今年2月に鳴り物入りで導入されたプレミアムフライデーですが、一部の大企業以外ではほとんど定着せず、早くも経団連側が見直しを表明しました。とはいえ、コケた理由をきちんと整理しておかないとまた同じ轍を踏むだけのことでしょう。というわけで、プレミアムフライデーがコケた理由と、正しい処方箋についてまとめておきましょう。

プレミアムに欠けていたもの

当たり前の話ですが「月末金曜日は15時に帰って遊びに行ってね♪」と言われても、その分の仕事量が減るわけではありません。また、遊ぶお金を誰かが払ってくれるわけでもありません。そのための時間とお金は自分の裁量で工夫して生み出すしかないのです。

具体的に言えば、前日木曜日にいつもより3時間ほど長く残業したり、いつもよりテキパキ働いて仕事を早く終わらせる。お金は買おうと思っていたDVDを諦めて捻出する・・・…etc

自分の裁量でそういう工夫をして時間と費用を捻出しないとはじまらないわけです。では、なぜそれが軌道に乗らなかったのか。理由はいつくかあります。

まず、日本企業の特徴として、そもそも個人の担当する業務範囲が曖昧であり、個人が裁量をふるいにくいという構造上の理由があります。これは担当業務で給料が決まる職務給ではなく、勤続年数や学歴で決める賃金制度に原因があります。

「早く終わっても別の仕事が降ってくる」とか「みんな残っている中で自分だけ帰りにくい」という人が日本企業には多いのは、この曖昧さが原因ですね。

また、時給管理されているため、仕事を早く終わらせると逆に給料が減ってしまうという点も大きいです。プレミアムフライデーそのものの出費に加え、残業が減ってしまうことによる収入減も覆いかぶさってくるわけです。

ただ、筆者はプレミアムフライデーが定着しなかった最大の理由は別にあると考えています。それは「そもそも多くの人にとって、月末の最終金曜日がプレミアムではなかったから」というものです。

そもそもプレミアムとはなにか

プレミアムというのは人によって千差万別です。もちろん、金曜日に速く帰って遊びにいくことがプレミアムだ、という人もいるでしょう。でも、月曜日の午前中寝ている方がプレミアムだ、という人もいるはずです。平日午後のドラマを見るのがプレミアムだという人もいるでしょう。要するに、偉い人から「月末金曜日を下々の者たちのプレミアムとする。感謝するように」と言われても、多くの人はピンと来ないわけです。

では、どうすべきか。結局のところ、少なくともホワイトカラーについては担当業務範囲を明確にし、残業代ではなく成果に対して支払うような仕組みを導入した上で「自分で頭使って効率的に働いて、空いた時間は皆さんの好きなことをやってください」と宣言するのが、迂遠なようで唯一の近道だということです。

そしてそれは働き方改革のゴールでもあります。プレミアム〇〇を議論するのは、働き方改革が実現してからでも遅くはないでしょう。