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【NHL】ドラフト1位指名の日系人ヤマモト。格下のジュニアリーグに降格して大人気!しかし成績は・・・

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
ドラフト1位指名カイラー・ヤマモト(Courtesy:@DLCoulisses)

 今年6月の「NHLドラフト」で、エドモントンオイラーズから1巡目(全体22位)指名された日系人FWのカイラー・ヤマモト(19歳)。

 チーム内の競争を勝ち抜き、開幕戦でNHLデビューを飾ったものの、目立った活躍をすることができず、NHLチームのルーキー選手との契約規定との兼ね合いもあり、今月6日(現地時間)にジュニアリーグのチームへ降格となりました。

※降格になってしまった経緯などについては、

の記事をご覧ください。

▼昨季までプレーしていたジュニアチームへ

 「NHLから降格」と聞くと、メジャーリーグから3A(トリプルエー)のように、アフィリエイトのマイナーチームが加盟している一つ下のリーグAHL(アメリカンホッケーリーグ)への降格を思い浮かべる方も多いのでは?

 しかし、19歳のヤマモトは、まだジュニア資格があることから、ドラフト指名時に所属していたジュニアリーグ(WHL=ウエスタンホッケーリーグ)のスポケーンチーフスへ戻ることになりました。

▼私たちのヒーローが戻ってきた!

 ジュニアリーグのほとんどのチームは、NHLのような大きなマーケットをホームタウンとしているわけではないため、ジュニアの選手と言っても、高い人気と注目度を誇ります。

 しかもヤマモトは、ドラフト1巡目指名で、昨季のMVPも在籍している人気チームのエドモントンでプレーしていた選手だけに大人気!

 NHLから降格通告を受けたヤマモトの心中は二の次にして(苦笑)、スポケーンの地元ファンにとっては、「私たちのヒーローが戻ってきた!!」と、大喜び。

 スポケーンのチームも、オフィシャルツイッターで大歓迎をしました。

▼推しメンはヤマモト!!

 再びチームに戻ってきてからも、スポケーンは”ヤマモト推し”でプロモーションを展開。

 ホームゲームのチケットセールスの顔に起用したのはもちろん、、、

 チームへの関心をアップさせるために、ファンからの質問を大募集して、

 ヤマモト自身に答えさせたり、、、

 といったように、推しメン・ヤマモトを前面に打ち出して、プロモーションを繰り広げています。

▼予想外の出来事が!

 しかし、万事がスポケーンの思惑どおりとは、いかなかったようです。

 チームのスタッフも、そしておそらくヤマモト自身にとっても、予想外の出来事が!

 どのような出来事かと言うと、、、

ヤマモトの成績が振るわないのです!

 エドモントンにドラフト指名されてから出場したジュニアの国際大会や、エドモントンの若手選手のキャンプでの試合では、ヤマモトが結果を残して、大いにアピールをしていました。

 ところが、NHLやジュニア代表よりも格下と言えるジュニアリーグに戻ってからのヤマモトは、降格後の最初の試合(対レスブリッジハリケーンズ戦)で4ポイント(1ゴール3アシスト)と、格の違いを見せつけたのですが、その後は3試合に出場して、ポイントなし・・・。

 ヤマモトの不振が響いて、一昨日の試合(対ビクトリアロイヤルズ戦)では、相手チームのバックアップ(控えの二番手)GKに完封負けを喫してしまいました。

 昨夜のホームゲーム(対プリンスアルバータロイヤルズ戦)こそ、アシストを1つ記録したものの、大きな期待に応えているとは言い難い結果が続いています。

▼大活躍をして再びNHLのステージへ戻る日は!?

 スポケーンはディビジョン3位と、まずまずの順位ながら、昨季は最下位に低迷した分、ファンの今季への期待は、かなり大きい模様。

 それだけに、ヤマモトの活躍でスポケーンのファンを沸かせられるのか!?

 そして、大活躍をして再びNHLのステージへ戻る日は、いつになるのか!?

 あどけなさも残る19歳の日系人ヤマモトには、これからも大きな注目が集まりそうです。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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