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【KHL】今夜10年目のシーズンが開幕!今季も大本命の「ロシアの三強」は守護神が命運を握っている!!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
昨季のKHLのプレーオフMVPとベストGKに選ばれたワシリー・コシェチキン(写真:ロイター/アフロ)

 旧ソビエト時代から続いたスーパーリーグを発展解消する形で、2008年9月2日(現地時間)に最初の試合が行われたKHLは、今夜10年目のシーズンが開幕。

 節目の年の幕開けを飾るサンクトペテルブルグでのオープニングゲームを皮切りに、レギュラーシーズンがスタートしますが、今季は「ピョンチャン オリンピック」のシーズン。

 現役選手の参加を認めなかったNHLとは異なり、1月29日から2月25日までは試合を開催しない「オリンピックブレイク」を設定し、各国の代表選手たちの出場をサポート。

 そのため各チームは、昨季より4試合少ない56試合のレギュラーシーズンに臨みます。

▼オリンピック終了後にも激しい戦い

 昨季終了後に当サイトで紹介したとおり、運営面や資金面などの問題を多く抱えている2チームが、KHLから脱退

 一方、負債を抱え多くの選手がチームを離れたディナモ モスクワは新たな選手と契約し、戦力ダウンが見込まれるものの参戦が確定し、今季のKHLは27チームで争われます。

 レギュラーシーズンの日程で見逃せないのは、オリンピックブレイク終了後にも試合が予定されていること。

 昨季も最終日までプレーオフ進出争いが繰り広げられただけに、今季も最後の最後まで混戦が続くのは必至。

 それだけに、多くのファンがオリンピックブレイク期間中も、応援するチームのプレーオフ進出を期待して、レギュラーシーズンの再開を心待ちにするはず。

 オリンピックブレイク後に組まれているのは、全部で26試合だけですが、生き残りを懸けた激しい試合が繰り広げられるのは確実とあって、ファンは3月はじめまで一喜一憂しそうです。

▼今季も三強が優勝を争う

 オリンピックブレイクを挟む変則的なシーズンとなりますが、各チームの戦力を比較すると、

スカ サンクトペテルブルグ(2015年、昨季のプレーオフ制覇)

メタルーグ マグニトゴルスク(2014年、2016年プレーオフ制覇)

チェスカ モスクワ(3年連続レギュラーシーズン1位)

という顔ぶれが優勝争いの中心になるのは、ほぼ確実な様子。

 近年の戦いで強さを発揮して、「三強」と呼んても過言ではない この3チームは、ガガーリンカップ(=KHLの優勝トロフィー)に最も近い位置にいると言えるでしょう。

▼屈指の守護神が揃う

 さらに加えて、この3チームのメインGKに注目すると、まず連覇を狙うサンクトペテルブルグには、身長2メートルの超大型ゴーリー ミッコ・コスキネン(29歳)

 そのスカに昨季のファイナルで敗れたマグニトゴルスクには、レギュラーシーズンのベストGKに加え、準優勝に終わりながらプレーオフMVPに選出された ワシリー・コシェチキン(34歳)

 そしてチェスカにも、NHLチームからもドラフト3巡目で指名され、若手ナンバーワンGKと評される イリヤ・ソロキン(22歳)

 このように、三強にはKHL屈指の守護神が揃うだけに、今季も上位を争うのが確実視されます。

▼1点の重みはNHLを上回る

 昨季の1試合(レギュラーシーズンでの1チーム)あたりの平均得点を見ると、NHLの 「2.77点」 に対して、KHL は「2.47点」

 KHLの方がリンクサイズも広く、粗い試合展開が目立つ印象を抱いている方もいらっしゃるかもしれませんが、1点の重みはNHLを上回ります。

 それだけに、三強を含めた「KHL各チームの命運は守護神が握っている」と言えそうです。

筆者より~読者の方よりご指摘をいただき、一部表記を修正しました。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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