霞が関が強制されてもいないのにホワイトカラーエグゼンプションを勝手に導入しているわけ

民主党の山井議員が「残業代を無くせば生産性が上がるというなら、まずは公務員から無くしてみろ」と鬼の首でも取ったかのように威張っていて、筆者は思わず笑ってしまった。

霞が関の公務員はあらかじめ割り振られた予算分は残業代がつくけれどもそれを上回った分はサービス残業だ。中でも厚労省がもっとも長時間残業で有名で、若手なら月200時間はザラで、その大半がサービス残業だというのは有名な話である。

つまり、山井議員に言われなくたって、官僚はとっくに時給管理を外されているわけだ(ちなみに地方公務員は自治体、部署による)。

ひょっとすると、読者の中には「官僚は可哀想だ」と思った人もいるかもしれない。でも、現実には彼らはサービス残業のおかげでかなり楽になっているし、厚労省もすべて理解した上であえて公務員だけ労基法無視の治外法権状態にしているというのが筆者の意見だ。

仮に、コンプライアンスチェックの厳しい一部の大手企業のように、残業した分だけ青天井で残業代を払うよう官庁にも厳しく指導した場合。(当たり前だが人件費の上限は守らないといけないから)全職員の残業時間の実績と人件費総額を天秤にかけつつ、全員の残業代払ってもオーバーしないように、基本給や賞与をうんと低く抑えておくことになる。

ざっくりイメージ的には、

基本給を月30万、賞与一回70万円

もらっていた官僚が

基本給を月15万、賞与一回30万円、残業代20万円

になるようなものである。

こうなると「残業代いっぱい貰える」と喜ぶよりも「もはや残業しないと生きていけない」状態であり、時間じゃなくて成果が重要だとわかっている人だって残業せざるをえなくなる。筆者は実際にそうなってしまっている民間企業を数多く知っている。

そう考えると「君たちの残業代の予算は月20時間まで、それ以上はサビ残だから」と霞が関式ホワイトカラーエグゼンプションを立案、実行してくれている霞が関というのは、本当に労働者思いの優しい組織だと思う。あとは国会議員がしっかり協議して、行政機能マヒさせることが目的の無意味な質問を辞めるとか、国会期間中の待機を見直すだけで、霞が関は日本で一番ホワイトな職場に即日なれるのではないか。

逆に言えば、自分たちだけサービス残業を黙認してエグゼンプションのメリットを享受しつつ、民間企業のサビ残だけは摘発して長時間労働を慢性化させている厚労省というのは、正真正銘のブラック官庁である。

というわけで、民主党は、しょうもない揚げ足取りばかりやってないで、こういう素晴らしい仕組みを国民に啓発するような努力をしたらどうか。批判の声が大きいだけで対案の無い人間には、いつまでたっても大きな仕事は回ってこないものである。