KNNポール神田です!

いよいよ、日本でも『ワクチンパスポート』2021年7月26日(月)から申請の受付が開始となる。

□新型コロナウイルスのワクチン接種を公的に記録・証明する「ワクチンパスポート」(ワクチン接種証明書)。加藤官房長官は、(2021年)7月26日(月)から各市区町村で申請の受け付けを開始すると発表しました。当面は、海外への渡航に必要なパスポート=旅券を持っている人が対象です。

申請の窓口は市区町村となります。申請の際には旅券=パスポートが必要で、日本から海外に渡る際に必要とする人の利用が想定されています。将来的には、利便性を高めるため、デジタルでの申請や発行も検討されています。

https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20210712a.html

なんと、すでにEUでは『ワクチン接種』や『PCR検査陰性』を証明するQRコードがあるにもかかわらず、わが国日本では、ワクチンパスポートを『紙』のみで発行するという。しかも発行体はワクチン接種で多忙を極めている『市区町村』単位であるという…。

海外渡航をイメージしている『パスポートワクチン(接種証明書)』のイメージ

出典 厚生労働省 新型コロナウイルスワクチン接種証明書
出典 厚生労働省 新型コロナウイルスワクチン接種証明書

https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000797973.pdf

この接種証明書を一番使われるところが、海外の税関をイメージしたらこれだけの『漢字』はいらないだろう。むしろ、パスポートのICカードにもデータを付与できるだろうし、QRコードは将来的にではなく、すぐにでも対応すべきだろう。顔写真もない紙きれでどこまで証明書となるのか?

むしろ、この接種証明書のデジタル化と、保持率を高めることによって、海外渡航に限らず、観光や、旅行、外食、イベントなど、日本のコロナの出口戦略がみえてきそうなものなのに…。

□EU(ヨーロッパ連合)では、2021年7月1日(木)より加盟する全27カ国でいわゆるワクチンパスポートの運用が正式にスタート。 EUのワクチン証明書は紙やスマートフォンなどで保管し、すべての加盟国で使うことができる。 EU加盟国共通のデジタル新型コロナ証明書のQRコードには、ワクチン接種したことなどを示す情報の検査の陰性結果などが含まれています。

https://www.news24.jp/articles/2021/07/01/10899126.html

EUのデジタル証明書の概念動画  European Commission

ワクチンパスポートで、重要なのは、ワクチンを2度接種したこともあるが、PCR検査などの陰性結果なども残せることだ。残念ながら日本の証明書にはそれらがない…。

さらに紙だけの証明書であれば、直近の検査履歴も一切、アップデートすることができない。今後のさらなるワクチン接種も記録を更新できないのだ。常に古い情報を持って、ワクチンの接種を証明するシロモノにしかならないのだ。

筆者も先週、高熱が続きPCR検査を受け、陰性の連絡を7月12日に電話で受けたが、陰性の証明書をいただくことはできなかった。PCR検査で重要なのは『陽性』であることだでけなく『陰性』であったことである。『陰性』結果は、過去の2週間の行動にアドバンテージがあった『証明』でもある。

出典:筆者のPCR検査 報告書 紙の結果は手書きで○されていた
出典:筆者のPCR検査 報告書 紙の結果は手書きで○されていた

後日、病院あてにPCR検査の結果が届き、それが日本郵政の料金後納郵便で本日、手元に届く。『患者ID』とあるがこのIDは二度と使用されず経過観測にも活用されず、手書きで陰の文字に○がつけられているだけ。これがPCR検査履歴としてマイナンバーカードに履歴が付与されていれば、もっと活用できるだろう…。個人情報保護法下ではなく、『個人情報デジタル活用法』を考えるべきだ。

『マイナンバーカード』を活用した『マイナナンバー』とも紐付ければ、利用者にとっての便益は増すはずだった。国家政策的にも『マイナンバーカード』のメリットを出せたはずである。つまり、『マイナンバー』がサービスとしてではなく、『税』の公平性を求める性格上、サービスでの連携…たとえば、保険証、免許証、パスポートとの連携が後手にまわっているツケがここでも表層化している。

ワクチン接種、同様にマイナンバーカード取得も国の強制ではない。リスクとベネフィットを考え国民がみずから自分の判断をすればよいのだ。

本来、マイナンバーのデジタル化で、個人を特定できたりすれば、給付金からサービスポイント、ワクチン接種、PCR検査の結果まで、地方自治体の手をわずらわせることなくできたのだ。

2回の『ワクチン接種証明書』だけで出入国の審査をするという運用は、実質、差別にもつながりやすい。接種のタイミングと紙の発行時期の時間差も気になるだろう。特に地方自治体に新たな業務が発生するのが問題だ。

