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春の衣替え 衣類を食べる「ヒメマルカツオブシムシ」から洋服を守るポイントとは

有吉立アース製薬(株)研究部で害虫飼育を担当
イラストはイメージ(提供:イメージマート)

春は、衣服に虫食い穴を起こす虫が出てくる季節になります。衣類害虫は、甲虫の仲間の「ヒメカツオブシムシ」、「ヒメマルカツオブシムシ」と蛾(が)の仲間の「イガ」、「コイガ」の4種類がいます。今回は、この中でまだら模様のヒメマルカツオブシムシについてお話しします。

ヒメマルカツオブシムシってどんな虫?

成虫は衣服を食べません

ヒメマルカツオブシムシの成虫は楕円形で約2.5mmの小さな甲虫で、体の地色は濃赤褐色か黒色で体の表面は、白色、黄色、こげ茶色の毛でおおわれています。これがまだら模様になっているので、模様には個体差があり同じ虫とは思えないくらいの違いになります。成虫は衣服を食べることはなく、野外で花の蜜を食べています。春から夏に見ることが多いです。

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※苦手な方はご注意ください

幼虫が衣服を食べます

ヒメマルカツオブシムシの幼虫は、細長いだるま形で暗褐色、毛虫のようにたくさんの毛が生えています。幼虫が家屋内で食べるものは、羊毛カーペットや衣類、毛皮、毛髪、羽毛、皮革、小動物の標本(昆虫、剥製)などで、名前の通り、鰹節などの貯蔵食品も食べます。

どうやって家に入ってくるの?

春になると、翅(はね)のある成虫になり、2週間程度すると明るい方向(野外)へ飛び出し、花の蜜を食べに来ます。また、白いものに引き寄せられるので、干している白い洗濯物や白い布団、外を歩いている人の白系の衣服などにくっ付いてきます。そのまま洗濯物や布団、衣服などとともに家の中に持ち込まれてしまいます。

写真はイメージ
写真はイメージ提供:イメージマート

家の中で何をするの?

家の中に入ってきたヒメマルカツオブシムシの成虫は、自分の子どもたちの餌になる場所を見つけて産卵します。衣服やカーペット、羽毛、鰹節などです。部屋の中では、クローゼットの中や引き出しなど薄暗い場所にある衣服に産卵することが多いようです。ヒメマルカツオブシムシの成虫は2.5mmと小さいので、狭い隙間からでも入り込むことができ、メスは一生の間に30~70個の卵を産みます。卵から10~25日後に孵化(ふか)した幼虫が衣服などを食べて育っていきます。狙われた衣服は幼虫が育っていくごとに、生地が薄くなり穴が開いていくことになります。

ヒメマルカツオブシムシを家の中に入れないためには?

小さな虫なので、知らないうちに上記のようなものにくっ付いて入ってきてしまうので、洗濯物を取り入れるときは、ヒメマルカツオブシムシが付いていないか確認する、また帰宅後は、衣服を確かめ、ブラッシングすることが効果的です。特に白い色、淡い色の服は要注意です。

また、庭やベランダに植えている白色や淡い水色、黄色の花にも寄ってきているので、注意した方がいいでしょう。

ヒメマルカツオブシムシから衣類を守るには?

防虫剤を上手に活用しましょう

防虫剤の成分は、空気より重いので、置くタイプは衣類の上に置くことが重要です。また、吊り下げタイプは、いちばん高いパイプにかけて上から下へ十分に行きわたらせましょう。

また、適正量や使用期限を守ることも大切なので、防虫剤の裏面等よく見て使いましょう。

その他予防すべきことは?

この春の時期に白色や淡い色の花を部屋の中に飾るときは、花に虫がついていないかチェックしましょう。衣服に食べこぼしや汚れが付いていると、そこを重点的に食べてくるので、収納前にはきちんとクリーニングしましょう。

また、ヒメマルカツオブシムシは、衣服以外にも貯蔵している鰹節などを食べます。飼育するときには煮干しを食べさせて育てるので、鰹節や煮干しなど食べられやすい乾燥食品は、密閉容器に入れるか、スペースに余裕があれば冷蔵庫に入れると安心です。

写真はイメージ
写真はイメージ写真:イメージマート

最後に…

虫食い穴を起こす害虫は、あまり気にかけないかもしれません。でも油断は大敵です。いつも冷暖房が効いていて、人間にとって住みやすい環境は、害虫にとっても快適なのです。大切な衣服に穴が開く前に、虫を家の中に入れない、防虫剤を効果的に使用するなどの対策を徹底しましょう。

アース製薬(株)研究部で害虫飼育を担当

兵庫県出身。都内の美術学校卒業後、 家具店店員、陶芸教室講師など虫とは全く関係のない職業に就いていたが、1998年に地元・赤穂のアース製薬に入社以来、害虫の飼育を担当している。しかし、現在も虫は好きではない。著書に「きらいになれない害虫図鑑」(幻冬舎)※記事は個人としての発信です。

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