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【NHL】ボストンブルーインズがファイナル進出! 8季ぶり7度目の優勝を狙うためにやったことは何?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
ボストンブルーインズ(Courtesy:@NHLBruins)

 NHLのチャンピオンを決めるプレーオフが、いよいよ佳境に差し掛かりました!

▼NHLのプレーオフは、どのように行われる?

 昨季からベガス ゴールデンナイツが加盟し、NHLは「31チーム」で争われるようになりました。

 各チームが82試合のレギュラーシーズンを戦い、イースタン、ウエスタンの両カンファレンスから、それぞれポイント(勝点)の多い上位8チームずつ「合計16チーム」がプレーオフへ進出。

 ベストオブ7(7回戦制。先に4勝すれば勝利)のシリーズで、カンファレンス クォーターファイナル(1stラウンド=CQF)から、二つのカンファレンスの王者が激突する「スタンレーカップ ファイナル」まで4つのラウンドを戦い、チャンピオンを決します。

▼東の覇者は「ボストン ブルーインズ」!

 ウエスタンに先駆けて、イースタンはカンファレンス ファイナル(CF=3rdラウンド)のシリーズが、昨夜の第4戦で決着。

 ボストン ブルーインズが、初戦から4連勝してカロライナ ハリケーンズを下し、スウィープ(一つも敗れることなくシリーズ勝利)で、イースタンの覇者に輝きました!(タイトル写真)

▼勝利の立役者は「フィンランドの顔」

 ボストンに敗れたカロライナは、CQFで、昨季の覇者 ワシントン キャピタルズに王手を掛けられたあと、第6戦、第7戦と連勝し、連覇の野望を打ち砕いたチーム。

 それだけに、プレーオフが進んでいくのにつれて、チーム力が高まり侮れない存在となっていました。

 しかし、そんなカロライナの勢いを止めたのが、ボストンのGK トゥッカ・ラスク(32歳/白#40)!

 「やられた!」と、思わずボストンのファンが目をつぶってしまいそうな大ピンチが、何度もありながら、再三再四のスーパーセーブでゴールを守り続けたラスクは、誰もが認める勝利の立役者。

 二つのラウンドを勝ち上がって来た力のあるチーム同士が相まみえるCFでは、歴代3位(=3試合以上出場したGKが対象)となるシュートセーブ率「9割6分5厘」を記録。

 ラスクは、6季前にもビッツバーグ ペンギンズとのCFで「9割8分5厘」という驚異的な活躍を披露。

 「オリンピック」や「ワールドカップ」でも祖国のゴールを守る ”フィンランドの顔” と言える守護神は、大舞台での勝負強さを披露して、誰もが認める勝利の立役者となりました。

▼スウィープ勝利は吉兆!?

 ラスクの活躍を追い風に、ボストンのファンの間では、8季ぶり7度目のスタンレーカップ獲得への期待が、日増しに高まっている様子。

 もっとも過去6回優勝したうちの「5回」は、スウィープを演じて勢いに乗り、スタンレーカップを手にしたとあって、ボストンのファンが期待を高めているもの、当然かもしれません。

 ところが、肝心のボストンの選手たちは、ちょっと違う模様です。

▼NHLの”習わし”を信じる? or 信じない?

 NHLのプレーオフでは、カンファレンスを勝ち上がったチームだけしか手にできないトロフィーもあり、ボストンが所属するイースタンの優勝チームには、「プリンス オブ ウェールズ トロフィー」が贈られます。

 ところが、古くから続いてきたNHLの”習わし”として、

「スタンレーカップを手にする前に、カンファレンスの優勝トロフィーを手にすると、スタンレーカップがとれなくなる」

と言い伝えられているのです。

 しかし、近年は気にすることなく、カンファレンス優勝チームへのカップにも触れるチームが、見られるようになってきました。

 その証拠に、昨季のアレックス・オベチキン(ワシントン キャピタルズのキャプテン)は、、、

 ウェールズトロフィーにしっかりタッチ。その前年のシドニー・クロスビー(ビッツバーグ ペンギンズ)も、気にすることなくタッチしていました。

▼近年の成果は1勝1敗

 ちなみにボストンは、どうだったかと言うと、、、

 トロフィーの授与に訪れたビル・ダリー副コミッショナー以外は、誰も触れずじまい。

 果たして、古くからNHLで伝え続けられてきた習わしを守ったボストンは、8季ぶり7度目の優勝を勝ち取ることができるのでしょうか?

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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