むしろ、PCR検査や抗原検査など複数の根拠となる書類を提出するのであれば、それを専門的に処理できる機関を作り、分散処理するためにも当初から『デジタル化』し、クラウド化して『アプリ化』すべきだったのである。

すでにJALなどでは、海外から受けいれるために、デジタル証明書アプリの試験運用を開始している。これは国際的な課題である。

3つのデジタル証明書アプリ『コモンパス』『VeriFLY』『IATAトラベルパス』などの取り組みを開始している。

https://press.jal.co.jp/ja/release/202104/006026.html

たった一ヶ月間で終わる『五輪アプリ』に6.6億円も身内の会社に開発費をかけている場合ではない。すぐにでも平井デジタル担当大臣は、『マイナンバーカード』との連携で陣頭指揮をとるべきだ。9月の『デジタル庁』の発足は法的な効力化であって、その前にこの国難に挑むべきだろう。

■経団連でもデジタル化を要望していたにもかかわらず…

経団連では、2021年6月24日(木)にこんな要望をだしていた…。

□1.出入国の際にワクチン接種記録を提示することで、空港での検疫手続きの迅

速化、隔離の免除、または隔離期間が緩和されるなどの出入国時の活用

2.ワクチン接種記録の提示によって会場やイベントへの入場時の要件が緩和 されたり、さまざまなサービスやキャンペーンが受けられたりするなどの国内における活用

□技術的には、デジタル化された接種記録を真正性が担保される形で個人が携行できるよう、スマートフォン等のアプリに搭載するものを想定している。搭載データは、ワクチン接種記録のほか、抗体を獲得した場合の抗体検査の記録、陰性証明の記録も視野において検討した。

http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/058_honbun.pdf

■ワクチン接種のデジタルによる『見える化』

出典:日本経済新聞
出典:日本経済新聞

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-japan-vaccine-status/

すでに、2回目のワクチン接種者は2,427万人となっている(2021年7月13日)。

65歳以上であれば50.4%が2回目の接種率となっている。

しかし、早期のワクチン接種に貢献する『職域接種(しょくいきせっしゅ)』だと、市町村をまたいで、職場で接種することによって、情報の『突合(とつごう)』に時間がかかる。

今回のワクチン情報を管理するためのタブレット端末は、1,400自治体に2.9万台配布して、データを読み取るが、想定外のポンコツすぎるタブレットであったという。この端末は、NTTドコモが37億円で随意契約したタブレットであった。

https://dot.asahi.com/dot/2021060300001.html

普及している精度の高いスマホの『アプリ』でもよかったのではなかっただろうか?

河野太郎ワクチン担当相、小林史明補佐官率いる内閣官房(IT総合戦略室)が所管する接種記録システム「VRS」は、全国の自治体や病院のワクチン接種状況をリアルタイムに把握するために開発されたもの。

ワクチン接種記録システム(VRS)について河野大臣

個人情報保護のためにワクチン接種とマイナンバーカードとの連携はなされなかった。

接種記録システム「VRS」には接種の記録しか残っていない。

ワクチンを接種すること=コロナ感染者をなくすことなので、PCR検査記録などの個人との紐付けも重要だった。今後の接種や検査についてもアップデートできないと意味がない。マイナンバーカードやパスポート番号の追加をできるようにすれば、自治体に依存することなくデジタル化できたのではないだろうか?

重要なのは、強制でなく、オプトインで、利用を望む人にはサービスを提供すればよいのである。

■『ワクチンパスポート』の必要母数は529万人

そもそも、日本人のパスポート保有率は25%であったが、現在、21.8%(2020年12月)にまで落ち込んでいる。つまり、4人に一人が現在は5人に一人となっている。

『ワクチンパスポート』の2回接種が、現段階で、2回目のワクチン接種者は2,427万人となっている(2021年7月13日)ので、その中のパスポート保有率の21.8%をかけると、最大529万人となる。

このうちの半数264万人が全国の市町村で申請するよりも、政府アプリで一括して、登録を受付け、アプリ上でQRコードを発行していくほうが、市町村の負担は圧倒的になくなるだろう。

もちろん、市町村に申請した人は、市町村にわざわざ『紙切れ』を取りに行く必要もある。

■なんでも市町村にふりむけないための『デジタル施策』

■海外渡航以外でも利用用途のある『ワクチンパスポート』

■『顔認証技術』やスマホによる『ワクチンパスポート』

■ワクチン接種率を高めるキャンペーン『ワクチン割り』は?