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ソーシャルメディアでのストレス発散は自殺行為

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

日常の不満に対して、ついついネガティブな発言をしたくなる時があるけれども、一歩考えて、ポジティブに変換しないと、どう考えてもおかしなことが起きてしまう。

そして、その発言は、ゆくゆくは、自分の首まで締めてしまう自殺行為にまで至るようになった。

ソーシャルメディアは、一時のストレス発散にもなるけれども、負のネガティブパワーは、まわりまわって自分に必ず振りかかる。しかも何倍にも倍増して振りかかるのだ。

たとえば、ネガティブで皮肉を含んだ発言は、自分の友達くらいまでは、面白がってくれる話題であっても、そこから先にいたっては、どのように独り歩きするかは予測しがたい。そして、自分の立場やポジションが明確になっていればいるほど、その発言の「一人歩き力」のパワーを増していく。

復興庁の幹部は、思わず、「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席」。これは知りあいからみると、痛快な自虐ネタかもしれない。

これが復興庁の幹部でなければよかったけれども、復興庁の中の人という人格の発言となれば問題だということは明確だ。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130613/crm13061309420001-n1.htm

大阪維新の市議は、陳情書をゴミ箱に捨てた写真とともに、「大半は市外からの扇動家が送り付けてきたデマだらけのメチャクチャなもの」

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130402/crm13040217380013-n1.htm

こちらも、個人として心情的には想像できるが、市議のやるべき行為ではないことは、素人でも判断できる。

ついつい、ソーシャルメディアが楽しめはじめた時期にこそ、こんな危険なツイートやエントリーを個人的にしてしまう。

しかし、常に必要なのは、

ソーシャルメディアというメディアの中では、「個人」は存在しない。誰もが、「公人」であるという意識なのである。

個人と自分の役職という立場のバランス感覚。

この感覚がそなわっていないと、ソーシャルメディアでのネガティブな発言やストレス発散は自殺行為となる。

どうしても、ガス抜きが必要であれば、それは実名ソーシャルではなく、匿名ソーシャルでおこなうべきだろう。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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