2020年6月21日(日)の午後、日本全国で部分日食が起こります。日本で見られる日食は2019年12月26日の部分日食以来ですが、次回全国で見られる日食は2030年6月1日の北海道での金環日食(他の全国各地では部分日食)までありませんので、梅雨空に晴れ間が生じたら、是非見ておきたい天文現象と言えましょう。

日食の種類 今回、日本で見られるのは部分日食。昼間の天文現象であり、空の明るさが変化するわけではないので、知らないと気付かないまま過ごしてしまう。皆既日食の時のみ空が暗くなる。 提供:国立天文台
日食の種類 今回、日本で見られるのは部分日食。昼間の天文現象であり、空の明るさが変化するわけではないので、知らないと気付かないまま過ごしてしまう。皆既日食の時のみ空が暗くなる。 提供:国立天文台

 日食とは、太陽-月(新月)-地球の順に宇宙空間で3つの天体が一直線に並ぶことで起こる現象です。昼間、太陽からの光を受けた月の影が地球に落ち、そこだけ昼間なのに光があたらない場所が出来ます。上図のように日食には、完全に太陽を月が隠してしまう「皆既日食(皆既食)」、太陽の縁が丸くリング状に見える「金環日食(金環食)」、そして太陽の一部分が欠けて見える「部分日食(部分食)」があります。皆既日食や金環日食が生じる場所は帯のように狭く、その周りの地域で部分日食が見られます。今回は、アフリカ中部、アラビア半島、パキスタン、インド、中国、そして台湾のそれぞれ狭い範囲で金環日食となり、この帯状の金環食帯の中心では最大で0分38秒の金環食を見ることが出来ます。今回は、金環食の継続時間がとても短い現象です。

日食が起こる仕組み 今回の日食は台湾等で金環食となる。日本を含めその周囲では部分食が見られる。 提供:国立天文台 天文情報センター
日食が起こる仕組み 今回の日食は台湾等で金環食となる。日本を含めその周囲では部分食が見られる。 提供:国立天文台 天文情報センター

 金環食帯の外側の一定範囲では、太陽は完全には隠れませんが、一部のみ隠れる部分日食になります。この日、日本各地では、天候に恵まれれば、午後から夕方の時間帯になりますが、太陽が欠ける様子を観測用具や木洩れ日等を用いることで観察可能です。

 那覇では太陽の面積の79%、東京では36%、札幌では18%が月によって隠されます。

東京での見え方 東京では食の始まりは16時11分、食の最大は17時10分、18時03分に食が終わる。西の低空での現象のため、直接肉眼では見ないよう工夫が必要。 提供:国立天文台 天文情報センター
東京での見え方 東京では食の始まりは16時11分、食の最大は17時10分、18時03分に食が終わる。西の低空での現象のため、直接肉眼では見ないよう工夫が必要。 提供:国立天文台 天文情報センター

 太陽の観察はとても危険です。太陽の光と熱のエネルギーは膨大なため、直接、太陽を見ると失明する危険があります。肉眼でも危ないのですから、天体望遠鏡や双眼鏡を使うことは極めて危険です。肉眼で見ることはもちろん、天体望遠鏡や双眼鏡も使わないでください。太陽観察用の「日食グラス」等専用の用具で観察しましょう。また、そのような用具が手に入らなくても、木漏れ日やピンホールカメラを用いて観察する方法があります。より詳しい情報は国立天文台の解説ページをご覧ください。

麦わら帽子を太陽にかざし、その影を見ると木洩れ日同様に一つ一つのすき間がピンホールカメラの原理で、欠けた太陽像になっている。お玉やざるなど身近なもので楽しむことが出来る。 提供:国立天文台
麦わら帽子を太陽にかざし、その影を見ると木洩れ日同様に一つ一つのすき間がピンホールカメラの原理で、欠けた太陽像になっている。お玉やざるなど身近なもので楽しむことが出来る。 提供:国立天文台

 太陽の光を見かけ上減光できるからといって、黒いごみ袋、アルミホイル、ポテトチップスなどの袋、色付きの下敷きなどで見ることもとても危険です。これらは赤外線を通してしまうため、可視光を減光していても、熱によって網膜が傷ついてしまう可能性が指摘されています。

絶対にやってはいけないこと 提供:国立天文台 天文情報センター
絶対にやってはいけないこと 提供:国立天文台 天文情報センター

 COVID-19拡大予防のため、今回の日食では日食観察会等が開かれない地域がほとんどかと思います。ご自宅などで3密にならないように楽しむ他、国立天文台の石垣島天文台はじめ、全国各地から日食中継が予定されています。また、金環日食となる海外の国々からもインターネット上で中継イベント等(英文)が予定されていますので、併せてそちらもお楽しみください。

参照ページ:

宙ツーリズム推進協議会 おうちで日食観察を楽しもう!全国各地からオンライン中継

JAPOS(日本公開天文台協会)観測キャンペーン夏至の日の部分日食を見よう

和歌山大学観光学部 YouTube Live-全国縦断「夏至の日に部分日食を見よう!」