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ソーシャルメディアで、絶対にやってはいけない事。フォロワー水増し

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

参議院選挙が終わって終熄モードなのだが、ネット選挙でやはり気になる行動があった。

twitterやfacebookで、フォロワーを水増ししていく戦術だ。

自民党の比例区の某候補は、たったの17ツイートで、8フォロー。

しかし、9324フォロワーという数字でtwitterを運用していた。

フォロワーの大半は、トルコ。参議院選中のアクセス数の大半はイスタンブール経由だったという。

ソーシャルメディア上での票を、金で買ったような状況が目に浮かぶ…。

そのニュースを読んで、その候補のtwitterを見たところ、すでに削除され閉鎖されていた。

自分を少しでも大きく見せたい職業の人や、虚栄心のある人には、このようなお手軽なサービスは、まさに痒いところに手のとどくようなサービスなのだろう。

しかし、ソーシャルメディアの行動は、わかる人にはすべてお見通しな世界である。すべてが「可視化」されている世界と考えておいたほうがいい。

そして、絶対にやってはいけないことは、まずいことはすべて削除してしまうという姑息な対応だ。

起きてしまったことは仕方がないことだ。つい、出来心でアドバイスされた通り動いてしまったのかもしれない。それは、それで真摯な態度で謝罪すればいいまでだ。もしかすると、嫌がらせで誰かがフェイクのフォロワーを仕掛けたのかもしれない。

それらの説明がまったくないまま、単純に削除してしまう行動そのものが、みずからの政治生命さえも危機にさらしてしまっている。

ネット選挙解禁、ソーシャルメディアでは常に正直で真摯であることが求められている。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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