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『マストドン』は日本でブレイクするのか?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
ツイッタークローンの『マストドン』

KNNポール神田です!

「Mastodon」(マストドン)というWebサービスがここ数日、日本のネットユーザーの間で急速に注目を集めている。ユーザーの間では「Twitter黎明期に近い雰囲気だ」という声もある。

Mastodonは、ドイツに住むEugen Rochkoさん(24)が作ったTwitterライクなSNS。Twitterとの大きな違いは、サイトが1つではなく複数に分散していることだ。

出典:ポストTwitter? 急速に流行中「マストドン」とは

確かに昨日あたりから、『マストドン』の文字を見かけるようになった…。

急激にYahooリアルタイム上昇中
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https://search.yahoo.co.jp/realtime/search?ei=UTF-8&fr=rts_top&aq=-1&oq=&ts=2023&p=%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%89%E3%83%B3&meta=vc%3D

日本語の有志の『インスタンス』サーバが公開されたからだ

https://mstdn.jp/

『マストドン』の4つの特徴

500文字のTOOT!は圧巻の文字量!
500文字のTOOT!は圧巻の文字量!

【1】500文字のTOOT!

【2】ドイツの24才の個人が開発したオープンソースプロジェクト

【3】分散型のSNSネットワーク

【4】『インスタンス』サーバービジネスの勃興?

まず、【1】500文字のTOOT!

これはtwitterの文字量と比較して圧巻の文字量だ!

500文字かける#マストドン これは、140文字twitterとの大きな違い…。また、オープンソースでインスタンスと呼ばれるサーバを自由に立ち上げられるところも大きな特徴。昔からTwitterクローンは数あれど、Mastodonは、twitterの先行きの不安な要素のカウンターとして、一躍注目を浴びたようだ。GoogleトレンドでみてもMastodonのトレンドはなぜか北欧から盛り上がっている。しかしながら、ユーザー数はまだ16万人、インスタンスサーバも599サイトと少ない。しかし、なぜか高揚感があるのが、WWWサーバーが立ち上がっていくような、巨大なメガネットベンチャーが乱立するこの時代に個人が立ち上げたサービスに世界が反応しはじめたこと。おそらく日本人が個々に小さなインスタンスを運営するにはフィットしそうだ。もちろん企業が自社インスタンスを運営するというかつての『セカンドライフ』ブームのように化けることも考えられそうだ。むしろ、今一番欲しいのはfacebookクローンなんだけど、500文字書けると一本のコラムを書いてしまった感覚でもある。というわけで500文字の#マストドン でした

出典:https://mstdn.jp/@knnkanda

twitterが登場してから、twitterクローンは多数あった。500文字tweetなんてのもあった。オープンソースもいくらでもある。なぜ、今になって『マストドン』がブレイクの兆しをみせているのか?それはtwitterにとりまく社会環境の閉塞感ではないだろうか?幾度も登場する買収話とご破算になった話…。株価の低迷…。自社株の買い戻し…。facebook、instagram、Snapchatなどの躍進ぶりからするとtwitterの元気のなさは明白だ。そんな時期にフォーカスされたのが『マストドン』だ。

【2】ドイツの24才の個人が開発したオープンソースプロジェクト

何よりも、ネット業界が米国の時価総額をトップを独占するほど、米国のネット産業はメガベンチャーとなった。かつてのガレージ起業はもはや想像できない。そんな時に24才の個人が立ち上げたプロジェクトというのは、長らくネットベンチャーがユニコーンを筆頭に巨大化している中で特に目立つのだ。むしろ、個人の無名プロジェクトが脚光をあびることそのものが、古き良き、ネット黎明期の懐かしさでもある。

【3】分散型のSNSネットワーク

『マストドン』のユニークなところは、個別のサーバを立ち上げながらもゆるやかな全体のつながりがあるところだ。ドナルド・トランプのツイートも混入されたり、まさにカオスでありながらも新しい。サーバにインストールすることによりサービスが開始できるので、いろんなCommunityの登場が期待できそうだ。しかもあちらこちらでサーバがこけたり、初期のインターネット時代のWWWサーバの開設のイメージに近いのだ。そう、もはや20年前のTCP/IPを勉強しながらの黎明期のデジャブーに至るのだ。まだ『マストドン』にはインスタンスを紹介するディレクトリのyahoo!すらない黎明期なのだ。

【4】『インスタンス』サーバービジネスの勃興?

もしも、2017年、『マストドン』が日本でブレイクするならば考えられるのが、日本人ならではの繊細なCommunityだ。しかも500文字も書ける。日本語だと漢字まじりで十分な分量だ。企業が顧客を抱えたり、オウンドメディアに付加させることもできる。Googleの検索やinstagramのリアル検索では引っかからない強固なコンテンツをメインにしたCommunityも可能だ。

しかし、その前に誰もが立ち上げられる『インスタンス』サーバに個人のメールアドレスとパスワードを入力することとなる。くれぐれも、パスワードの使い回しは警戒しなければならない。悪意あるパスワード収拾目的の『インスタンス』はすぐに立ち上がることだろう。面倒でもパスワードは『インスタンス』ごとに使い分けて、このカオスの時期を楽しめればと思う。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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