紙カップ×鶏白湯×極太麺 「一風堂」が仕掛けた新たなラーメンの在り方とは?

黒帯(KURO-OBI) ※左は筆者撮影、右は一風堂提供

RAYARD MIYASHITA PARK(レイヤードミヤシタパーク) ※筆者撮影
RAYARD MIYASHITA PARK(レイヤードミヤシタパーク) ※筆者撮影

東京・渋谷の宮下公園がリニューアルし、商業施設とホテルと公園が一体となった「MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)」が7月28日(火)より順次オープンしている。その目玉となる新商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK(レイヤードミヤシタパーク)」内に各飲食店が8月4日(火)にオープンした。

South3F 「フードホール」内にオープンした「黒帯(KURO-OBI)」 ※筆者撮影
South3F 「フードホール」内にオープンした「黒帯(KURO-OBI)」 ※筆者撮影

South3Fの「フードホール」内には「一風堂」のスピンオフブランド「黒帯(KURO-OBI)」が日本初オープン。

「一風堂」は福岡・博多で1985年に創業した博多豚骨ラーメンの人気チェーンだが、「黒帯(KURO-OBI)」はその「一風堂」がアメリカ・ニューヨークで誕生させた“鶏白湯”のラーメンブランド。現在はアメリカで6店舗、シンガポールで1店舗を展開している。

博多豚骨の代名詞である「一風堂」が手掛ける唯一の鶏白湯ブランドとして注目を集めるお店だ。

このラーメン、何より提供方法が独特だ。

紙カップで提供される ※筆者撮影
紙カップで提供される ※筆者撮影

陶器の丼を使わず、“紙カップ”で提供されるのである。新型コロナウイルス感染拡大が心配される中、使い捨て容器を使うのはニーズに合っていそうだが、「一風堂」はコロナに合わせて紙カップを準備したわけではない。実は従来からニューヨークでもこの紙カップで提供しているのである。

今回の「黒帯(KURO-OBI)」の出店はニューヨークのスタイルをそのまま逆輸入している。

アメリカではラーメンを店内で食べるだけでなく、テイクアウトする客も多い。そう、テイクアウトのニーズに合わせて紙カップを採用しているのである。

写真が看板メニューである「黒帯(くろおび)」

看板メニュー「黒帯(くろおび)」 ※一風堂提供
看板メニュー「黒帯(くろおび)」 ※一風堂提供

クリーミーでまろやかな濃厚鶏白湯スープに、ガーリックとブラックペッパーの効いた香油を合わせる。

具は鶏チャーシュー、煮卵、ネギ、フライドオニオンチップ。

これが非常に美味しい。香油の効かせ方は九州の熊本ラーメンなどにも通ずるアプローチで、「一風堂」の豚骨ラーメンの顔も見え隠れする。一般的な鶏白湯ラーメンとは一線を画する味わいだ。

見た目以上に強めでパンチの効いたスープに合わせるのは極太のちぢれ麺だ。

極太ちぢれ麺がスープによく絡む ※筆者撮影
極太ちぢれ麺がスープによく絡む ※筆者撮影

これが濃厚なスープによく絡んでとても美味しい。モチモチと噛み応えもあり、食べた時の満足感も大きい。「一風堂」で出している通常の極細ストレート麺とは全く違うアプローチに驚いたが、これにも秘密があった。

テイクアウトに合わせて“伸びにくい”極太麺を開発したのである。

茹で時間の短い細麺のラーメンをテイクアウトすると、持ち運んでいる間に当然麺が伸びてしまう。

しかし、極太麺ならば多少の持ち歩き時間には耐えられる。「一風堂」はこれをさらに伸びにくいように改良し、完成させたのである。

紙カップのままテイクアウトできる ※一風堂提供
紙カップのままテイクアウトできる ※一風堂提供

もともとはニューヨーカーがオフィスや公園でラーメンが食べられるようにと開発された「黒帯(KURO-OBI)」のラーメン。図らずもコロナ禍で外食に対する意識が変わり、テイクアウトニーズは世界的に高まっている。

「黒帯(KURO-OBI)」の取り組みは今後のラーメン店のテイクアウト対策の参考になるだろう。