国連は9月29日を「食料ロスと廃棄に関する啓発の国際デー」に制定 日本でも記念イベント開催

9月29日が食品ロスと廃棄物の日(European Commission HP)

国連総会は、9月29日を「食料ロスと廃棄に関する啓発の国際デー(International Day of Awareness of Food Loss and Waste: IDAFLW)」と定めた。

参考:

国際デー(国際連合広報センター)

目的は、あらゆるレベルで、食料廃棄の問題の重要性と、その解決策に対する認識を高め、SDGs(持続可能な開発目標)12.3(小売・消費レベルでの食料廃棄半減)の達成に向けた、世界的な取り組みと行動を促進することである。

欧州委員会(European Commission、略称:EC)は、この取り組みを歓迎し、国連食糧農業機関(FAO)をはじめとする関連機関とともに、食料のロスと廃棄物に対する行動を世界に呼びかける。食料のロスと廃棄物の削減は、環境によい食料システムのための、EUの「Farm to Fork戦略」の重要な取り組みである。2023年までに、EU全体で、食品廃棄物を削減するための、法的拘束力のある目標設定を提案している。

日本でも、2020年9月29日19時より2020.9.29 国際フードロス削減デー制定記念シンポジウム「食品ロスを減らすには?」が開催される(9月28日夜まで受付)。

欧州では、各国で、さまざまなイベントが開催される。ここでは、ヨーロッパから届いた情報の一部の概略を紹介したい。細かい情報を知っていただくのが目的というより、食品ロスを減らすために、欧州ではこれだけ多くの国が総力をあげてこの問題に取り組むのだということを知っていただくのが目的である。拙い訳であるが、ご理解いただき、ご寛容賜れれば幸いである。

第1回 食料ロスと廃棄に関する啓発の国際デーの開催

2019年末に国連総会と国連食糧農業機関(FAO)で承認された「食料ロスと廃棄に関する啓発の国際デー」の第1回の祝賀会が、2020年9月29日に開催される。食料ロスと廃棄物に関する世界のトップ専門家が一堂に会し、この喫緊の課題について議論するバーチャルイベント(16:00 CET、日本時間2020年9月30日夜中0時)をFAOが開催する。このイベントでは、食品ロスと廃棄物の問題を食い止めるために、公的機関(国や地方自治体)と民間セクター(企業や個人)の両方が、イノベーションと技術を駆使して活用し、スケールアップするための行動を呼びかける。

デンマークでは「無駄をやめよう」キャンペーン

デンマークでは「無駄をやめよう」キャンペーンが開催される。セレブリティ・シェフでインフルエンサーのPernille Morthensen(パーニーリ・モーセンセン)氏のビデオキャンペーン、デンマークのマリー王女も参加した、食品の無駄防止運動の創始者であるSelina Juul(セリーナ・ユール)氏の料理本「Food With Respect」から、食品の無駄を防ぐヒントを提供する。フレデリクスベリ市、デンマークのレストラン&カフェ協会(DRC)、小売チェーン「REMA 1000」、外食・ケータリング会社「Jespers Torvekokken」との食品廃棄物反対キャンペーン、学校や高校、デンマーク国立図書館での教育キャンペーン、新聞での食品廃棄物に関する記事など。

セリーナ・ユールのキャンペーンフェイスブックページ

スウェーデンではソーシャルメディアで消費者啓発キャンペーン

スウェーデンでは消費者啓発キャンペーンを開催する。家庭で発生する食品ロスについて、消費者の意識を高めて行動を変えることを目的としている。IDAFLWでは、オンラインツールも公開され、食品ロスを減らす方法について、消費者にフィードバックする。その他の関係者には、利用可能な資料を共有したり、食品ロスを減らすための用語辞典、#svinnsikt(スィンスィクト)を使用したりするよう呼びかける。

