気象データを活用し食品ロスを30%削減できた食べ物は?

(ペイレスイメージズ/アフロ)

5月10日は日本気象協会(JWA)の創立記念日。1950年5月10日、日本気象協会の前身である気象協会が創設。その後、1966年(昭和41年)に、関西気象協会・西日本気象協会と合併し、「日本気象協会」という名称になった。

日本気象協会のデータを活用し、食品ロスを年間30%も削減できた食べ物とは?

ところで、この日本気象協会、食品企業と連携しての仕事が急増している。食品というのは天気や気候に売上を大きく影響される。そのため、年間の春夏秋冬の気候だけでなく、日々の細かな気温の動きなどを把握し、需要予測の精度を向上させることで、より、需要と供給のギャップを少なくすることが可能となるのだ。

実際、年間の食品ロスを30%も削減できた食べ物がある。それは何だろう?

答えは「寄せ豆腐」。

スーパーで見切り(値下げ)販売のコーナーを見ると、大豆製品が入っていることがとても多い。豆腐、納豆、油揚げ、厚揚げ、おからパウダー・・・といったものだ。賞味期限表示として記載される日数が短いため、売り切れないと、どうしても値下げして売ることになる。でも、最初から作り過ぎなければ余らないはずだ。

そこで、日本気象協会が「前日と比べて気温差が大きく上昇する日ほど寄せ豆腐の販売数が増える」という傾向をつかみ、それを元に、豆腐製造企業である相模屋食料とともに「寄せ豆腐指数」が開発された。

日本気象協会と相模屋食料が開発した「寄せ豆腐指数」(日本気象協会提供)
日本気象協会と相模屋食料が開発した「寄せ豆腐指数」(日本気象協会提供)

もちろん、販売数を左右するのは天候などの気象条件だけではない。曜日やチラシが入ったかどうか、特売日かどうかなど、複数の要因が影響する。それでも、相模屋食料は、日本気象協会とのこのプロジェクトのおかげで、年間およそ30%のロスを削減することができた。

豆腐業界の改革者、相模屋食料の鳥越淳司社長

相模屋食料株式会社の本社と工場は群馬県前橋市にある。東京オフィスは東京都千代田区麹町に。そのどちらにも取材で伺ったことがある。

代表取締役社長の鳥越淳司社長は、もともと、雪印乳業に勤めていた。相模屋食料の2代目社長の三女とご結婚され、2002年に相模屋食料に入社。趣味のガンダムの要素を豆腐に取り入れた「ザクとうふ」はソーシャルメディアで大きな話題となった。つい先日も、のむとうふを発売し、注目を集めている。

相模屋食料は、気象データの活用のほか、賞味期限の延長も実現している。一般的に賞味期間の少ない豆腐の賞味期限を延長し、15日間まで日持ちするような製法を工夫し、これも食品ロスの削減に繋がっている。

日本気象協会の商品需要予測は持続可能社会の実現へ

日本気象協会は、相模屋食料で実現したような、商品需要予測のサービスを提供している。

日本気象協会の商品需要予測(日本気象協会HPより)
日本気象協会の商品需要予測(日本気象協会HPより)

上記のイメージ図のように、精度の高い気象予測データやPOSデータなどのビッグデータを、AIなどの最新技術を使って解析する商品需要予測のサービスを提供している。

このようなデータや技術が食品ロスの削減に、これからも貢献することを期待している。

参考記事

なぜ食品業界は日本気象協会に仕事を依頼するのか 

捨てられる豆腐をどうすれば減らせるか