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火星最接近 10月中は観望の好機

縣秀彦自然科学研究機構 国立天文台 准教授
地球に接近中の火星(2020年10月1日) 提供:国立天文台

10月6日、火星最接近

 今回の地球と火星の最接近は、2020年10月6日23時18分(日本時間)。このとき地球と火星の距離は約6207万キロメートルまで近づきます。この日、うお座にいる火星の明るさはマイナス2.6等の輝きで天空で目立った存在です。前回、2018年の最接近の際には、地球と火星は約5759万キロメートルまで接近する「大接近」でした。下図をご覧ください。今回の接近は2018年には及ばないものの、今回の接近での観望を逃すと、明るく大きな火星の接近は2033年まで起こりません。今回の接近では、明るさはマイナス2等級を超え、赤くどっしりとしたその姿は、都会からでも肉眼でしっかりと見ることが出来ます。また、火星はこの後、10月15日に地球から見て太陽と反対の位置(天文学では「衝(しょう)」と呼びます)となり、次第に東の空から昇ってくる時刻が早くなります。すなわち、夕方でも見やすい高度となり、深夜を待たずによい条件で観察可能になりますので、10月から11月にかけてその明るさや位置の変化を追ってみてはいかがでしょうか。

地球と火星の関係(最接近時の位置関係) 提供:国立天文台 
地球と火星の関係(最接近時の位置関係) 提供:国立天文台 
今晩(2020年10月6日)の火星と星空 提供:国立天文台
今晩(2020年10月6日)の火星と星空 提供:国立天文台

今回の火星接近の詳しい解説は、国立天文台 火星最接近2020をご覧ください。

また、10月1日に撮影された火星の動画はこちらです。お楽しみください。

自然科学研究機構 国立天文台 准教授

1961年長野県大町市八坂生まれ(現在、信濃大町観光大使)。NHK高校講座、ラジオ深夜便にレギュラー出演中。宙ツーリズム推進協議会代表。国立天文台で国際天文学連合・国際普及室業務をを担当。専門は天文教育(教育学博士)。「科学を文化に」、「世界を元気に」を合言葉に世界中を飛び回っている。

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