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バドミントン、女子団体ユーバー杯は急造2ペアで連覇に挑戦か

平野貴也スポーツライター
五輪レースのライバルだった松友(左前)と松本(右前)の急造ペアを2大会連続起用か(写真:アフロスポーツ)

 バドミントン日本代表は、9日からデンマークで開催される男子団体トマス杯、女子団体ユーバー杯に出場する。2年毎の開催で、本来は昨年に行われる予定だったが、1年延期されたため、前週の男女混合国別対抗戦スディルマン杯に続いて団体戦に臨む。トマス杯、ユーバー杯は、シングルス3戦、ダブルス2戦で3勝を争う団体戦。日本女子は連覇を狙うが、ダブルスは急造ペアでの戦いを強いられそうだ。

女子複は永原、廣田が不参加、志田が負傷でスクランブル

 今夏の東京五輪には松本麻佑/永原和可那(北都銀行)、福島由紀/廣田彩花(丸杉ブルビック)が出場し、ともにベスト8となったが、永原はコンディション不十分、廣田は右ひざ手術後でともに今大会を欠場している。

 そのため、前週にフィンランドで行われた男女混合の国別対抗戦スディルマン杯では、3番手の志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)が起用されたが、予選リーグ第3戦で志田が足をひねって負傷。準々決勝以降は、高橋礼華との「タカマツ」ペアで2016年リオデジャネイロ五輪金メダルに輝き、昨季に高橋礼が引退してからは混合ダブルスに専念していた松友美佐紀(日本ユニシス)が、松本とのペアで緊急出場し、決勝戦までの3試合を戦った。

松友/松本は2大会連続起用の可能性、福島は東野とのペアで出場か

 男女混合のスディルマン杯では、女子ダブルスは1組しか出場しないが、女子団体のユーバー杯では2組が出場する。欧州遠征前、朴柱奉ヘッドコーチは、志田/松山と福島/松本の起用を示唆していた。

 しかし、スディルマン杯後にBWF(世界バドミントン連盟)の公式サイトが紹介した朴ヘッドコーチのインタビュー記事によれば、志田はユーバー杯でもプレーできない可能性があるという。そのため、スディルマン杯に出場した松友/松本を継続し、元々、次週に行われる個人戦のデンマークオープンにエントリーしていた福島/東野有紗(日本ユニシス)との2組で戦う可能性が出て来た。

 元々、本来のペアでエントリーしているのが志田/松山のみだったため、いずれの組み合わせにしても、急造ペアでのやりくりとなる。

MOMOTA YET TO REGAIN CONFIDENCE, SAYS COACH PARK

(リンク先は、BWF公式サイト記事)

※記事最下部でユーバー杯の戦力に言及

急造ペアでも世界トップクラスの実力者揃い

 ただし、スディルマン杯で松友/松本が、準々決勝と準決勝で勝利を挙げ、決勝でも中国の東京五輪銀メダルペアに健闘したように、日本女子ダブルスは個々の能力が高く、どの組み合わせでも対抗できる強みはある。松友は前述のとおり、五輪金メダリスト。東野は、渡辺勇大(日本ユニシス)と東京五輪の混合ダブルスで銅メダルを獲得したばかり。松本は、2018年、2019年の世界選手権金メダリストで、福島はその両大会で銀メダル。松山は、まだ同クラスの実績はないが、それでも世界ランク9位の実力者だ。

シングルスの奥原も不参加、苦しい台所事情で連覇へ挑戦

 大会は、4チームずつ4組に分かれて予選リーグを行い、各組上位2位が決勝トーナメントに進む。日本女子は、予選リーグA組で、フランス、ドイツ、インドネシアと対戦する。初戦となるフランス戦は、日本時間9日の20時30分に開始予定だ。シングルスで主軸を担う予定だった2017年世界選手権女王の奥原希望(太陽ホールディングス)も負傷を理由に参加を見送り、連覇に向けた挑戦における、女子ダブルスの重要性は増している。その中で、どのような組み合わせのペアが起用され、どのような戦いを見せるのか。

スポーツライター

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。サッカーを中心にバドミントン、バスケットボールなどスポーツ全般を取材。育成年代やマイナー大会の取材も多い。

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