Svinniskaは、食品ロスを減らすための消費者の行動についての新しい言葉を収録している。

この辞書には、食品の買い物を計画し、準備し、保管し、消費する際の望ましい行動を表す新しい言葉が詰まっている。たとえば、食品を見て、嗅いで、味わって、長持ちさせることを意味する「Best bef-sore-snoozing」という言葉は、自分の感覚を信じることである。食品会社や組織は、独自のキャンペーンやコミュニケーションの取り組みを通じて、このコンセプトを広めることもできる。

オランダでは消費者啓発キャンペーン

オランダの農業・自然・食品品質省は、消費者向けに、「消費期限」と「賞味期限」の違いについてのコミュニケーションキャンペーンを実施する。

オランダのワーゲニンゲン大学&リサーチがオンラインセッション

オランダのワーゲニンゲン大学&リサーチは、Samen Tegen Voedselverspilling(食品廃棄物フリー・ユナイテッド)とオランダ農業・自然・食品品質省と共同で、2020年9月29日に、オンライン・インパクト・セッションを開催予定。食品廃棄防止プログラム、食品ロス・廃棄物週間イニシアチブ(9月1日~7日)の進捗状況と、トップ10の対策を実施するための戦略に関する内容。

ベルギーでは消費者啓発キャンペーン

フランドル地方の政府と民間企業の代表者で構成されるフランドル地方の団体Vlacoは、家庭を対象とした意識向上キャンペーンを実施している。このキャンペーンでは、家庭での生ごみ発生を防ぐための簡単な7つのヒントを紹介するモーショングラフィックと、生ごみに関するソーシャルメディアのクイズが用意されており、当選者にはプレゼントが用意されている。

ベルギー F2000 アントワープ

ベルギーのアントワープでは、地元のレストラン10店舗が、余った食材を使って美味しい食事を作り、市民や学校に配ることで、食品廃棄物対策に取り組んでいる。2020年9月29日に開催されるオンライン「食品廃棄物クイズ」の取り組みは、楽しみながら食品廃棄物問題への意識を高めるのが目的。キャンペーンは、地元のレストラン、地元の食品再分配プラットフォーム「ODCアントワープ」、リコルトの協力のもと、FoodWINが実施している。

ベルギー「Feeding The 2000」サイトより
ベルギー「Feeding The 2000」サイトより

ベルギー・フランダース Oostkamp市が食品ロス削減ワークショップ開催

2020年9月28日、Oostkamp市とFoodWINは、地域の食品廃棄物対策のアクションプランを作成することを目的としたワークショップを開催する。参加者は、食品サプライチェーンのセクターごとに食品廃棄物の量を推定し、地域における既存の取り組みをマッピングするとともに、食品廃棄物に対する新たなアクションのためのアイデアを議論する。

フランス 病院における食品ロス防止に関するウェビナー開催

このウェビナーは、2020年9月29日(16:00 CET、日本時間で2020年9月30日夜中の0時)にフランス語で開催され、健康的で持続可能な食の取り組みを実施し、2025年までに食品廃棄物を50%削減するというフランスの国家目標に貢献するための課題に焦点を当てる。講演者は、フランスの病院における食品廃棄の防止と削減に向けた取り組みを発表する予定。

ドイツ 全国行動週間「ドイツは食料を節約する」

第1回食品廃棄物対策全国行動週間(2020年9月22~29日)は、ドイツ連邦食糧農業省と連邦各州の省庁が主導している。これまでに計画されたイベントの詳細や概要については、同イニシアチブの専用ウェブサイトを参照ください。

アイルランドのソーシャルメディアキャンペーン

アイルランド環境保護庁のネットワーク、ストップ・フード・ウェイスト(SFW)のソーシャルメディアアカウント(Facebook、Instagram、Twitter)、その他の関係者のソーシャルメディアを通じて、アイルランド国内でIDAFLWとそのメッセージを宣伝していく予定。キャンペーンでは、9月上旬に実施された全国代表調査から、食品廃棄物に対するアイルランド市民の態度に関する新情報を発表する。SFWのInstagramアカウントでは、食品の無駄を防ぐ方法に関する世論調査を実施する予定。

