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美味しい新米の季節 虫がつかないお勧め保管方法とは

有吉立アース製薬(株)研究部で害虫飼育を担当
写真はイメージ(写真:イメージマート)

新米の季節がやってきました。炊き立てのごはん、美味しいですよね。でも、もし、このお米に虫がついていたら…、せっかくの新米が台無しになってしまいます。今回はお米につく虫の代表選手の「コクゾウムシ」と「ノシメマダラメイガ」の2種類について、生態とその対処法をご紹介します。

コクゾウムシ(甲虫)

甲虫の仲間で大きさは、成虫は3mm程度、赤褐色~黒褐色で、口器が象の鼻のように長く、穀物を食べることから、「コクゾウムシ(穀象虫)」と呼ばれています。この長い口で米粒に穴を開けて卵を産み付けます。成虫の寿命は2~7ヶ月と長く、メスは一生の間に約200個の卵を産みます。卵、幼虫、蛹(さなぎ)の期間は米粒の中にいるのでパッと見では確認できず、お米を洗おうとしたら虫が突然出てきたように感じてビックリしてしまいます。ちなみに、幼虫はお米の中にいるので自分の周りはすべて餌。歩く必要がないため脚が退化していて、コロンと丸い形をしています。

ノシメマダラメイガ(蛾)

蛾の仲間で大きさは、成虫は7~8mm程度、開張(翅を開くと)13~16mm、頭部は黒色、翅は淡黄色から赤褐色で、名前の由来となっている熨斗目(のしめ)の特徴的な班紋があります。

お米を食べるのは幼虫のみで、色は、頭部は茶色、あとは淡い黄白色で、終齢幼虫の大きさは10~12mm、イモムシのような円筒形をしています。

成虫の寿命は10日程度で、メスは一生の間に100~400個の卵を産みます。メスは食品に産卵し、孵化した幼虫が食害するのですが、米を食害した場合、最初に胚芽部を食べてから、次にぬか層を食べるため、米が搗精されたようになります。また、幼虫は大量の糸を吐くので、ノシメカダラメイガがいる米びつの中は糸が張ったような状態になっています。

侵入経路はどこから?

お米は袋に入って販売されているのに、虫はどこから入るのでしょう? 理由はいくつかありますが、稲刈り後の製造過程で混入するケースが考えられます。精米技術が進化した今、虫が入り込むことは考えにくいのですが、米粒に産み付けられた卵が混入し袋の中で育ってしまうことがあります。また、流通経路や保管場所で、米袋の小さな通気穴から侵入するケースも考えられます。

では、お米に虫がつかないようにするにはどうしたらいいでしょう? 詳しく説明します。

お勧めの保管方法

・密閉容器に入れて保管

購入した袋の状態で保管することはやめましょう。米袋の通気穴から虫が侵入してしまいます。侵入を防ぐため、しっかりと密閉できる容器を選ぶことが大切です。また、保管場所は、温度や湿度が上がりやすい冷蔵庫や電子レンジに近いところ、シンク下などは、虫が繁殖する可能性が高いので避けましょう。

・冷蔵庫で保管

冷蔵庫内の温度では、虫は成育できません。野菜室も含めスペースに余裕があれば冷蔵庫への保管がお勧めです。ただ、袋のまま保管すると、通気穴から空気が入り、米が乾燥してしまうことがあります。また、お米はニオイがつきやすいので、ニオイが強いものと一緒に置くのは避けた方がいいでしょう。乾燥やニオイがつくのを防ぐため、冷蔵庫内でも密閉容器に入れた方がいいですね。

写真はイメージ
写真はイメージ写真:イメージマート

・米びつ保管時の注意点

新たにお米を入れるときは、米びつを洗いましょう。容器の底には糠(ぬか)が溜まっています。この糠は虫の大好物なので、虫が寄ってきやすくなります。面倒とは思いますが、新しいお米を入れるときは、毎回しっかり洗って、乾燥させてから、お米を入れるようにしましょう。容器を乾燥させないとカビが生えてしまうのでご注意ください。

・米びつ用防虫剤を使う

虫の発生を防ぐために、市販されている、米びつに入れるタイプの防虫剤がお勧めです。成分は、唐辛子やワサビ、炭など天然由来のものがほとんどで、安心して使用することができます。

・他の食品の管理もお忘れなく

お米につく虫たちは、お米だけを食べているわけではなく、パスタ、小麦粉、お菓子などにもつくことがあります。知らない間にそれらを餌にして虫が増え、その後お米に移動してくることも考えられますので、他の食品をきちんと管理することも大切です。

虫を見つけたときは?

上記のように予防しても虫がついてしまう場合もあるかもしれません。その時はどうしたらいいでしょう。あまりにも大量についた場合は難しいかと思いますが、虫を取り除けば食べることはできます。ただしアレルギーが心配な方にはお勧めしません。

最後に…

虫がついたお米を食べるのは気分のいいものではないですが、虫がつくということは、農薬などの化学物質の残留がない、あるいは少ない安全なお米と考えられます。そんなお米を捨ててしまうのはもったいないですね。やはりきちんと保管することが一番です。

コクゾウムシ、ノシメマダラメイガともに、15度以上あれば発育できます。最近は、冬場でも家の中はこの程度の温度はあることが多いでしょう。そうすると冬でも増えてしまう可能性があります。せっかくの新米を虫に食べさせないようにきちんと保管して、美味しいごはんをいただきたいですね。

アース製薬(株)研究部で害虫飼育を担当

兵庫県出身。都内の美術学校卒業後、 家具店店員、陶芸教室講師など虫とは全く関係のない職業に就いていたが、1998年に地元・赤穂のアース製薬に入社以来、害虫の飼育を担当している。しかし、現在も虫は好きではない。著書に「きらいになれない害虫図鑑」(幻冬舎)※記事は個人としての発信です。

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