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倒れないバイク時代の到来

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
東京モーターショー参考出品の『YAMAHA MOTOROiD』

KNNポール神田です!

東京ビックサイトで開催されていた「東京モーターショー2017」は9日間の一般公開日を終え、(11月)5日に閉幕。総来場者数は前回(2015年:81万2500人)より約4万人少ない77万1200人となった。

出典:【東京モーターショー2017】閉幕…総来場者数は77万1200人と前回を下回る

日本のモーターショーが、ついに80万人を切る時代ではあるが、クルマの自動運転の進化と共に、バイクには別の進化形を見ることができる。二輪車が倒れない時代を迎えはじめたからだ。

ホンダの「Honda Riding Assist」技術

http://www.honda.co.jp/motorshow/2017/detail/021/

低速でも倒れないバイクという時代が登場した。ホンダの「Honda Riding Assist」技術は、4km以下になるとフロントフォークの角度が変わりバランスを取りはじめるのだ。

何よりも、従来のバイクとほぼ変わらないフォルムで、自走や無人運転も可能となる。2輪で倒れなければ、信号の待ち時間や、狭い場所での車庫入れなども、大型バイクになればなるほど扱いかたも、大きく変化することだろう。

ヤマハのAIロボット技術『MOTOROiD』

https://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/event/tokyo-motorshow-2017/exhibitionmodels/motoroid/

バイクと一体化するようなギミックや、バック走行をも可能にできる。

バイクなのに、まるでロボット犬のように操縦者の指示に従う。かつての「ナイトライダー」のように会話しながら走行というのも夢ではなさそうだ。

こちらはプロレーサーでもあるヴァレンティーノ・ロッシにラップタイムに挑戦するMOTOBOT

時速200km以上の自律走行をロボットライダー『MOTOBOT』が実現。ラップタイムで人類最速に挑む…。

ロボットライダーは「あなたの背中が見えたが、まだ遠かった。」と語る…。いや、ここまで自立走行できるということは、人類よりも最速なロボットライダーが登場するのは単に時間の問題となる。むしろ、人間はロボットバイクにまたがるだけで、200kmの2輪車で移動できる可能性さえみえてくる。また、ロボットで経験することにより、たくさんの人がプロのライディングを体験することができるのかもしれない。

倒れないバイク時代の到来

「倒れないバイク」の登場は、「倒れる2輪車」の概念を大きく変えることだろう。

インターネットの革命は、知識や情報のハイウェイを生み出し、CPUやウェブサービス、スマートフォンの進化は、AIや、ドローンを産み落とした。シンギュラリティの未来は、様々な場所に点在している「便利だけれども、非効率」なモノ同士を画期的に結びつけ始める。さらに、それらが結びつくことによって、今まで考えられなかったような、新たな「便利で、効率的」なモノを産み出すのだ。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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