スロベニア「フードサプライチェーンにおける食品ロスと廃棄物の削減に向けた協力に関する声明」の発表

スロベニア当局は、2020年9月29日、食品ロスと食品廃棄物を減らすためのスロベニア国家戦略のイベントを開催する。サプライチェーンの関係者を招待し、食品ロスと食品廃棄物の削減におけるEU「Farm to Fork」戦略を支持する意向表明書に署名する。SDGs目標12.3(食品廃棄物管理の階層の尊重)の達成を公約する。

ルーマニア農業農村開発省・教育省

食品ロス削減キャンペーンは、2020年9月22~29日まで実施される。大学入学前の学生を対象とし、2019年にFAOが発表した情報(「Do good- Save food!未来の世代を教育して廃棄物ゼロの世界を目指そう!」)に基づいて実施される。

リトアニア

6カ国、6つのNGOのコンソーシアムのパートナーである「リトアニア消費者協会」は、第1回IDAFLWを記念して、2020年9月25日から10月2日まで、一週間の取り組みを企画している。この一週間、食関係のブロガーによる「ムダのない食の下ごしらえラボ」(Cook your way towards global awareness)、食品廃棄物に関するポッドキャスト、学校の先生を対象とした食品廃棄物の世界的な影響に関するトレーニングセッション、オンラインコンテスト「Ideas for a waste-free tomorrow(ムダのない明日のためのアイデア)」など、多くの活動やイベントが予定されている。

ギリシャで「食品廃棄物削減のための同盟」が正式に発足

ボロムは、アライアンスの事務局/コーディネーターとして、2020年9月29日に開催される「食品廃棄物削減のためのアライアンス」の正式な立ち上げを企画している。同盟の発足を記念して、一連のコミュニケーション活動が予定されている(例:情報リーフレット、プレスリリースなど)。同盟には、フードサプライチェーン全体の公的機関、専門家、企業、市民社会組織、学術・研究コミュニティなどの主要なステークホルダーが参加している。

FAO ブリュッセル

ベルギー・ブリュッセルのFAO連絡事務所は、2020年9月29日(10:30~12:00 CET、日本時間で9月29日18:30~20時)にバーチャルイベントを開催する。講演者と聴衆が、インフラや物流への投資から、科学や革新的な方法論の活用まで、食料のロスや廃棄物に関連した課題と解決策について議論する。

ヨーロッパ・フードバンク連合

2020年9月29日に開催される双方向のバーチャルイベント。主にヨーロッパのフードバンクが関係しているが、公的機関や民間企業、NPOも招待されている。

以上、ざっとご紹介した。

日本では、宴会の食べ残しをなくす運動「30・10(さんまるいちまる)」から由来して、それをひっくり返した「10月30日」が「食品ロス削減の日」となっている。だが、国連が9月29日を食品ロスの啓発デーに定めたからには、2021年からは、9月29日に統一し、この日にイベントを開催することにしてはどうだろう。10月は、国連の定めた「世界食料デー(10月16日)」もある。

参考情報

International Day of Awareness of Food Loss and Waste (European Commission)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン(株)、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。「食品ロス削減推進法」成立に協力した。食品ロス削減を目指す、政府・企業・国際機関・研究機関のリーダーによる世界的連合Champions12.3メンバー。著書に『賞味期限のウソ』『あるものでまかなう生活』。食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞

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気候変動が深刻化し、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、対応に悩む企業も多いです。著者は企業広報に14年半、NPO広報に3年従事の後、執筆や講演を通して食品ロス問題を全国に広め、数々の賞を受賞しました。SDGsが掲げる17目標のうち、貧困や飢餓、水・衛生、生産・消費など、多くの課題に関わる食品ロスの視点から、国内外の事例を紹介し、コスト削減や働き方改革も見据え、何から取り組むべきか考えます。

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