の伝搬力を持って。

■日本VSドイツ戦で世界に注目されたカメラマンが選んだ美女は…?

https://www.instagram.com/p/ClVfhGfMidA/

今回は一般人だけではなく音楽活動をされる女性が注目を集めた。

PARADOXX』のドラムを務める『SHONO』さんだ。

インスタグラムは2万人から10万人を超えている。

https://www.instagram.com/shono.contact/

TikTokは4694人

https://www.tiktok.com/@shono.contact

美女が話題になる一方で、元ミス・クロアチアでのモデルのイバナ・ノール knolldollさんは、カメラで紹介された後、中東での肌の露出で議論がはじめられた。

https://www.instagram.com/knolldoll/

https://www.tiktok.com/@knolldoll

イギリス『デイリー・スター』によると、イバナさんはその過激な衣装で逮捕される心配はないのかと質問され、「そんなことは決して恐くありません」と答えたようだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3e6cd390745ab8af6a2422992ef1474419d38896

カタールでは、自国の女性以外はアバヤを着用する必要はないとされているが、上着は腹部と肩を覆い、スカートやドレス、ズボンは膝を覆う必要がある。タイトな服を着たり、胸の谷間を露出したりすることも当然禁じられている。

また、アバヤが体のラインを隠せるようデザインされているのに対し、イヴァナさんの服は足下まで覆われてフードも付いているとはいえ、タイトな上に胸元も全開。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a7fc8fd7110f1b20cd3d0834c9e3704ab7a44617

これは、FIFAのカメラで彼女が抜かれなければ、まったく話題にならなかったことだ…。FIFAのサービスショットとしてとらえるべきだろう。

また、イバナ・ノールさんは、クロアチアデザインの水着を販売しているので、莫大な宣伝広告料いらずだったとも言える。

https://knolldoll.com/

ある意味、彼女は一瞬にしてクロアチアの代表選手以上に存在感を世界にアピールされてしまった。あくまでも取り上げたのはFIFAのカメラ側にあるのだ。いくら計算だったとしても、FIFAのカメラがなければ話題にならなかった。

FIFAのスタジアムに来る人の肖像権や人権、ソーシャルメディア権、そして忘れられる権利も含めて、巨大なメディアで増幅された、『メディア化された個人』のイグジットはバラ色だけではなさそうだ、メディアで偶発的にスカウトされてしまった後のことも含めて、紹介されて終わりではない新たなソーシャルメディア時代のありかたを考えておくべきだろう。

一方で、これだけで話題になるならと、35億人へのPRの場で、メンバーを会場へ送り込むというPRのプランニングを考えるプロダクションもいることだろう。

今度はどこまでが、オーガニックでどこまでがプロモーションか…。事前にカメラで撮影可能かどうかの意思表示や許可取りもも必要な時代になりそうだ。

放映の権利関係には最大の関心を持つFIFAが、応援サポーターの映像利用権利に対しても関心を持つべきだと思う。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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