【NHL】GMの目利きがスタンレーカップの行方を決める! 今季の陰のプレーオフMVP候補は誰だ!?
昨年10月3日(現地時間)に開幕した今季のNHLは、レギュラーシーズンが終盤に差し掛かり、「トレードデッドライン」を迎えました!
▼トレードができるのは今日まで!
トレードデッドラインは、各チームがトレードを行うことができる最後の日。
NHLでは「レギュラーシーズン最終日の40日前の北米東部時間15時」と定められ、今季のトレードデッドラインは今日となります。(日本時間では26日午前5時)!
デッドラインが近づくと、チームの舵取り役を担うGMたちの動きが活発になりますが、その動きは180度異なります。
上位チームは、プレーオフを視野に入れ戦力補強に注力。
対して下位に低迷してしまっているチームは、来季以降を見据えて、主力選手と引き換えに、有望な若手選手やドラフト指名権を手に入れ、新しいチームの構築に注力していきます。
▼早々と売り手に回ったオタワセネターズ
既に今季も各チームの明暗が分かれていることから、”売り手”と”買い手”がクッキリ!
一例を挙げると、早々に売り手に回ったのが、オタワ セネターズ。
チームのキャプテンを務めていた攻撃型DFの エリック・カールソン(DF・28歳・現サンノゼ シャークス)を、開幕前にトレードした影響は大きく、今季は開幕から低迷。
そのため早々に白旗を上げて年明け以降は売り手に回り、昨季のチーム得点王 マット・ドゥシェーン(FW・28歳)を、コロンバス ブルージャケッツへトレード。
さらに、昨夜のホームゲームも、今季で契約満了となるマーク・ストーン(FW・26歳)、ミケル・ボッカー(FW・29歳)、コーディ・スィシー(DF・25歳)というレギュラー選手を出場させず、トレードが成立した際に、すぐさま新天地へ移れるよう待機をさせながら、他チームとの交渉を続けている模様です。
▼せっかくトレードで獲得したのに・・・
一方、ダラス スターズは、3季ぶりのプレーオフ進出を狙うべく、ニューヨーク レンジャーズから、ノルウェー生まれの マッツ・ズッカレーロ(FW・31歳)をトレードで獲得。
全31チーム中「29位」に低迷する得点力不足解消へ、カンフル剤を打ちました。
ジム・ニールGM(60歳)の期待に応え、ズッカレーロは昨日の移籍初戦で、いきなりゴールをゲット(白#36)!
ところが、その後のプレーで、相手チームの放ったシュートをブロックしようとして腕を骨折した模様。
戦線離脱を強いられることになってしまいました。
▼GMの目利きがスタンレーカップの行方を決める!
「プレー中のケガ」という予測できない要素もある中で、各チームのGMは、プレーオフを勝ち上がるための強化を、進めなくてはなりません。
しかも、NHLにはサラリーキャップ(=チーム年俸総額上限)があり、名だたる大物選手を掻き集めればOKというわけには、いかないのです。
その中で、昨季のチャンピオンに輝いたワシントン キャピタルズの ブライアン・マクレランGMは、1年前のデッドラインが近づく中、一人のディフェンスマンを、トレードで獲得しました。
マイケル・ケンプニー(DF・28歳/タイトル写真)です。
▼無名のチェコ人DF
チェコ出身のケンプニーは、祖国のトップリーグをはじめ、隣国のスロバキアやKHLでキャリアを積み重ねてきたDF。
ワールドカップや世界選手権の代表としてもプレーしたキャリアの持ち主ですが、プレーに派手さはなく、文字どおり「ディフェンシブなDF」という言葉が当てはまる選手です。
2016年のオフに、シカゴ ブラックホークスのヨーロピアン担当スカウトの進言で1年契約に至り、北米へやってきました。
しかし、ヨーロッパとは異なるリンクサイズや、プレースタイルが影響してか、シカゴではレギュラーポジションを勝ち取れず、ヘルシースクラッチ(故障ではないのに欠場させられる)になることも・・・。
▼埋もれていたDFに白羽の矢!
ところが、そんなケンプニーを見逃さなかったのが、マクレランGM。
攻撃力も高いワシントンのトップDFジョン・カールソン(29歳)のパートナー(=アイスホッケーのDFは通常二人一組となってプレーする)として、ケンプニーをトレードで獲得。
それも、主力選手や若手の有望株を手放すことなく、ドラフト3巡目の指名権との交換でトレードを成立させたのです。
▼陰のプレーオフMVP
ケンプニーは、レギュラーシーズンで22試合に出場(シカゴでは開幕から4か月半で31試合)し、バリー・トロツ ヘッドコーチ(当時)の信頼を勝ち取り、プレーオフでは全24試合に出場。
相手チームの主力選手と常に対峙する重要な役割を任された中で、自らのプレー時の得失点差は「プラス1」と役割を全う。
”初優勝の立役者”として、「陰のプレーオフMVP」との声も聞かれたほどの働きで、スタンレーカップを手にしたのです!
▼「陰のプレーオフMVP」は誰だ?
近年のNHLのチャンピオンチームを振り返ると、ケンプニーのような選手が必ず存在しています。
2015年:キモ・ティモネン(当時40歳)
フィラデルフィア フライヤーズでは出場なし→ドラフト2巡目&4巡目指名権と交換
シカゴ ブラックホークスでレギュシーズン(RS)16試合+プレーオフ(PO)18試合出場
2017年:ロン・ヘインジー(当時35歳)
カロライナ ハリケーンズでRS56試合出場→ピッツバーグでPO全25試合出場
そして、
2018年:マイケル・ケンプニー (当時27歳)
このように、他チームで脚光を浴びることがなかった選手を獲得した”GMの目利き”が、チームをスタンレーカップへ導いたのです!
果たして、どのチームのGMが隠れた好選手を見出すのか?
そして、スタンレーカップは、どのチームが手にするのか?
今季もGMの目利きが、スタンレーカップの行方を決めることになりそうです。