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iPhone6 4.7インチ版は2014年8月、5.5インチor5.6インチ版は9月発売予定

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

https://developer.apple.com/wwdc/が近づいてくると、アップル周りが、毎年のことながら、忙しくなってくる。

ここ最近は、噂レベルではなく、リリースに近いような情報なので、このあたりの情報はウォッチしておいて損はない。しかし、早くすべてがリークされて、年々、つまらなくなる一方なのだが…。

米ロイターは、台湾の経済日報からの情報として、

  1. 「iPhone 6」を2014年8月に発売すると報じた。
  2. 2014年8月に発売になるのは4.7インチ版のiPhone 6 。どの国で最初に発売になるかは不明。
  3. 5.5インチ版もしくは5.6インチ版は2014年9月に発売になるという。
  4. 今年は8,000万台のiPhone 6 が製造される見通し。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140509-00000068-reut-bus_all

この4点の情報だ。

この4点を整理すると…

1.iPhone6が8月に登場

ということは、新OSの「iOS 8」も一ヶ月早く、登場となることだろう。このあたりは、WWDCで詳細が発表されデベロッパー(開発者)に渡されてからフィードバックを得る期間が、出荷までの2ヶ月弱という短い期間だ。大幅なアップデートがないからこそ実現できる期間だと思える。実際にインストールベースを考慮すると一ヶ月弱しかない。その後のアップデートで対応できるから、それほど大きな問題ではないだろう。かつてのWindowsXPでのSP3時代とはちがって、パッケージで配布する必要はない。

2.現行の工場ラインから作りやすい4.7インチ版

というのは妥当なところだろう。しかし、iPhone5Sからの、買い換えを喚起するものではなく、それ以前のiPhone4 や iPhone4Sユーザーからの買い替え需要が予測される。

だからこそ、すこしでも先行で発売し、メインのファブレットサイズの需要の混乱を緩和したいのであろう。

3.本命は9月に予定されているファブレット

ともいえるこの5.5インチor5.6インチ版だ。あくまでも仮定の話だが、既存の4.7インチで問題がなく、2年縛りが終わり、通常に使いたい買い替えユーザーと、最新機能を欲しがるユーザーとの混雑を分けたいからだと思う。

デザイン的には、iPhoneとiPad miniとの間というスティーブ・ジョブズが長年否定していたファブレットサイズであるが、現行のニーズを考えると、時代のマーケティングの声にアップルが答え始めたという傾向が見えている。市場のニーズを無視して唯我独尊的ニーズを発展させてきたアップルとしては、後出しジャンケン的なマーティング展開は残念なところでもある。それだけスマートフォンが第一次の成熟期を迎えている。次のブレイクするのはもしかすると、Xiaomi(小米科技)のような5.5インチを約16,300円(999元)で販売してしまう中国の新興企業なのかもしれない。

4.今年度は、8,000万台のiPhone6の出荷を予定している

ということは、Appleの第四四半期内(2014年7,8,9月)での出荷なので、売上高の期をまたぐ調整などではなく、純粋に生産量の調整のためと考えることができる。

今回のiPhone6の5.5インチor5.6インチ版の登場によって、ボクのように、Galaxy Note II(5.5インチ)やGalaxy Note III(5.7インチ)の大型化に流れていったユーザーもiPhoneへ回帰する可能性が高いだろう。

実際に、このサイズ感に慣れてしまうと、5インチ以下のスマホは、もう触りたいとは思えないのが実情だ。

とにかく、2014年9月の秋までは、スマートフォンの購買は様子見となってしまうことそのものが、アップルの巨大さでもあり、他の携帯メーカー陣営としては、長い長い冬となることだろう。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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