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東京五輪 #都市ボランティア は、まさかの『書類選考』だった?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
気軽に応募したら…書類選考方式だった…。 出典:東京都からの自動返信メール

KNNポール神田です。

昨日(2018年9月27日)の記事では、組織委員会の『大会ボランティア』の応募フォームの事についての疑問点を書かせていただき、反響がすこしでも、改善に動くことに期待している。そして、東京都の募集する『都市ボランティア』についても本日は書かせていただきたいと思う。

東京都の募集する『都市ボランティア』

都市ボランティアの概要 出典:東京都
都市ボランティアの概要 出典:東京都

東京2020大会 都市ボランティア募集について

http://www.city-volunteer.metro.tokyo.jp/jp/join/application/outline/index.html

応募期間 2018年9月26日(水)13時から12月5日(水)正午まで

活動内容

空港、都内主要駅、観光地、競技会場の最寄駅周辺及びライブサイトにおける観光・交通案内など

「活動日程が重複しなければ、大会ボランティア・都市ボランティアの両方に応募し、参加することも可能」とあったので、都市ボランティアにもさっそく申し込んでみた。

応募フォームはとても簡単!

まずはメールアドレスを送る 出典:東京都
まずはメールアドレスを送る 出典:東京都

東京都の『都市ボランティア』は『大会ボランティア』のフォームと違い、最初にメールアドレスを送り、メールが返送され、それをクリックすると応募フォームに登録するとても簡単なもの。ぜひ、『大会ボランティア』にもこの普通の応募フォームを見習ってほしいと切に願う。

誕生年もプルダウン形式で一発で入力できる 出典:東京都
誕生年もプルダウン形式で一発で入力できる 出典:東京都

氏名、誕生日、メールアドレス、電話番号などを記載し、ボランティア経験の有無、参加可能日数、活動エリア、英語のレベル、職業、資格、スキル、いきごみ等を記入するという、とてもシンプルなものだった…。こちらは、ものの5分もあれば書けてしまう。

とってもシンプルな応募フォーム
とってもシンプルな応募フォーム

まさかのアンケートではなく『書類選考』だった!

書類選考結果をおまちください
書類選考結果をおまちください

応募フォームを送り、しばらくするとメールに自動返信メールが送られてくる。

しかし、その文面に驚く…。

「2019年を1月頃をめどに書類選考結果をご連絡させていただきます」

とあった。

あの応募フォームにあった 職業やスキルやいきごみなどが書類選考の対象であったのかと思い、気軽に書いてしまった自分を後悔している。

『書類選考結果』という言葉の重み

『書類選考』という文字はどこにも明記されていない
『書類選考』という文字はどこにも明記されていない

http://www.city-volunteer.metro.tokyo.jp/jp/join/application/index.html

東京ボランティアナビのページでも、『書類選考』という文字はどこにも明記されていない。「面談説明会の案内通知」とあるだけだ。

いくらボランティアといえども、応募すると全員が即採用されるとは思ってはいない。しかし、『書類選考結果』という言葉の重みには非常にドッキリさせられた。当然、お役所側から考えれば、アンケートいえども、選考する対象の書類だから、『書類選考結果』という言葉が出てくるのだろう。

応募する際には、『書類選考』という言葉は、一切登場しないのに、突然、『書類選考結果』が出てくるのはアンフェアだと思う。

※同意事項の長文の中にのみ…「選考結果、面談・説明会等案内、研修案内及び活動決定の通知」が記されているのみだ。

それでなくても、『書類選考』で苦い経験をしたことがある人にとっては、とてつもなく嫌な想いをぶり返される言葉だ。まさかの無償ボランティアにまで『書類選考の結果』という言葉をふりかざすのは、メンタリティーが欠如しているかと思う。しかも、来年2019年の1月頃まで、結果は生殺しにされるわけだ。

おそらく、

「応募いただきありがとうございます。そして、応募人数によって、ご意向に兼ねない場合もありますので、ご了承ください」。

くらいでよかったのではないだろうか? 

わざわざ、『書類選考結果』という上から目線の言葉をふりかざす必要はどこにもない!

2年後の東京五輪の、5日間以上のコミットメントがどれだけこの時期に確定できるかなど、未知数なものが多すぎる。

少なくとも、2年後の東京五輪を盛り上げるムーブメントのボランティアになる可能性もあるのだから、目標の3万人募集の一員としてのモチベーションをあげるために第一次ボランティアとして任命し、東京五輪にポジティブ派として活動させる必要があったのではないだろうか?

申し込んだ人から、やんごとなき理由で辞退する人もいるだろうから、ここは東京都として一人でも多くの無償ボランティアを無償の愛で受け止めるべきだと思う。

念の為、『書類選考結果』で検索すると、2018年9月12日の報道資料には、『書類選考結果』を見つけることができた…。

書類選考結果の文言のあるスケジュール 出典:東京都
書類選考結果の文言のあるスケジュール 出典:東京都

http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/09/12/07.html

しかし、「東京ボランティアナビ」のトップページには明記されていない。

http://www.city-volunteer.metro.tokyo.jp/jp/join/application/index.html

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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