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アップルはスマホのロック解除依頼に応じるべきか?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

アメリカのカリフォルニア州で去年起きたテロ事件の捜査で、容疑者が使っていたスマートフォンの情報を解析できるよう、裁判所が製造元のアップルにロック機能の解除に協力するよう命じたのに対し、アップルは「危険な前例になる」として拒否する考えを示し、捜査のための情報収集と個人情報の保護の在り方を巡り議論を呼びそうです。

出典:アップル スマホのロック解除命令を拒否

米Apple はウェブ上にこの件についてのパブリックコメントを掲載した。

Appleがユーザー向けへのコメントを掲載
Appleがユーザー向けへのコメントを掲載

http://www.apple.com/customer-letter/

基本的にパスコードを10回以上間違うとデータが消去されるという機能解除を拒否していく方針である。

Apple側の言い分としては、一度この命令に協力してしまうことにより、セキュリティのリスクを高めてしまうことを懸念しているからだ。

犯罪捜査について、個別にロック解除に協力することはAppleにとって、技術的に問題であることではないだろう。しかし、そのような協力要請が世界の各国から寄せられた場合はどうだろうか?中国や販売していない北朝鮮からも要請を受けたならば…国際企業であるAppleは、それらに応える必要があるのだろうか?

また、犯罪捜査用に「バックドア」を設けたとしたらそれによって、そこからiPhone全体のセキュリティレベルを下げてしまう。Appleは、裁判所の命令、FBIの捜査協力よりも、ユーザーの安全を守ろうとしている。それと同時に国際的企業として、各国に対しても独自の法律に対応する姿勢としての全体的なポリシーを打ち出したとして解釈することもできるだろう。米国を代表する企業の、結果としての捜査非協力はどのような影響を打ち出すのだろうか?インターネットや技術の進化は、国という国境のボーダーを軽々と超えてしまい、グローバル企業ならではの悩みを抱えるようになるだろう。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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