卵子凍結女性社員に保険提供、アップルとフェイスブック

KNNポール神田です!

卵子凍結は、将来の出産に備えて卵子をあらかじめ採取して保存しておく技術。米国では2012年にもはや「実験的」な医療ではないと認められたが、がん治療で卵巣機能を失う恐れのある場合などを除き、一般に保険は適用されない。主要企業が健康な女性の卵子凍結を適用対象としたケースは、これが初めてとされる。

フェイスブックの保険では今年1月から、卵子凍結を含む妊娠医療が最大2万ドル(約214万円)までカバーされている。アップルも来年1月から適用を開始する予定だという。

凍結の費用は1サイクルにつき少なくとも1万ドルで、その後の保存に年間500ドル以上かかる。医師から20個以上の卵子を保存するよう勧められ、凍結を2サイクル実施するケースが多い。

卵子凍結によって、女性は出産をあきらめることなくキャリアを築くことができる。しかし一部には、女性に当面「子育てより仕事優先」という選択を強いることになると懸念する声もある。

出典:フェイスブックとアップル、卵子凍結に保険適用

アップルとフェイスブックは、福利厚生の一手段として、卵子凍結の保険適用にまで着手したようだ。

これは働きたい女性従業員にとっては、福音だろう。将来の妊娠に備えて若い頃の自分の卵子を保存し、妊娠したくなった時に体外受精で子宮に戻すことができるからだ。しかし、企業の倫理的にはどうなのだろうか?会社都合で妊娠をズラすことを奨励しているようにも見えかねない。

このサービスが適用されるかどうかの有無で、就職する企業も変わる時代がやってくるのだろうか?キャリアの高い女性ほど、生める時期の機会損失が大きいだけに、ニーズはあるのかも知れない。

そして、一番重要なのは、いつ出産するのかという時期を検討しなければならないことだろう。結婚もそうだろう。そのうちキャリアパスの成果データが揃ってくると、アルゴリズムで、出産時期を推薦してれくれるのかもしれない。受精時期に合わせて結婚相手をレコメンドしてくれるかもしれない。

そのうち、適正の会った相手だけを、自分のウォールに表示することも可能となるだろう。

すべてを時系列で同様にフラットに見せるツイッターとちがって、興味のある関係性のアルゴリズムによる友達の重みづけがなされたフェイスブック社会に、我々はすでに慣れ親しんできている。自分が興味のある人のポストだけが表示されるように調整されているからだ。これは、食べ物の好き嫌い化と同じように、情報の偏食化がフェイスブックで進んでいるとも言い換えることができる。

私達は、情報をフェイスブックに選んでもらった方が幸せなのか、苦労してでも自分で選択できる自由を残すツイッターのほうが良かったのか?それは、twitterが、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」を誰もが、感覚的に感じ取ることができる「方法序説」の演繹型社会を実現しているのに対し、フェイスブックはパスカルの「人間は考える葦である」に代表されるように個々は小さな葦であっても総合的には自然界が織りなす帰納型社会を実現している差にあらわれている。

卵子凍結や精子凍結は、自分の肉体的なDNAの賞味期限を延命できるテクノロジーだ。これはこれで素晴らしい。しかし、これからは、オーガニックで生まれたとか、試験管や代理母によるアーティフィシャルで生まれたとかの差も親子関係に影響してきそうだ。

テクノロジーの合理的な簡便性と、運命的な出会いを信じる神秘性との価値観が衝突したり差別・区別される社会にもなりそうだ。

1961年神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の編集とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。メディア出演、コンサル、取材、執筆依頼 などは 070 5589 3604 まで

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