KNNポール神田です。

デジタル改革担当の平井大臣の、非常に雑でラフすぎる言葉が流出して驚いている…。

耳を疑ったが…平井大臣の肉声だ。 朝日新聞が音声記録をスクープした。

□朝日新聞が入手した音声データによると、平井氏は(2021年)4月上旬にあった内閣官房IT総合戦略室のオンライン会議で、減額交渉に関連して、「NECには(五輪後も)死んでも発注しない」「今回の五輪でぐちぐち言ったら完全に干す」「どこか象徴的に干すところをつくらないとなめられる」などと発言。さらに、NEC会長の名をあげ、幹部職員に「脅しておいて」と求めていた。

□この発言について、平井氏は取材に、「交渉するスタッフが弱腰になったら、いくら取られるかわからない。国民の血税だから強気で交渉しろ、と伝えた」とする一方、「国会で野党から、契約額が高いと迫られていた。自分も追い込まれていた」とも話した。

□アプリは海外からの観光客や大会関係者の健康管理のためのもの。NECが顔認証機能を担う共同事業体1者が(2021年)1月に応札し、国が指定した仕様に基づいてアプリの請負契約を約73億円で結んだ。ところが新型コロナウイルスの感染拡大による海外客の受け入れ中止などで機能が見直され、野党からの批判などもあり、5月31日に約38億円に圧縮する契約に変更した。平井氏は6月1日の会見で、「(NECの)顔認証(機能)は、開発も運用もなくなりゼロ(契約解除)」と説明した。しかしNECはすでに開発をほぼ終えており、国の都合で減額になった経緯について、不自然さを指摘する声が国会であがった。

https://www.asahi.com/articles/ASP6B73PZP67TIPE01M.html

73億円→38億円の豪腕手段とヤクザの親分気質

血税で発注する78億円を38億円に値切り、40億円の発注金額を浮かした手腕というか豪腕ぶりは見事だった。しかし、その40億円は、決して国民に返納されるわけではない獲得した予算は必ず、他の予算で消化されていくだけだ。いくら節約しても『利益剰余金』として翌年の予算に組み足されることは決してないのだ。

また、応札受注から開発を終えて、納品前のギリギリになっての一方的な仕様変更で、さらに『グチグチ言ったら干す』と言う脅しでの値切りの交渉。これが事実だとすると、相当なスジの悪い客スジとしか言えない。

一般的な開発企業だったら、いくらダウングレードであったとしても、他に影響が出来ないようにするために新たな工数が発生するので、値引きどころか、73億円にさらに追加費用をいただきなるところだろう。

『五輪アプリ』を開発しているのに『デジタル庁では死んでもNECに発注しない』という文脈が相当おかしい。これはまさに権力を傘にしたパワハラでしかない。

つまり、日本の大手ITベンダーは、政府のいうがままのズブズブの関係にあるところが表面化したのでもある。

一番、恐ろしいのは、『完全に干す』や『脅す』などのヤクザの親分肌の『ラフな発言』とかではなく、担当大臣の一人の判断による『権限』の大きさである。

政治手腕というよりも政治的パワハラで、都合のいいようなシステムを導入させられてしまう。むしろ、デジタル庁での費用の使われ方を、外部で監視するようなしくみも必要だろう。日本には『会計検査院』という組織が戦前から存在するが、そこは会計が正当につかわれているかを判断する組織であり、『システムの最適受発注』を判断するところではない。むしろシステム開発の正当性を第三者機関で精査する必要がある。

また、デジタル庁の人材募集もすでに決められた仕様を遂行できるような人材を、非正規国家公務員として採用しているので、まともな人材が集められるはずがない。

むしろ、どのような意思決定で仕様が決定されたのかの上流からの発注を透明化する必要がありそうだ。

■『遠藤のおっちゃん』と呼ばれたNEC会長 遠藤信博

出典:NEC 遠藤信博会長 68歳 平井大臣よりも5歳も年長者
出典:NEC 遠藤信博会長 68歳 平井大臣よりも5歳も年長者

普通に『遠藤さん』と名前で呼べばよいものを、協力ITベンダー企業の、目上の会長をわざわざ、『おっちゃん』と揶揄する。平井大臣の『権力誇示』をふくめ、協力し開発しているパートナーへのリスペクトは一切そこには存在しない。単なる『一業者』としてしか認識していないことも『大臣』としての資質を疑いたくなる。また、交渉相手が、NECのCEO森田 隆之氏ではなく、すでに単なる会長職である遠藤氏を通じて『脅せ』と、まるでマフィアの黒幕のような暗躍ぶりだ。

平井大臣は、祖父平井太郎は郵政大臣、父平井卓志は労働大臣という世襲3世の政治家であり、ビジネスの出自は広告代理店の『電通』で、その後の、西日本放送の社長業は創業家である「平井家」が個人大株主である。政界もメディア界もエリートコースのようものなので、下々の使われる側の気持ちに寄り添うことはほぼ不可能だろう。

デジタル庁の司令塔としての言葉と権力は想像以上に大きい。

■『デジタル庁はNECに死んでも発注しない』言葉の真意は?

