【NHL】GMの目利きがスタンレーカップの行方を決める! 今季の陰のプレーオフMVP候補は誰だ!?

昨年2月にシカゴからトレードされ、ワシントンの優勝に貢献したマイケル・ケンプニー(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年10月3日(現地時間)に開幕した今季のNHLは、レギュラーシーズンが終盤に差し掛かり、「トレードデッドライン」を迎えました!

▼トレードができるのは今日まで!

 トレードデッドラインは、各チームがトレードを行うことができる最後の日。

 NHLでは「レギュラーシーズン最終日の40日前の北米東部時間15時」と定められ、今季のトレードデッドラインは今日となります。(日本時間では26日午前5時)!

 デッドラインが近づくと、チームの舵取り役を担うGMたちの動きが活発になりますが、その動きは180度異なります。

 上位チームは、プレーオフを視野に入れ戦力補強に注力。

 対して下位に低迷してしまっているチームは、来季以降を見据えて、主力選手と引き換えに、有望な若手選手やドラフト指名権を手に入れ、新しいチームの構築に注力していきます。

▼早々と売り手に回ったオタワセネターズ

 既に今季も各チームの明暗が分かれていることから、”売り手”と”買い手”がクッキリ!

 一例を挙げると、早々に売り手に回ったのが、オタワ セネターズ

 チームのキャプテンを務めていた攻撃型DFの エリック・カールソン(DF・28歳・現サンノゼ シャークス)を、開幕前にトレードした影響は大きく、今季は開幕から低迷。

 そのため早々に白旗を上げて年明け以降は売り手に回り、昨季のチーム得点王 マット・ドゥシェーン(FW・28歳)を、コロンバス ブルージャケッツトレード

 さらに、昨夜のホームゲームも、今季で契約満了となるマーク・ストーン(FW・26歳)、ミケル・ボッカー(FW・29歳)、コーディ・スィシー(DF・25歳)というレギュラー選手を出場させず、トレードが成立した際に、すぐさま新天地へ移れるよう待機をさせながら、他チームとの交渉を続けている模様です。

▼せっかくトレードで獲得したのに・・・

 一方、ダラス スターズは、3季ぶりのプレーオフ進出を狙うべく、ニューヨーク レンジャーズから、ノルウェー生まれの マッツ・ズッカレーロ(FW・31歳)をトレードで獲得。

 全31チーム中「29位」に低迷する得点力不足解消へ、カンフル剤を打ちました。

 ジム・ニールGM(60歳)の期待に応え、ズッカレーロは昨日の移籍初戦で、いきなりゴールをゲット(白#36)!

 ところが、その後のプレーで、相手チームの放ったシュートをブロックしようとして腕を骨折した模様

 戦線離脱を強いられることになってしまいました。

▼GMの目利きがスタンレーカップの行方を決める!

 「プレー中のケガ」という予測できない要素もある中で、各チームのGMは、プレーオフを勝ち上がるための強化を、進めなくてはなりません。

 しかも、NHLにはサラリーキャップ(=チーム年俸総額上限)があり、名だたる大物選手を掻き集めればOKというわけには、いかないのです。

 その中で、昨季のチャンピオンに輝いたワシントン キャピタルズの ブライアン・マクレランGMは、1年前のデッドラインが近づく中、一人のディフェンスマンを、トレードで獲得しました。

 マイケル・ケンプニー(DF・28歳/タイトル写真)です。

▼無名のチェコ人DF

 チェコ出身のケンプニーは、祖国のトップリーグをはじめ、隣国のスロバキアやKHLでキャリアを積み重ねてきたDF。

 

 ワールドカップや世界選手権の代表としてもプレーしたキャリアの持ち主ですが、プレーに派手さはなく、文字どおり「ディフェンシブなDF」という言葉が当てはまる選手です。

 2016年のオフに、シカゴ ブラックホークスのヨーロピアン担当スカウトの進言で1年契約に至り、北米へやってきました。

 しかし、ヨーロッパとは異なるリンクサイズや、プレースタイルが影響してか、シカゴではレギュラーポジションを勝ち取れず、ヘルシースクラッチ(故障ではないのに欠場させられる)になることも・・・。

▼埋もれていたDFに白羽の矢!

 ところが、そんなケンプニーを見逃さなかったのが、マクレランGM。

 攻撃力も高いワシントンのトップDFジョン・カールソン(29歳)のパートナー(=アイスホッケーのDFは通常二人一組となってプレーする)として、ケンプニーをトレードで獲得。

 それも、主力選手や若手の有望株を手放すことなく、ドラフト3巡目の指名権との交換でトレードを成立させたのです。

▼陰のプレーオフMVP

 ケンプニーは、レギュラーシーズンで22試合に出場(シカゴでは開幕から4か月半で31試合)し、バリー・トロツ ヘッドコーチ(当時)の信頼を勝ち取り、プレーオフでは全24試合に出場。

 相手チームの主力選手と常に対峙する重要な役割を任された中で、自らのプレー時の得失点差は「プラス1」と役割を全う。

 ”初優勝の立役者”として、「陰のプレーオフMVP」との声も聞かれたほどの働きで、スタンレーカップを手にしたのです!

スタンレーカップを携えて祖国に戻り父親に祝杯をプレゼントしたケンプニー(Courtesy:@keeperofthecup)
スタンレーカップを携えて祖国に戻り父親に祝杯をプレゼントしたケンプニー(Courtesy:@keeperofthecup)

▼「陰のプレーオフMVP」は誰だ?

 近年のNHLのチャンピオンチームを振り返ると、ケンプニーのような選手が必ず存在しています。

2015年:キモ・ティモネン(当時40歳)

フィラデルフィア フライヤーズでは出場なし→ドラフト2巡目&4巡目指名権と交換

シカゴ ブラックホークスでレギュシーズン(RS)16試合+プレーオフ(PO)18試合出場

2016年:ジャスティン・シュルツ(当時25歳)

エドモントン オイラーズで45試合出場→ドラフト3巡目と交換

ピッツバーグ ペンギンズでRS18試合+PO15試合出場

2017年:ロン・ヘインジー(当時35歳)

カロライナ ハリケーンズでRS56試合出場→ピッツバーグでPO全25試合出場

そして、

2018年:マイケル・ケンプニー (当時27歳)

 このように、他チームで脚光を浴びることがなかった選手を獲得した”GMの目利き”が、チームをスタンレーカップへ導いたのです!

 果たして、どのチームのGMが隠れた好選手を見出すのか?

 そして、スタンレーカップは、どのチームが手にするのか?

 今季もGMの目利きが、スタンレーカップの行方を決めることになりそうです。