民主党の負の部分をそのまま継承する立憲民主党

衆院選が近づく中、各党とも積極的な情報発信を続けているようですが、個人的にちょっとびっくりする発言を目にしたので取り上げたいと思います。

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ここで、2009年からの民主党政権時代の雇用政策をおさらいしておきましょう。

彼らは「小泉政権が派遣労働を規制緩和した結果、格差が拡大した」をお題目のように唱えて政権交代し、公約通り一連の派遣事業に関する規制強化を打ち出しました(専門26業務適正化、30日以内の派遣禁止、労働契約見なし申し込み制度等)。

その結果、彼らの政権期間を通じて派遣労働者を40万人以上削減することに成功しましたが、増えるはずだった正社員も減少、増えたのは失業者とパート・アルバイトだけという、恐らく過去20年間で最悪の雇用政策となりました。

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ちなみに、この結果に対しては、厚労省の労働政策審議会の委員自身が「規制すれば無期雇用が増えるというのは机上の空論だった」と発言し、厚労省自身も報告書において以下のように総括しています。

制度創設時、常用代替を防止する趣旨は、「新規学卒者を常用雇用として雇い入れ、企業内でキャリア形成を図りつつ、昇進、昇格させるという我が国の雇用慣行との調和を図る必要」、すなわち正規雇用労働者の雇用を基本とする日本型雇用慣行を維持することにあった。しかし、近年、パートや契約社員を中心に非正規雇用労働者は増加を続けており、それにも関わらず派遣労働者のみを常用代替防止の対象とし続けることには十分な整合性はないと考えられる。

(今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書 2013)

ただし、上記のような“失政”で恩恵を被った人たちもいます。それは大手企業の正社員を中心とする連合です。派遣を規制することで置き換えを防ぎ、3年間という上限を強化することで「3年間だけ任せられるような簡単で付加価値の低い仕事」だけを派遣労働者に押し付けることができます。将来的に同一労働同一賃金法が成立したとしても「あの人たち派遣労働者と自分たち正社員はやっている仕事のレベルが違うから」と言えば自分たちの処遇は守られるわけです。

そういう意味では、連合は民主党最大の支持基盤でしたから、彼らからすれば失政ではなく、立派にスポンサーの既得権を守った成功体験と言えるのかもしれません。

当時の民主党政権主要メンバーが多く在籍する立憲民主党ですが、枝野代表の先の発言を見るに、彼らは今後も連合の顔を見ながらやっていくのでしょう。若い世代や非正規雇用労働者は(少なくとも雇用政策においては)同党に期待しても見返りはないでしょう。

※「残業代ゼロ法案」がフィクションであることは以下の記事を参照のこと

総選挙の今だから再考すべき「働き方改革」「残業代ゼロ法案」の本質

※図はH24就業構造基本調査より