インド版のマイナンバー『アドハー』には、NECの顔認証技術が採用されている。

2009年、インドでは生体認証の『アドハー』という国民カードを発行した。強制でもない任意のシステムに12.3億人のインド人が『アドハー』を所持している。

インド人口13.4億人の91.7%の普及率(2019年)を誇る。

日本の『マイナンバーカード』は、2016年から5年かけて交付率は30% 利用率は、5.5%でしかない。

マイナンバーがスタートしたのが、2015年(平成28年)、マイナンバーカードの発行が2016年だ。すでに、マイナンバー制度に関する国費の累計が過去9年間で『8,800億円』ということを菅総理も認めている。

現在、マイナンバーカードの交付済枚数が2021年5月5日時点で3,814万6,771枚となり、交付率30%になったばかりだ。 8800億円の国費で按分すると、1枚発行するのに2万3,000円かけたこととなる。

むしろ、インド版の『アドハー』で採用されているNECの顔認証技術を日本のマイナンバーに採用したほうが良かったのではないだろうか?

しかし、平井担当大臣が、『NECには死んでも発注しない』というにはそれなりの理由がありそうだ…。

そもそも、本来の『デジタル庁』のアイデアは、小泉純一郎政権時に竹中平蔵氏が総務相、菅氏が総務副大臣時代にさかのぼるとされている。

竹中平蔵氏がパソナへの利益供与が問題となった。

平井担当大臣の出身企業である電通も問題となった…。

■『持続化給付金事業』の受託をめぐる事件は電通のトンネル法人

「持続化給付金」事業で電通のトンネル法人となっていた『一般社団法人サービスデザイン推進協議会』もしかりだ。

□2019年新型コロナウイルス感染症の流行に伴う経済産業省外局中小企業庁による持続化給付金事業を、「サービスデザイン推進協議会」がおよそ769億円で受託し電通におよそ749億円で再委託していた。電通から電通ライブ、電通テック、電通国際情報サービス、電通デジタル、電通東日本などに再々委託し、さらに電通ライブからはパソナ、大日本印刷、トランスコスモス、テー・オー・ダブリューなどに再々々委託していた。その丸投げの過程で電通本体だけでおよそ104億円あまり、電通グループ子会社6社を含めると少なくとも154億円あまりの緊急支援的意味合いのある公金ないし税金が大規模に"中抜き"されていたことが報じられ、国会審議などで波紋を呼び起こしている

https://ja.wikipedia.org/wiki/サービスデザイン推進協議会

■誰が何のために朝日新聞に音声ファイルをタレ込んだのか?

今年(2021年)4月の『内閣官房IT総合戦略室』という秘匿性の極めて高い会議の音声記録が、朝日新聞にタレ込まれた事実は、義憤にかられた内部告発か、もしくは想定外の録音が流出したとしか考えられない。

もし、前者であれば、氷山の一角でいろんな闇が、今後も露出されてもおかしくない。

後者であれば、会議そのもののセキュリティレベルを大いに疑うべきだ。

いずれにしても、『内閣官房IT総合戦略室』の会議が何者かに傍受されていた事実は、言葉使いや大臣の資質以上に問題としなければならない。

■インド版のマイナンバー『アドハー(Aadhaar)』には、NECの顔認証技術が採用されているにも関わらず

アドハーとは、ヒンディー語で『礎』という意味。基礎・基本となるしくみをめざしている。

指紋と虹彩認証を含めた生体認証データを提出することで、誰もが本人認証を正確に登録でき、中間で搾取されがちな政府補助金を末端にまで届けることができるようになった。

金融機関・郵便局もしくは公認のセンターで取得が可能というところもマイナンバーとは大きく違う。

https://knowledge.suzuki-gc.com/hc/ja/articles/900002878903-Aadhaar

なぜ、このような技術が日本では嫌われてしまったのだろうか?

■インド13億人の「生体認証」国民IDに、知られざる日本企業の貢献

NECの『顔認証技術』は、インド版マイナンバーの『アドハー』での12.3億人の顔認識が認められているだけのことがある。惜しむらくは、マイナンバーのコスト高を嫌って、顔認識を採用しなかったことだ。マイナ還元ポイントなどよりも、顔認識技術をいれておけばもっと楽だったはずだ。

持続化給付金やワクチン予約などももっとスムーズに活用ができたはずだ。

本来、急ぐべきは、五輪用のアプリではなく、こちらの方であった。

□NECの技術が基盤となっているアドハーは、インドの固有識別番号庁(UIDAI)によって登録が進められている生体認証IDシステムで、国民の名前や住所、生体情報を収集して管理する。システムに登録された国民1人ひとりに12桁の数字からなるIDを発行し、役所などの公共機関や銀行はこの固有のIDを使って社会保障の受け取りや銀行口座開設の本人確認をスムーズに行うことができる

□国民が、公共サービスや福祉支援、金融サービスを公平に享受できるようになっている。またインドの成長の足かせとも言われ、長年にわたって深刻な問題となっていた汚職や不正が減ったことで、政府はこれまでに124億ドル(約1.37兆円)の不正支出をなくすことに成功している。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2019/03/13id.php

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