Apple 918億ドルの最高益 しかし研究開発費は4.7%だけ Amazonの半額NETFLIX並

AppleTV+作品がゴールデン・グローブ賞にノミネート ティム・クックCEO(写真:REX/アフロ)

KNNポール神田です。

□米アップルが(2020年01月)28日発表した2019年10~12月期決算は売上高が前年同期比9%増の918億1900万ドル(約10兆円)、最終利益が11%増の222億3600万ドルだった。

□全体の約6割を占めるiPhoneの売上高は8%増の559億5700万ドルだった。

□腕時計型端末Watchやワイヤレスイヤホン「AirPods」などを含む周辺機器部門の売上高が37%増の100億1000万ドルとなり、全体の伸びをけん引した。

□iPhoneの販売の多くが買い替え需要であるのに対し、Watchの販売台数の75%は初めての購入者によるもの

□クラウドを使ったデータ保管などサービス部門の売上高は17%増の127億1500万ドルと四半期ベースで過去最高を更新した。

□音楽や動画、ニュース配信などのサブスクリプション(継続課金)型サービスの会員数は1年前に比べ33%増加し、4億8000万人を突破

□香港と台湾を含む中華圏が3%増の135億7800万ドルとなり、5四半期ぶりに増加

□全体の45%を占める米州の売上高は12%増の413億6700万ドルと過去最高を更新

出典:アップル最高益、iPhone回復で11%増 10~12月

5四半期ぶりに好調な売上を示した。Appleは9月末決算のため、10月~12月が新年度の第1四半期となる。例年、新製品発売でこの時期が年間を通して一番売上が上がる傾向にある。今回は3眼や2眼を搭載したiPhone11やApple WATCH AirPodsProなどの製品がリリースされた。

PDFデータも公開されている。

https://www.apple.com/newsroom/pdfs/Q1%20FY20%20Consolidated%20Financial%20Statements.pdf

■売上の86.1%はハードウェア製品に依存、研究開発費はAmazonの半額 NETFLIXとほぼ同額

2020年度第一四半期 出典:Apple 筆者加工
2020年度第一四半期 出典:Apple 筆者加工

Appleの決算発表資料を見ると、前年同期比(2018年12月末)を見ると売上で108%のアップで、純利益111%と5四半期ぶりの好調な結果となった。しかしながら、売上の86.1%はハードウェア製品に依存している体質は変わらない。原価率が35.4%という低さのサービス部門の売上は、117%の伸び率だが、まだ売上比率では13.8%のインパクトでしかない。

Appleの課題としてはサービス部門の成長が最大の課題であるだろう。また、AppleTV+のようなサブスクリプションもスタートしたが、実際いは買い替え需要のiPhone11には1年間のサブスクリプションのサービスがついているため、4億8,000万人の会員には無料のサブスクライバーが含まれると考えたほうがよいだろう。

そして、研究開発費(前年比114%)を見ると、44億ドルと、対売上比率でいうと、4.7%という低さも気になるところだ。年間を通しても、amazonの研究開発費の半額でしかない。ハードウェアプロダクト売上が86.1%の時価総額1.3兆ドルで世界ナンバーワン企業のAppleにしては低すぎるのではないだろうか?

NETFLIXの2020年の年間投資額は173億ドルと予測されており、四半期ベースでは43.2億ドルとなる。NETFLIXは、コンテンツ製作だけでAppleの製品開発費用とほぼ変わらない金額を投資している。

NETFLIXの四半期売上(2019年12月)は54.6億ドルなので、Appleの5.9%の売上規模でしかないにもかかわらずだ。

■影響が薄くなる日本の売上と、iPhone依存度が60.8%になったApple

製品カテゴリー 出典:Apple 筆者加工
製品カテゴリー 出典:Apple 筆者加工

かつて、日本といえば、Apple製品の米国に継ぐ巨大なマーケットであり、世界の売上比率でも、20%を超えていた時期もあったが、前年同期比は8.1%あったシェアが今期は6.7%へと低下している。

また、iPhoneの依存度は前年同期比が61.6%から、60.8%と依存比率を落としている。これは、ウェアラブルホームアクセサリ製品群が前年同月比が8.6%から10.8%へと伸びたApple WATCH Series5やノイズキャンセルが搭載されたAirPodsProなどの売上が貢献していると考えられる。

■低廉化したiPhoneSEの次世代機種と新型ウィルスへの不安

アップルは早ければ『(2020年)3月に4.7インチの新モデルを正式発表』と噂されている。これは、数年前から人気のある今では小型となった『iPhone SE』関連の後継機種である。しかし、3月に発売となると現在は、絶賛大量製造中であるはずだが、中国は現在、旧正月の春節期間に入り、しかも新型コロナウィルスの影響で、鴻海の中国工場などの稼働が気にかかるところだ。いずれにせよ、Apple製品は、常に、供給が需要に追いつかず、当初は品薄状態からスタートするのが常なのでそれほどの危機的状況ではなさそうだと考えている。たとえ、発売時期を第2四半期でなく、第3や第4にしたとしても、既存のiPhone11ユーザー以外が購入することを考えれば、うまくモデル別の棲み分けができそうに思われるからだ。

むしろ、NETFLIXなどの膨大な投資比率やDisney+の拡大の中で、AppleTV+は、まだまだ本腰を入れているように思えない部分がとても気になる。一応、iPhone11の無料期間で、AppleTV+を視聴しているが、オリジナル作品の本数がまだまだ少なすぎる…。ゴールデングローブ賞に『The Morning Show』がノミネートされたが受賞は逃している…。

2007年のiPhone誕生から13年、2010年のiPad誕生から10年…。2015年のAppleWATCHから5年経由している。

リプレースだけでも十二分に食いつないでいけるのかもしれないが、熱狂的な信者を集めるようなプロダクトやサービスをずっと期待している。AirPodsProが進化してグラスやAR、AppleWATCHからの進化してのファイナンスやスーパーアプリなど、もっと研究開発費を、湯水のごとくつぎ込んでほしいと願うばかりだ。

1961年神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の編集とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。メディア出演、コンサル、取材、執筆依頼 などは 070 5589 3604 まで

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