「GAFMA」時代からマイクロソフトが抜けて「GAFA」時代となった

「GAFA」の意味はプラットフォーマーの頭文字 出典:NHK NEWS WEB

KNNポール神田です。

“GAFA(ガーファ)”ということばをご存じでしょうか?スマートフォンやパソコンを使っていると、検索や買い物の履歴などの膨大な個人データが企業に蓄積され、事業に活用されます。その個人データを圧倒的な規模で集めている勝ち組企業ーーーグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字をとって「GAFA」と呼ばれています。

出典:崩せるか “GAFA”の牙城

Google Apple Facebook Amazonの4社の頭文字を集めて『GAFA(ガーファ)』という。

あれ、どこかで聞いたことがある言葉だが、なぜか一社足りない…。

GAFMAからMicrosoft社がいなくなった

GAFMA ロゴ 出典:筆者作成
GAFMA ロゴ 出典:筆者作成

話は、2012年に遡る…。

海外出版界ではグーグル、アマゾン、フェイスブック、マイクロソフト、アップルの米国巨大IT企業5社を、出版業界に対する脅威とみなし、その頭文字をとってGAFMA(ガフマ)と呼ぶそうである。講談社の野間省伸社長が、(2012年)6月にケープタウン(南アフリカ)で行われた国際出版連合(IPA)の会議に参加した際、耳にした言葉だという。欧米の出版社にとって、GAFMAは事業パートナーであり、かつ、一部で競合するライバルでもある。これらの会社とどう付き合っていくかが重要な課題となっている。

出典:【出版】巨大IT企業GAFMAとどう付き合うか 出版界が今考えなければならないこと

GAFMAは、米国巨大IT企業5社のはずだったが、GAFAは4社へと収斂されている。それはなぜか?現在でも世界の富裕層ランキングではMicrosoftの創業者のビル・ゲイツ氏が堂々とトップだ。持ち株数の株価から算出されているからだ。しかし、Windows OSと、Officeスイーツ、サーバー群での影響度は以前ほどでもなくなった。Windows OSに至っては、自分たちの販売した過去のOSが最大のライバルとなっている。そして影響力低下の原因はモバイル部門だ。さらに、個人データの収集と利用という側面においては、他の4社に大きく差をつけられている。

GAFAを定義づけるならば…『個人データを集約し活用するプラットフォーマー』

IT業界にとって、トレンドワードや、バズワードはとても重要だ。IT業界はファッション業界と同じで、トレンドワードを仕掛け、そのトレンドワードのカンファレンス(ショー)を仕掛け、これからの潮流を解説し、販売に結びつける…。

ハイパーメディア、マルチメディア、ブロードバンド、ウェブ2.0、ユビキタス、BCP(事業継続計画),クラウド、デジタルネイティブ、ビッグデータ、VR、AI、シンギュラリティ、シェアリングエコノミーと続くが、死語になっているものも多い。思い返せば手を替え品を替え、同じインターネットの進化をトレースしているだけなのだ。

経済産業省も2016年あたりから、「GAFA」を連呼している。

新たな付加価値の源泉が「データ」にシフトするなか、データの利活用に向けて、知的財産制度での対応が重要となってきています。

一方、デジタル市場においては、データとの接点やその利活用を巡り、競争が激化しつつあるなか、GAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)のようなプラットフォーマーがデジタル市場で急成長を遂げており、その競争優位が固定され、支配的地位となってきている可能性が懸念されています。

こうした状況を受けて、経済産業省では、平成28年1月に「第四次産業革命に向けた横断的制度研究会」を立ち上げ、第四次産業革命に対応する「競争政策」、「データ利活用・保護」、「知的財産」という3つの業界横断的な制度の在り方等について、検討を進めてまいりました。

出典:第四次産業革命に向けた横断的制度研究会報告書を取りまとめました

デジタル市場の巨大企業、Google、Apple、Facebook、Amazonは、その頭文字でまとめて「GAFA」と呼ばれることがあります。このGAFAが提供するサービスの上で、販売や広告が行われていることから、このGAFAは「基盤を提供する者」という意味の「プラットフォーマー」とも呼ばれます。

出典:【60秒解説】 デジタル市場での競争と独占の問題点

GAFA(ガーファ)の意味を整理するためにも、プラットフォーマーでは、広義すぎるので、とりあえず定義するならば、『個人データを集約し活用するプラットフォーマー』ではないだろうか?

そうすると、GAFMA(ガフマ)からMicrosoftを排除した意味が通りやすい。Microsoftはモバイルで後退すること=個人データの集約するプラットフォーマーからも脱落してしまったのだ。

日本においては、LINEもGAFAであるし、ZOZOスーツを無償配布するZOZO TOWNも『GAFA』となり得る可能性がある。

協働と敵対の同居するGAFA

日本のスマホOSシェア 出典:経済産業省サイト
日本のスマホOSシェア 出典:経済産業省サイト

『個人データを集約し活用するプラットフォーマー』であるGAFAも、得意、不得意分野があり、さらに、モバイル OSにおける、2大アプリプラットフォーマーの存在が大きい。

iOSを提供するAppleのAppにも、Googleのサービスが提供される。そして、同様にGoogleの提供するAndroid OSにもAppleのサービスが提供される。さらにスマートスピーカーと言われる分野では、「ウェイクワード(OK GoogleやAlexa)」の音声で機能するように思われているが、すべての会話を傍受していなければウェイクワードは聞き取れないのだ。誰がいつどこで何を検索するのか?これもまた大きなGAFAにとっての情報だ。このスマートスピーカー分野、いや「ボイス検索分野」には、AppleもFacebookも参入できてはいない。同時にAmazonではGoogle Homeなどの製品を購入できないなどの措置は、Googleは対抗措置で、検索ではAmazonを表示しないという「戦争」さえも起こしかねない。

果たしてGAFAは脅威なのか?

GAFAを日本の脅威と捉まえるのか、好機と捉まえるのかで大きく異る。中国でも習近平がVPNアプリを締め出す政策を取り始め、GAFAでも検閲を拒否するGoogleやFacebookと検閲を認めるAppleとAmazonのように、各国ごとにより、対応も一枚岩ではいかなくなってきている。それもやはり中国の影響度が増しているからだ。日本の経済がまだ体力を温存している間に、GAFAに対する脅威よりも、日本なりの取り組みや規制緩和などを、純国内産にこだわるだけではなく、外資系企業とも大きく取り組むべき時期だと思う。

一方、ソフトバンクのように外資連合と取り組むということは、サウジアラビアの王族監禁事件のような経済以外の宗教的問題も視野に入れなければならなくなっている。GAFA時代、シェアリングエコノミー時代は、インターネットの本質で「国境」「越境」問題がさらに深刻化すると考えられる。