道端ジェシカ・バトン夫妻の麻酔ガス強盗で想い出すあのソーシャル盗難事件
KNNポール神田です!
エアコンから麻酔ガスを送風されて、昏睡状態においての強盗。もしも、途中で目が冷めたりとか…。気づいて、目がさめたら、部屋が荒らされていたらと思うと。これはなんとも恐ろしい。セレブが高級品を身に付けているからこその犯罪かもしれない。このニュースを見て、セレブ狙いの犯罪を思いだした。映画にもなった「ブリングリング[BringRing]」だ。
映画「ブリングリング」ソフィア・コッポラ監督
2013年に公開された映画ソフィア・コッポラ監督の「ブリングリング」。パリス・ヒルトン宅などを襲ったセレブ専門のティーンネイジャー空き巣団の実録映画。彼らの犯行手口が、まさにネット時代の犯罪だった。映画では実際に犯罪にあったパリス・ヒルトン邸が撮影協力している。
- ネット上の掲示板で、セレブの住所を調べる
- GoogleMapで実際の場所を確認する
- Googleストリートビューで邸宅の構造を見て侵入経路を検討する
- セレブの外出時のtweetをSNSで確認する
- 自宅にいないことがわかると犯行に及ぶ
- セレブ宅での記念撮影や盗品をもってクラブで自慢する
金品ねらいでは、あるけれども換金目的だけではなく、セレブの気分に浸りたいという過度な欲求だった。しかもセレブのSNSをチェックして、自宅にいない瞬間を狙っていたとは…。まさか、Googleもtwitterもこんな犯罪に利用されるとは思ってはいなかっただろう。しかし、彼らに罪はない。クルマも電話も誘拐に使われることを前提には作られてはいない。あくまでも利用者側が悪用しようと思えば何でもできる。
ネット時代のセレブの代償
SNS時代のネットのおかげでセレブと呼ばれる人達は、マスコミやパパラッチにすっぱ抜かれるよりも、より自分たちに寄り添うファンのために日常生活を自ら「スクープ」するようになった。そして、ファンはその行動をオフィシャルな情報とセレブ直発信の情報とどちらも楽しめるようになった。その代償にプライバシーも犠牲になる。過剰なファンの行動によって、全体が犠牲になるのはAKBの握手事件なども同様だ。だから、SNSに限ったことではない。しかし、SNSでマニアックすぎるファンが、ストーカーになったり窃盗団になったりするようにもなりやすい環境になっていることも事実だろう。ネット時代のセレブは、自衛するためにも、セキュリティ面をフィジカルにも常にそなえておく必要があっただろう。
ちなみにAppleのティム・クックのセキュリティは警備費は年間8700万円だった。